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いとおしくてあたたかなかたまり。例えるなら生まれたばかりの赤ん坊。訳もわからないまま抱きしめたくなる。愛よ、それは。名前は日だまり。
重ねても重ねても重ならない、色。赤は赤だし黄色は黄色。追い ....
区切るのは、窓枠
ガラスを斜めに横切る曲線
不規則な、雑巾の跡
掃除の手順は安定しない、いまだに
座る場所は決まっている
そうである限りはきっと
向こう側の風景も大体変わらない
....
思う、
考える、
短くため息、
ポテトチップスをかじる、
続ける、
恋をしている、
わたしはシマリスより忙しい
離れていく、指先から徐々に
枝分かれして漂う
時間の波はいつ ....
シロツメクサが、あちらこちらで群れている
時折たんぽぽの黄色い花びらが見え隠れして
まるで、簡単すぎる間違い探し
花冠を作れないのはわたしだけ
細長い葉っぱを千切ったり
ありの行列を ....
飛ばされたまつげを探していたら
足元に春が落ちていた
あぜ道にはなずな
不規則に並び、ゆれる
隙間を縫うように細く流れる水、
昨日降った雨の名残だ
まだ小さな双葉にしずく、 ....
全てのものは
混沌としている
一秒だって止まることはない
絶え間なく
濁りつづけている
ぬかるみに
足をとられたとして
転んでひざをすりむいたとして
傷口がしくしくと傷んだと ....
ベランダにするりと入り込んできた花びらは
物干し竿の隅っこにぺったりとくっついたままで
当の木はもう半分以上が緑色なのに
無機質なアルミをほんのりと密やかに
しっとりとささやかに染め上げている ....
振動はごく小刻みなもので
そう、
ぷっちんとお皿に落としたばかりの
おもちゃみたいなプリンに似ている
大きな曲線は、ない
そういえばしばらく見ていない
時々、雨が降る
洗 ....
うつくしい人の手はうつくしい形をしていて
やさしい人の声はやさしい響きで伝わって
かなしい人の瞳はかなしい色を浮かべ
さみしい人の吐息はさみしいあたたかさでした
冬の貧弱な太陽光だって ....
まつげの先にくっついているのは
きっと、全てからこぼれたひとかけら
布団からはみ出た指先の冷たさに驚く
そういえば昨夜見ていたニュース番組で
朝夕の冷え込みに注意しましょう
とか何と ....
咲き方がわからなかったので
見渡そうと思った
女はホースで庭に水をまく
小さく集まった緑色はより濃厚になり
葉の先からぽたりと落ちる
はねっかえるのは強すぎる太陽
夏だ。
....
白々と冷えたゆびの先で
あかりを数えていた
ひとつ、ふたつ、みっつ
或いは
いちまい、にまい、さんまい
それとも
いってき、にてき、さんてき
夜の透明度が増していく
音 ....
それは、手のひらでした
空気が冷たくて目が覚める朝
寝床から出るきっかけを作るために
ひとつ大きな伸びをした
ふと指先に感じたもの
腕の中でほんの少し身体をひねる
バランス ....