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梅雨の晴れ間を見つけたら

迷わずそこに走っていこう

雨の季節は確かに素敵だけど

この晴れがとっても素敵だって分かるから


ないものねだりは人の常

他人の芝は何色 ....
たとえば
想い出行きの列車の切符があったなら
僕は迷わず買っただろう

雷が鳴る雨の午後
胸のジッパーを握りしめて
心細さを振り切るように走った通学路

修学旅行の帰り道
玄関を開け ....
僕は雪に魅せられる
とても切ないから

どんなに大切に受け止めても
一瞬にして消えてしまう
大事にしようと思う間もなく
手の中で静かに消える

でも一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
その美 ....
今週から急に冬になったねって
君とかわした週末朝のメール
今年のクリスマスプレゼントは何にしようって
とつぜん焦る気持ちになったけど
それを考えることがすごくすごく嬉しくて
寒い朝に心が ....
小さい頃ママに
この匂いは何って聞いて
キンモクセイを知った

それは秋で
僕の生まれた季節で
嬉しいなって思った

ママなんて呼び方
ありえないって思う時には
もうママは天に召さ ....
メゾピアノから入る旋律を
僕はとても気に入っていたんだけど
どうしてもイメージ通りに弾けなくて
いつも最後には
鍵盤をぶっきらぼうに掃除しあと
それでも静かに蓋を閉めた

あのころ優しく ....
防風林を挟んで海
時おり見える青があって
暑い暑い夏のまっすぐな道は揺らめいて

あの水たまりみたいなものは何?
たまに見るよね すごく不思議
あれは逃げ水
蜃気楼の一種さ

逃げ水 ....
日々草が咲いててね
とっても綺麗だったから
花言葉ってあるよねって
とつぜん思ったりして

調べてみたら
なるほどって思った

街中の大きな花屋さんにひまわりがあってね
ビックリする ....
すいか
ひまわり
ふうりん
かとりせんこう
おばあちゃんち
はなび
ゆうだち
うみ
かきごおり
にゅうどうぐも
むぎわらぼうし

麦わら帽子は
ホントはあんまり見たことな ....

たくさん降ってじとじとするから
梅雨はイヤだねって

けど雨
たくさん降って
こんな時がいちばん
紫陽花がキレイ

花に見えるのは
ホントは花じゃないんだよって
そんなの ....
君に好きっていった

公園で好きっていった
自転車を押しながら好きっていった
手をつなぎながら好きっていった
キスしながら好きっていった
キスしなくても好きっていった
太陽のしたで好 ....
ぼくのともだちはだれ


そんな行き場のない想いを
僕はいつも紙ヒコーキにして飛ばしてた
着地する場所も受け取る人もなかったけど

小学校の校庭のつき山から
中学校の木造校舎の二階 ....
流れ星に3回お願いしたら願いが叶うって
誰からともなく聞いてそれを知ったのは何歳のことだったろう

けどママは言ったんだよね
あなたが祈っていいのは神様だけなのよ
そういうのをgu- ....
梅雨明けに急いで飛び乗る夏行き電車今年は手元に切符が二枚


右ばかり覗いた出店のお目当てはあんず飴食む君の横顔


息はずみ灯台目指して漕ぐペダル二人乗ってる重さが嬉し


幾重に ....
きのう吹いたつめたい風が
あれは冗談とほほえんで
春の粒子を散りばめたなら
さくら通りは魔法のアーチ

鳥がね
枝を渡って
ほら
花びらたちが

くるくると
  ....
大講義室で机に突っ伏し熟睡
ようやく目覚めてもまだ教授は話をしている
大学の講義はやたらと長い

君はすこし呆れ顔で
顔に寝あとついてるわよって
解読不能な文字が並ぶ僕のノートに ....
如月の冬晴れの日に
暖かな日差しに誘われて
弥生の風が勇み足

まだだよ
まだだよ

如月の必死な様をよそに
卯月までもが気が急いて
弥生の肩越しに覗いてる

ま ....
それは歌詞?
映画の題名?
幾度となく耳にしたような言葉

現実はなかなかうまくいかない

ほんの数パーセントだってことはよく分かってる
望みが叶えられることなんて
数パーセントすらな ....
本を読むのが好きなら
スエードの手袋がいいよって
3回目のデートの時に教えてくれた君

手袋はあたたかいのが一番だと思っていた僕

そりゃあ雪だるまを作る時には
撥水のがいい
スキー用 ....
冬の砂浜で拾った貝殻は
すこしだけ無機質な感じがした

太陽の角度が変わっただけなのにね

心は同じようにここにあるのにね

海岸線をどこまでも歩いて



歓声とパラソルと波の ....
僕は明日引越しをする
仕事上の都合で

電車にて
片道わずか一時間半の距離
大げさなもんじゃない

なのに
こんなにも心が寂しいのはなぜだろう


それはきっと
あの少年に会え ....
葉っぱが舞う校庭

都心の小学校

少女は
アーバンコートの校庭に
いつも上履きで駆け出し
そして遊んだ

外履きに履き替えるのは
校庭の隅にある「自然園」に入る時だけ

自然 ....
この落ち葉を踏む感じがたまんないんだよなぁ

あなたは言った

私は
どちらかというとヒンヤリとした空気を
胸いっぱいに吸い込むのが好きだった


深まる秋の朝

そこここに澄ん ....
しとしとと久しく耳に雨音を聞きし静けさ君想うとき 世界中の人たちが

みんなみんな仲が良かったら

パスポートなんて必要ないよね


僕は

君という国に永住したいんだけど



承認してくれるかい?
いつも笑っていたグー
泣き笑いのような顔だった

勉強の出来なかったグー
けれど絵は上手かった

いつもみんなの笑いものだった


奴が絵の展覧会で入賞し
先生がそれを発表して
 ....
夕日の赤は夕日の赤

他のどの色でもなく



一日の終わり

その美しさの中

今日という日にさよならをする


家路につく少年

長い影

夕飯の匂い

燈っ ....
こんな日は誰が雲を運ぶのだろう


空を見る

雲が流れて

ゆっくりと ゆっくりと ゆっくりと


あの場所では風が吹いているのだろうか


決して手が届くわけもなく

 ....
すこし冷たく

すこし切なく


雨音だけが響いて


静かに

とても静かに


夜を抱きしめる
陽は風に流されて

雲は地平線に沈み

月は天の川を渡り

湖は海へとそそぐ


最後のひとつに手を触れたとき

掛け違えた釦に気づく


こぼれ落ちた時間を

取り戻 ....
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