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眼に映る景色が柔らかい
青は青であり、空は空である
テレビで流されているニュースは事実であり
隣で寝ている君は本当に一人の君だ
そうなのに
頭に映る言葉の塊には美しさが無い
眩しさは失 ....
甘美なる赤い香りは
蒼い花を征服して
空間に調和という時間を与える
香水の飛沫
ヒステリックに飛び散る夜
叫びは歌とは違う
言葉が一つ捨てられている
孤独な人は名前を持っているの ....
一直線に伸びた微粒子の放出
光りは彼方へと繋がり
藍色の権力は力強さと共に形を残す
過ぎ去る景色
そこには風がなく
過ぎ去る感情
そこには母の優しさが無い
やがて果実は実を開く
....
光りが照らされる白い葉に
運命の蒼い一筋の水が滴る
鼓動は動きを忘却し
風が南に向かって吹き始める
私は沈む
私は沈みゆく
底に溜まった感情は
肉を膠着させ
出口を求めて彷徨う
....
遠くから足跡が聞こえる
闇の中で独りでいる時、
その足跡の音は社会の目線に聞こえる
街の空気は有料だ
生きる為には対価を払わなければならない
自然に生きる態度は身勝手な若気の草木に似てい ....
4月初旬。
朝早く家を出た私は今日の天気を知る由も無く会社へと出かける。
今日が晴れの日だったと知るのはもう陽が暮れた9時前後の月の形であった。
月は丸々と綺麗な楕円をして空に浮いており、
「 ....
36度の体温の中には均等なバランスが組み込まれている
それはまるで一段一段の歩みを形作る階段の傾斜のように
着実であり、無難である
命の装億は平然な顔をして日常を過ごしている
森羅万象とその中 ....
地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す
....
黒く世界を支配する夜の空
月は宇宙を彷徨っている
感情は深く、深く
悲しみの涙を流し
落ちた水滴は雨となり地面を濡らす
意味は分裂され
言葉は空白の余韻に打ち砕かれて
死ぬ
昨日の ....
リビングに置いてあるピアノから
旋律が空間に流れる時
時空への旅はどこに到達しているのだろう
思い起こせば何時も青春が首を擡げ
現実に起きていることと
過去に起きたことの記憶が
脳の中 ....
愛は始まりを告げなかった
愛は終わりも告げなかった
愛は形も作らず
愛はどこにも現存しなかった
愛は幻のように思えた
愛は煌びやかな化粧をした戯言のように思えた
愛は歌のように高まる感 ....
運命を呪うというのは
自らの遺伝子を呪うということ
運命を愛するというのは
自らの環境を愛するということ
私は地球の申し子であり
あなたの息子である
あなたの息子と同時に
独立した個 ....
とぼとぼと歩く駅からの道
辺りはすっかりと暗くなり
私の大きな背中は闇夜に消えて行く
道端の草木はもう姿を現さない
自然は朝の生き物だ
若しくは昼間に呼吸する天然物だ
道路には車が行き ....
私達の目は形の無いものをどれだけ見つめることが出来るだろう。昨日の陽の光の形を、10年前の雨の滴る上空を、過ぎ去った記憶の思い出を。薄ぼんやりとした過去の欠片は、今日の一日をボロボロと噛み砕いている。 ....
石の言葉は無音だ
叫びが無く
訴えも無い
ただ、冷たい地面に向き合い
ジッと座っている
荒地の中でもアスファルトの隅でも
空の意志は純粋だ
無念が無く
欲望も無い
ただ、澄み渡る ....
風は光と影に囁き
透明な空気を細やかに主張した
何故なら
ある歌の中では 黒が白となり
ある叫びの中では 赤が青になるからだ
透明感のある言葉は一体どこに隠れたのか
人の主張は圧縮され ....
現実という時雨が降る朝に
大地が感じるのはどのような温度か
木の枝葉は水滴の重みに耐え
明日の太陽を望んでいる
今、曇った雲の切れ端から
太陽の光が漏れている
影と光が織りなす景色に
....
時が支配者であるという命題に
生は何時も屈服する
1日は24種の蒼い乾びた血液から成り立ち
時を忘れた瞬間に赤い血流は体内を巡る
生の瞬間は忘却に潜んでいる
小さな人間の小さな脳内に
....
覚悟を持て 覚悟を持て
覚悟とはギリギリの命の欠片の端くれを
決してはなさない心の態度
心には態度が必要なのだ
今日を見るのは目であるが
明日を見るのは心の中だ
動いているものを見るの ....
わたしはわたしの世界を見る
薄ぼんやりとした世界の表情を
いくつもの闇の交わり
いくつもの光の温もりを
わたしはわたしの世界を見る
とぼけた朝の鋭敏な世界の景色を
悲しみの重なりや ....
風が文句を言う。だから僕は頷く。若しくは日常語だけを話し、沈黙を忘れる。太陽は感情を曲げないで一直線に走る。だから僕は座る。若しくは歩みを止めて、目的地を捨てる。雨は時刻を知らせる。一秒毎に100粒の ....
それは突然に来る 音がする
ヒタヒタと迫りくる
晴天が急に曇り、突然降る
人は剥き出しだ 傘もささずに
12月の初めの風 南に向かって
匂う道 曲がる季節
今日の天気 晴れのち ....
覚えている 山の色、海の匂い
夕焼けの中、一緒に遊ぶ隣の家のお兄ちゃん
記憶は遥か遠く、遥か遠くに居て 瞬間に迫りくる
過去は止まり、描写は言葉を忘却している
感情の色を失くし、刻む脳裏の ....
太陽が現れて、眩しい光が差し込む
水面に揺れる地平線
蒼く染まった頭上から
歴史を振り返ることなく
生活を語ることなく
背中には影
光と同化すること ....
揺るぎない態度が歩むアスファルトの硬さで
両腕を失ったのは誰か
絶えず歩み続けることで
身体の抱擁を犯されたのは誰か
足跡は連なり
その道は物語を一つ語りだす
独りの表現を誇張し
劇 ....
例えば、それは記念日の夕食の
テーブルにある蝋燭が照らす淡い瞬間
ワインで少し赤くなった顔が綻ぶ瞬間
例えば、それは久しぶりに家族で行く海外旅行の
澄み渡る天の青を仰ぎみる瞬間
遠くに見える ....
青い欲望が自己の目的
生きることは自らのためか
赤いリンゴを食す
腹の底から来る欲求に
君が微笑むのは
昇る太陽のためか
他者の欲望に
自らの欲求が渇き始めれば
新芽は瑞々しさ ....
海は空の青と同じ色だから
互いに永遠を約束している
友人のよう
砂はその輝きを
助けるかのように
輝く未来を一握りの宝石へと
姿を変える
波が押し寄せ
砂場は呼吸する
....