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無口なソファのうえで
すみれの刺繍が眠っている
追憶の傍を 離れぬように
発話されない希望の群れが
いたる視線の向こう
ありふれた角度の曲がり道で
あなたの到着を
待っていればいいの ....
海の向こうでは、薔薇色の銀河が焚き火みたいにバチバチ言いながら、大陸を鷲掴んでいた。雲を殺した空の青さが、水平線を抱きしめて、時間を止めながら空間のトーンを昼下がりのハープみたいにゆったりと落とした ....
昼下がりのあちこちで
残雪にめり込んだ風がある
そのうち一枚を手にとって
冬の毛先と春のしっぽをスケッチする
腐葉土は絵がうまかった
3月の冷たいキャンバスに
季節の終始を要約した
....
(無人駅を捕まえた視力に
昼の色彩が降り注いで
言葉を一匹残らず狩っていった)
こびりついた目玉
形容詞で特注した粗い網で
漁へ向かう
釣れないこと、を
釣って帰る日もあった
綺麗 ....
かなしい、
張り巡らされた路線のどこか
車窓は残像をつくるだけだし
吊り革の黄ばみは
誰かしらの時を、わたし以外の
世界の破片を蓄積させ
運びつづける
町から街へ、
昼から夜へ ....
夕焼けは葡萄酒
そしてウミネコたちは翼を広げる
水平線、
海と太陽が
昼と夜を描き分けるその場所で
羽ばたきは燃える
わたしの視力が
永遠に追いつけないその場所で
世界の一部始 ....
蝉の音が、君に夜明けを告げる
ぬるい麦茶を一口だけ飲む
連日降り続いた雨が
大気に馴染んで、
呑気に夢も見させてくれない
じりじり揺れる、夏の日だ
寝起きの君は
ふらふらと窓辺へ歩き ....
布団にくるまりながら
流星群を見おくる
眠り損ねた世界中の夜に
無数の地声が
やさしいトーンで交叉する
言葉にしないと伝わらない
言葉にしても伝わらない
電線をすべる夜露のように
....
昨夜は、本を抱えたまま眠る人だった
活字は描いた
夢の中へ浸水するやいなや
なめらかな黒髪の毛先を
屈強な体躯の背中を
雨露でできた葉むらの中の
縦笛のようなフクロウの響き
カミナリ ....
水たまりに響き渡る月明かりと
引き換えに濡れたスニーカーが
ぴちゃぴちゃとアスファルトに
足跡を描いた
午前0時
夜空のアトリエでは星の彫刻家たちが
田園地帯から裾野にいたる陰影と静寂を
....
午後
湿った空のヴェールのどこか
太陽は消息を絶ったまま
まつ毛に絡まる滴たちが
小粒の昼間を映し出している
鳥の吹奏と草木の挙動は
雨粒のなかに封じ込められ
川の大移動だけが
落 ....
1
視線の先では
青天を浴びた午後の花
掠れたホワイトピンクが 風を聴きながら
真珠のように黙り込んでいた
ノートを片手に 煙草を吸って
通り過ぎる景色を文字にする
開けっ放しの ....
「西へ進めば、黄金がある。」
どこからともなく
番犬の鳴き声
風が揺らす針葉樹
昼間のひと気は
万人の睡魔のうえで
蒸発してしまった
夜空は雲を
ネズミ色に塗り絵して
雲 ....
屋根の上に寝そべって
星空宛に 音楽を流していた
8月の夜だ
外灯で催される カブトムシの集会
縁側の鼻歌は 風鈴のしわざで
首筋にぶつかる風の粒子は
いつまでも柔らかい気がした
....
ただのみきやさんの風呂奴さんおすすめリスト
(14)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
無声
-
風呂奴
自由詩
1
13-3-25
_
-
風呂奴
自由詩
1
13-3-22
無題
-
風呂奴
自由詩
1
13-3-19
無題
-
風呂奴
自由詩
1
13-3-19
かなしい
-
風呂奴
自由詩
3
13-3-19
防波堤
-
風呂奴
自由詩
4
12-7-25
山の麓も海の日で
-
風呂奴
自由詩
1
12-7-16
雷光
-
風呂奴
自由詩
2
12-7-6
寝ぼけ瞼に張りついた詩
-
風呂奴
自由詩
3
12-6-6
空に還る足跡
-
風呂奴
自由詩
4+
12-5-14
家の裏庭でこっそり煙草を吸いながら盗んだ午後の景色
-
風呂奴
自由詩
6
12-4-26
(仮題/メモ/断片)夏にくる記憶、羅列、季節のろれつ、、
-
風呂奴
自由詩
3
12-4-15
深夜
-
風呂奴
自由詩
1
12-4-9
夜間遊泳
-
風呂奴
自由詩
2
12-4-3
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