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どんなに内向きになったって
うしろの背中が見えるわけじゃないから。

矢印を使われてしまえば
自然と「矢印」しか見えなくなる。

木が立っていることを信じなければ
何処へ行っても生きては ....
子供のリュックサックの側の付近では
いつもの均等で均一な空気が
なんとなく急かされているように見えて・・・。

真っ黄色に染め上げられたリュックが
強い昼の日差しを受けて
何かのキャラクタ ....
掃除をしてくれている人がいなくなった頃に
もう一度、あの人に逢いたい。

僕も一度は句読点と
さよならしたいと思ったことがあったけど
でも結局、駄目だった。

帰ってくる(べき)場所に
 ....
あの「滝」に含まれる水(推)量についてと
その「滝」がこの世にあるということについて
私が、これっぽっちも手がかりを掴めないでいる間

あなたは、そんな私について
思うことがあるような素振り ....
ナンバリングされたドア壁。
たわわに実った銀のドアノブ。
水(ミズ=見ず)のような蜜は
まったく甘くもないし
ちっとも柔らかくもなく
むしろ硬い。

細すぎず
太(不)と過ぎない程度の ....
七枠外して懺悔夜叉。
奇怪な口元を自作する際には
案外、見本はいらなく
割と自発的なものであった。

猫になりかけたコピーキャット。
猫に小判に招き猫
大抵は幸福事項。

気の利いた ....
六十分の堆肥と
九十分とは呼ばれたくない
六十分+三十分退避の鬩ぎ合い。

背中を丸出しにしたドレスに戸惑う、うしろ髪。

ーーーーーーー
「馬の尻尾だなんて冗談じゃない」
ーーーーー ....
澱粉質は
白くて柔らかい
子持ちのセラミック。

あぁ、割れた卵の保管場所。
ざわめき始めるビニール袋。

カリの偽装が眠りにつく頃
新たな擬装の目覚めを見る。

未完成を刻む台所 ....
番台の玩具イジリ。
退屈はいつだって二乗傾向。

練り込まれた時間を、あざ笑うかのような
冷たくも温かくもないプラスチック片(変or辺)ども(どもっ!)

年季の入ったベニヤは
〇(マル ....
丈の短い幸せと
待ち伏せしている
控えの衣装コロモた(経)ち。

煮詰まる水あめが
とうとう金色かかってしまった。

「どうして、こうなるんだ・・・」

「焦げる」とは
きっとそう ....
「気圧に狂わされた卵紳士」

ガラス瓶の口は、水あめマジック
尽きない夢(幻)を見続ける。

「復元に隠される、捻じ曲げられた卵の記憶」

意思疎通が造り上げる理想郷の中で
作法の術を ....
迷走する赤毛の彼女の入れ物は
あの濃縮した褐色の浸かり水。

操作できない産声のボリュームゲージ。

糸切れとなる臍の緒は
長すぎる毒水母の触手(職種)に似ている。

曖昧に伏せる湯船 ....
隣のベランダに横たわる色白の長袖。

「手首の有る無しは、もう、どうでもいい」

手招きは何も「手」だけに許されているわけではない。

多大な黒闇に生かされた色白の・・・

「色の生い ....
ほぼ黒に近い深緑と
天抜けに明るい西洋スクウォッシュ。

「奥ゆかしさは、秤にかけないで」

南に曲がった道先の足元では
濃淡のついた、それでも多くは
橙の南瓜を、よく見か(欠)けていた ....
顔面の二割も記せはしないマナコ。
糸で宙吊り、糸吐きエンジェル。

天に向かったはずなのに
海に夢中な鼠が一匹。

凸が
いつかの哺乳ビンの口だとしたら

凹は
海鼠の口とでも言う ....
「大食いな赤ん坊へのお仕置き」

─成長過程で必要な、あなたの分裂と
 判断不能な、わたしの分裂事項。

「ゆりかごの質量、ワタシの室量」

横棒を棒に振ってしまったのですから
もうい ....
ここから.ここまでがセスジ部分です。

それよりも
結局は、焼いてしまえば同化する
それが形成肉の良いところでしょう。

─〇─〇─〇─〇─〇─

私、隙間だらけの本棚じゃ
どうも落 ....
(かたずいてしまったら・・・)

─あんなに容量不足だったのに
 かたずき(け)はじめたら
 あっという間に
 空き容量でしたよ。

(初期化狂いの集い)

─人によっては
 名残 ....
名残りを掻き毟る今宵の色。

綿毛のような存在感は
硬くて冷たい黒を嫌う。

あしらいの胴体は空打ちの打点に。

「A」ではじまる密林には
コッソリと
置いて「在る」かもしれない
 ....
床に沈んでいた 木製の半月盾∵

あれを半月と呼んでいられたのも
半分が土で安泰だったからだ。

今更になって
分離し始めるとは思ってもみなかった。

半月が満たされたことによって
 ....
寒冷地仕立ての追剥
刈り立てられる黒革の記号

曖昧に同一で
それでいて
住み分けは完了

動物と素材の境目にある空気は
ワタにとっての(は)
大好物

手応えを与えてはくれない ....
擦りきれた金属が
光沢を集めようと奮闘する。

馴染みの出発は
音もなく
取り為なわれていた。

幾つかの通過点では
動物に成り代われないものたちが
イキイキと
迸っているようだっ ....
ちっとも赤くはない赤土。
予想以上に黒すぎた黒土。

乾燥に歓喜するような粉末たち。

「飾り」に成り果てようのないマナコは
どうしたって
その潤いから脱し得なかった。

気楽な風た ....
草を踏む軽やかな足音。
ストーリーテラァに手を振ってから
ここは動画なのに
いや
動画だからこその一幕か。

巻き紙を垂らしながらのエンドロール
そこから始まる再〇ロール

ロ。では ....
編みきれない編み物の原因なんて
きっと何かの理由があってのことで
理由は充分満タン
足りているはずなのに
それでもズバリ
足りていないと思うのは果たして・・・

ちょっと前まで
11の ....
ちりちりに寒がっている灰塵。
接着性の温もりに誘われて炉端へ。

道中で粉砕されたマキビシの儚い夢。

「継続」が「再燃」を食い潰しながら
塵が人の形を移し込んでゆく。

腹を空かした ....
艶やかに
またたき始める防腐の衣。

(出所のわからない応急薬人の訴え)
本番をする前のことは知りません。
それとこれが本命かどうかすら
まるでわからないのです。

(浮遊を許された包 ....
三橋に降り積もる数字の粉。
揺るぎない25分は
実り在る者にとっての要。

ふと
街角のどこかで
売り物が非売品へと変わる音がする。

整形された鉱物の響きは
大多数の河岸に置いてき ....
夜を待ちわびる右折の多い交差点.
黄色が教えてくれるもの
その予感は誰のものなのですか

今ひとつ、今にひとつ
アテのある居所、アテがあっての居所
水の凍る居所、水が凍る局所

待ちの ....
いつか見た歩行のつぼ
皮と肉を感じさせない陶器の心

手出しが無用になる夕暮れを過ぎれば
手出しが不用になる朝焼けを待つだけ

円形に結んだ口の先が
総じて地平線と重なるようにできていた ....
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