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ひとつの
あいまいな

それでも
確かに
ちいさな明かりに
包まれていた


吸い込んだ潮風が
いつの間にか
冷ややかで
胸いっぱいに
広がるから

{引用=もう少し
 ....
むせ返る
暑風に運ばれる
火薬の 
あの夏のにおいが
けむたくて
目を伏せてしまいそうなほど

短い季節の 
そのページがまぶしくて
栞もはさまず
本をとじた


夏の
暗 ....
{引用=月夜の{ルビ泡沫=うたかた}
ひらいた辞書に
針をおとす}

夜の端を
そっとめくると
月は
その裏側で
輪郭をにじませる

言の葉は
月影を背負い
蝉時雨の風と
果 ....
水たまりをこえて
スキップ/ステップ
ちいさな虹が
雨あがりの足のした
まあるく架かる

地球を蹴って
スキップ/ステップ
みずいろのドロップ
ほおばって
たかくたかく
大気圏を ....
 {引用=見上げた空のたかさを
  とおく 感じて}

皮膚はまるで
とうめいなガラスのようだった
ふりそそぐひかりを
全身で吸収していく


こころに咲いた
まだせかいを
知ら ....
ことばの森の中
今日も歩き続ける

迷い込んだ
ずっと奥深く
流れていく
ささやかな小川は
さら さら と
どこに
流れ着くのだろう

ことば
それはただの
ツールにすぎない ....
とおくで声を聞いた、
少しだけ厚い雲の下
足を止めその先を探す

   *

意味なんてなかった
ただ身体が伝えようと
やわらかな 部分に


{引用=ずっとずっと、とおくにいる ....
{引用=(身体がふたたび目覚めはじめる)}

窓の内側
さわやかな風が
やわらかいレースの
カーテンをひるがえす
初夏のひかりが
まぶしすぎた

屋根の上
反射する水面の
ゆれる ....
見上げた空から
はらはら 葉が
ながれていた

なみだ、かと思った
それは
落ちていたのではなく
夕暮れの空
まっすぐいちれつに
ならんで昇っていた


りょうてから
ふわり ....
{ルビ人気=ひとけ}の少ない
菜の花ロード
あなたと肩を並べ
静かに歩き始める

記憶の隅っこを
居場所に選んだ
幼い記憶をたどって

とおくとおく
忘れてはいけない

ささい ....
花火 のよう
ではなかった
燃え上がった炎

お互いのいのちを
内側から削り合って
混ぜ合わせた粉に
火矢を放つ

一瞬の火花の中
求め合い
探り合う 
薄い皮膚だけ保たれて
 ....
いっそこのまま
身体ごと
海の果てまで

落ちゆく夕日
きらめく波に
目を細め
静かに
銀の砂浜
立ちつくす

心だけ奪われた
もうすでに消えそうな私は

水平線の向こう
 ....
打ち寄せる波が
群青色の夜に輝く頃
誰かが届けた二枚貝


時を刻み

異国の景色を

映し出す
頼りなく緩やかに
指し示した指先から
また、ひとつ
こぼれ落ちる

まるで
時間をかけて浮かび上がる
あぶり絵のよう

そっとのぞき込む君に
また、ひと雫
オレンジを搾る

 ....
わたしの中、唯一
開かれた小さな窓から
ぼうっと眺める

つながる点と、点たち
ペンシルが弧を描き
強弱をつけながら
行き先を定める

それは幾重にも覆われ
その鼓動さえも

 ....
今まで歩いてきた道のりは
華々しいことなんか
なんにもなくて

ずっと思い描いていた
理想の自分
それは、もっと


でも
そうやって歩いてきた道のりが
わたしそのものなんだ、と ....
ひとり部屋

にも関わらず

感じる別の温度

わたし部屋

にも関わらず

散らかされた言葉たち


わたしが私から

出ていくことはないから


それもこれも
 ....
気の向くまま

足の向くままの

ひとり旅

ゆらゆら揺られ

向かう旅先に

とうに気付いてたはずの

色の変化

知らされる


悲しみと平和の街

これから ....
身辺整理は着々と進んでいるのに
心の整理はつかないまま

あなたの言葉は
やさしく
残酷だ

身辺整理が着々と進んでいる中
今頃やっと気がついた

あなたの言葉は
額の中に向けて ....
頼まれ事は

断らないをモットーに

どんな小さな雑用でも

どんな大きなお仕事でも

断らないをモットーに


過程が大切なのは知ってる

それは良くも悪くも

自分の ....
芽吹きの季節とはいえ
冷たい風が菜の花を揺らし
川面を颯爽と走る

光が流れていくのを
ただぼんやりと見ていた私は
纏わりついた髪をすき
静かに歩み始める

荷物は案外少なかった
 ....
静寂
響く規則正しい音

呼名
瞼を持ち上げかすかに
見上げるあなた
いつの時をみている

そこに映るは
白き天かそれとも
遠き日のあなたか

呼吸
静かに刻む

それ ....
静かに
長く連なる
落下して
地面の
ずっと奥深く
張り巡らされた手から
温かく
吸い込まれ
生命の源となる

それは
凍りついた世界を融かし
別れを告げ
訪れを呼ぶ

 ....
それは私の一部

私は音となり
あなたはその音で
美しい音色を奏でる

深い森の静かな朝
川の流れと風がささやく
静かな音色

まだうまく歩けない
子ぐまをやさしく見守る
暖か ....
君と僕の間に
閃光弾を落とす

一瞬で周囲をくらまし
光だけ
誰も傷つけず
ふたり
姿を消す

それは
真を幻が包み込み

やがて幻が解ける頃
僕は真を
街に焼き付ける
 ....
この世界では
もう
寄り添うことができないので

わたしは
新たな世界へ
あなた探しの旅に出る

指を鳴らすと
広がる世界

影絵遊びで
小さな世界

新たな世界は
多く ....
恋月 ぴのさんのこゆりさんおすすめリスト(26)
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春風- こゆり自由詩24*08-2-26
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