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ただいぬ

誰の
何の役にも立たない

ただいぬ

いつもひとり
だって珍しいから
そしてとてもありふれているから
みんなが囁き合いながら遠巻きに眺める

頼んでうまれてき ....
朝焼けに
一羽のかもめ
雨上がりの黒い砂
足跡がひとつ
ざらつく視界

限りなく打ち寄せる
あったことと
なかったことの
波打ち際

灰色の雲間から
淡い光が染み込んでくる
 ....
二十四時間操業の工場で
一年前と同じスケジュールを働いた
一年前が二年前でも
三年前でも五年前でも
十年前でも同じであり

今日は雨が降っている
傘の影
右と左
交互に前に出る
汚 ....
か細い声が聞こえた


電線の上
早起きの小鳥たちが小首をかしげる
埃っぽく煙った路上
散乱する朝の気配
大型トラックが排気ブレーキの音を響かせる
始まりと終わりの時間を行き交う車たち ....
よっこらせ
腰掛けた瞬間
今日という日が僕の横を
他人の顔ですり抜けた

野ざらし
雨ざらし
吹きさらし
黒い脈を空に伸ばす枯木に
何もない
野の吹雪

赤い動脈が伸びていって ....
刈入れを終えた田圃では
実りを待たれることのない蘖が
青い頭を覗かせている

下向きの気分が伝播するのはとても容易く早く
そのあと
荒れた土地で希望はなかなか芽を出さない

それでも
 ....
「On your mark」

隠しておいた二枚目の舌も きみに引っこ抜かれちゃったから
だから
寡黙なランナーに なれるよやっと
沿道の声援に もう お調子者の返事はしない できない
整 ....
きみのもと 光届ける 配達夫 エッチラオッチラ 銀河を超えて


約束の 証にあずかり 君の名を 帰ってこいよ Astronaut


Universe ぼくのpieceが 散らばりて ぼ ....
意識には軸がある
眠る独楽のように
外からは静止しているように見えて
存在を大地に穿ってゆく

そして
頂は常に天を向き
宇宙の何処かにあるであろう
とおい故郷を指し示す
独り楽しく ....
一葉をアルカリで煮る(オカネヲニテハ イカンソク)

そして残った葉脈の

徐々にほそく。

枝分かれしてゆく


いつであったか

どこであったか

そこから始まる
生命 ....
それに
包丁を当てる夢を見る

それは
四角いスイカ

グロテスク又は滑稽
転がらないそのかたちは
妙な不安定を感じさせる
むしろ丸いスイカより

どこへも行けない窮屈さが
そ ....
うんこ


メモ用紙のすみに鉛筆で走り書き
それはただのうんこ
つまらないうんこ

活字のうんこ
活字でうんこ
それはちょっとした事件
活字「うんこ」は読むものの ....
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