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いまだに焼かれている
真夏の紫外線に焼かれている
皮膚を失ったその石積みが
角質化した褐色のコンクリートが
汗ばむのは
放射熱、反射光
白いテントで防げないその閃光に
遠く台風雲を浮かば ....
また夏が近づいて
文字だけになってしまったあいつが
梅雨が穿った水溜まりで
湿った革靴に弾かれる
激しく、なにかにあこがれて
そう信じて為すことの結末を嘘とはいわないけど
積乱雲越しの ....
年賀状が届かなかった
そんな知り合いたちが増えていく

高校時代にはじめて付き合って
胸かきむしるように別れた女性から
朝食のサブウエイにいいね!って
そんなに乾くほどの時間が過ぎてしまっ ....
さらさらとやさしいおとで
雪が全てを覆いつくそうと
冷たく白く、暗転の月夜で
ひと滴ずつ凍りついています

道端にうずくまり
街の中でこごえながら
凍ることなく頬をつたうものを
故郷の ....
十六時になったので
この川沿いのベンチから立ち去ろう
綺麗な夕日を
今日は見たくない
宮島行きの遊覧船が
けたたましく船着き場を離れてゆく

週末は車が通れない元安橋
センターラインを ....
いつかうみに流れつく
地下水を求める根のよう
暗闇の先に
冷たい潤いを求めても
指先、未完成のまま
そらに手を伸ばす枝
遠いひかりをからめて(雲に内緒で)
無性に全部、欠けてしまったら
 ....
夏を忘れたように
川面は揺れています
秋柿色に灼ける西のほうこうに
知っているそらはありません
路面電車を染める透明や
季節を渡っていく雲も
映す川面を揺らす風
みんな、私の知らない後ろ ....
いつも七時二十四分発の各駅停車
難波行き二両目のいつもの扉の列で
君を待つのがボクの日課だった
布施までの短い時間の満員電車の距離が
ドキドキする未来の始まりだと信じて

アルバイトが早く ....
雨や雪やもしくは火山灰
降り積もるものに閉ざされるとき
あおぞらに解き放たれた高層雲が眩しいとき
それら、数え切れない
ゆえに無限に近いものを見上げるとき
からだは静かな楽器になるのです
 ....
ちーちゃんの誕生日の朝
いつものように洗濯機のスイッチを入れる
昼前には電話をしよう
生まれてきたことをお祝いする日だ。


  ぽかんと夏空がおおいかぶさり
  蝉は式典に関係なく鳴き ....
昨日が楽しすぎたから
今日こんなに寂しいわけじゃない
嘘をつくのだって
ほんとうのせいじゃない
雲が浮かんでいるのではなくて
空が高いだけ
そうやって
そらをはみ出していく
そうだろ  ....
密やかに正体を薄らげる
かすかな雲に七色のにじみ
月はいつもひとまかせで
美しい虹色の夜景を照らす
ネイルを数えるように
なにもかもを数える声
それらすべての合計は
生まれた数に等しい
 ....
あなたへ宛てた私の言葉は
文字になってしまったせいで
ひどく真ふたつに折られて
ポストの暗闇にゆだねられる

会えないひととの
こだまではかる、距離

夜半、玄関先の物音を待つ
 ....
うすあかるい
海風が流す真昼
爪のように剥がれ落ちた
湿った雪がすべてを埋め尽くそうと
降りしきっています

  昨夜の暗い雪雲の切れ目に凍えた
  遠い闇に抱かれた青白い星が寂しすぎて ....
寂しかった日のように
ひと晩で降り積もった雪が
きれいな景色だけを水銀灯に貼り付ける
夜明けすら凍らせようと
港では恐ろしいものが渦巻いている
(賀露の蟹漁船は眠りにつくころ)
わたしを捕 ....
夜明け前の街に出ようと
ドアを開けると
遠くでクラクションが
冷え切った空気をカサカサにします
なにかに溶けていく夢を
見終わる前に目覚めたようです
夜明け前の街に出ようと思ったのは
こ ....
そのまま東へ進めば
青春時代を過ごした街まで
たどり着くのだろうけど
特急が進行方向を変えたら
あの北の雲の先に
私の帰る場所がある

中途半端に古ぼけた駅舎の
売店はもう閉まっている ....
けさ見つけた虹の分光率を
記憶のプレパラートに照らし合わせます
虹は厚みを持たないので
それがふさわしい隠れ家なのです

もっとも似ている屈折率を
大地の公転軸に合わせて傾けながら
夕日 ....
口笛についての十箇条
という本を手に取る
森は今日も図書館だ
また迷い込んでしまう
薬研堀の夜景は夜飛ぶ鳥たち、の巣
漏れ出したようなかすかな星空よりも
営みの湿気をまとった森の夜光虫 ....
奉る灯りの夏の星
あまりの暑さに消えかけた
高層雲の秋かすみ
季節を越えて幾たびの
三等星たちが
高圧線をでたらめに弾き
管弦楽も知らないくせに
なにやら口ずさむ
ホオズキ色の教室 ....
汗ばむいつもの朝
あの夏の積乱雲
輝く輪郭に隠された
いくつかの胸騒ぎ
終わるのでも始まるのでもない
そんなめまいだけの朝に
散りばめられた笑顔の
なんと残酷なことだろう
いらだつ夏は ....
ベットソファ
枕元のくずかごに
ティッシュを捨ててしまったので
熱射病気味のわたしは
ひと晩中、このかおりの
林をさまよう夢の中でした

不器用に明るい下草を踏みしめると
やわらか ....
電停をおりて橋を渡る
引き潮の時間に
この川を見るのが恐い
川底の石たちが
洗い流されるのを
見るのが恐い

少し濁った
なま暖かいような
満ち潮で
どんよりと凪いでいる
昼 ....
朝焼けの練色が射し込む砂丘に
一人立ち尽くすと僕は日時計になるのです
河口の方向に伸びる長さで季節を知ると
はき出す息の色が
まっくろな海のうえに
浮かぶのです

明日、がどこかではない ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの

傍に ....
散っていく桜の花びらが
冬の雨に運ばれて
道端の排水孔に吸い込まれ
川面にひとすじ
春の航路を開く

桜の花びらはそらを見上げて流れるのだろうか
それとも、みなそこを見つめてすすむのだろ ....
叶わなくてもけして
忘れられない
行方を失ったものばかり
歩道のコンクリートブロックに
しみこむ、缶コーヒーのこぼれた汚れ
途中で読みあきた文庫本にいくつも挟まれたしおりの
とどかない、そ ....
抱きしめて存在を確かめる
あなたを温かいと感じたとき
私はきっと冷たくて
私を温かいと感じるとき
あなたはきっとこごえて
ふたりは
春と秋を重ねて
交互にめぐる季節
あなたに暖められな ....
あたしの生き方間違ってるかなぁってのが口癖のマキは
溶けやすい製氷機の氷を適当にグラスにほうりこんで
バーボンを注ぐ
薄くなるのが嫌だから混ぜないでって言うのに
カラカラと音が好きなんだよ ....
いつも踏んでいる
カゲ、自分の暗闇
それを許すことは

ひなたとひかげの境界線
いつもひかげの側で
忘れてしまおうとする

冷たい金属にひたいを当てる
なにかに熱を伝えたくて
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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