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お昼に家に帰ると
小さな声で
ただいまを言った

黒いスカートの
ペタペタの
遠くで
おかえりの声する
廊下は冷たく
長く
知らない絵のある
知らない声の
おかえりは
うらの ....
昨日の
銀色の
すすき
のほ

今日の
銀色の
やなぎ
のめ

銀色の
のはら
のうえ
のゆき

銀色の
のばと
のむれ
のみち








 ....
まわるる
よるわる

干涸びた窓は
口を
ぽかりとあけて
午後は
時間は
吸収されつつあった

膨張している



収縮の二十日間

回転中
カレンダーの日付を ....
うっすらとした
指紋が残る
小さな
背徳ばかりで出来た
フォンダンの中から
青銅のさかなが跳ね上がる

冷気の中で始まってしまった
運動会
知らないプログラムを
延々と放送して
 ....
アスファルトは
いまもなお
死後硬直
から
逃れられることが出来ず
深々と刻まれて
轍でコッカク
を保った
その下

黒い
焦土の
においを
塗りつける
コッカク標本
 ....
稲の花
誰にも観られることなく
知られることなく
散ってゆくよ

闇に浮かぶ
百合でさえほらこんなに
観られたがり屋
なのに

散ってゆく
ひとひら
淡雪に似たその

手の ....
真夏の図書館では
人の歩く音や
本のペエジを開く音
キイをならす音などが
美しく
混ざり合っている

サリ サリ サリと
新しい音を作っている

サリ サリ サリ サリ
キリ キ ....
活動しない雲は
たいてい灰色をしている

海の上に
面倒くさそうな
固形物が
存在する

白い犬
がそれを見ている
黒い少年
がそれを見ている

そんな淀みの中の
なんでも ....
波打ち際に
打ち上げられた

い木の

の部分が
別の情報
に置き
換えられ

はそれを
流木へと
昇華していった


い影が
太陽光に焼かれて
炭化してゆく ....
ことと
置いた所から

緑の深い村の
ひび割れた
土瀝青が広がる
夏のまひるは
黒く歪んで

両の手におさめ
土の道を
寂しくあるく
芒の夕闇
底溜まりに見て
目を細くした ....


小糠雨の止む
午前十時の
霧起つ街路では
弱い日光を
全身に溜めた
雨粒が
エレジーとともに
消える

無色透明の中の
一筋の色ガラス
たちの群れ

粒子のように渡 ....
借りたてのアパートの
白い壁の
ざらざらした
感触に
うつろな視線を投げかけている
手のひら

からはじまる
小さいメソッド

何時間も壁ばかり見つめています
することがないので ....
水の国に生まれ
綺麗な水を飲んだ
からだ
が穏やかに波打つ

朝のプールに浸されている
エンソサラシの個性

思考
思考は本を読まない

水を飲む
綺麗な水
今日
はじめて ....
 煙草の銘柄で『LARK』と書かれた、ちょっと昔によく在りような細長い円筒に底蓋のついたゴミ箱を使っているのだが、なんというか、勝手の悪いゴミ箱で大きなゴミ袋を掛けると筒が細い分、袋に余りが出来てもっ .... だあれもいない



ゴキブリ
が出た
バカだなこんな
所にのそのそと
出て
くるなんて

殺そうか

でも
見なかったことにしたい
そんな判断で
成り立っている
 ....
(幕間に目覚めた)

何本かの直線によって
平面上に
パースペクティブを作っている
秀逸なポスターの
消失点を見つめ

インクの黒色のその部分は
真っ黒な宇宙空間として
激しい砂嵐 ....
なんでもない窓辺
縦長いシルエットの
木がカーテンの隙間から覗き
黒い鳥が音もなく羽ばたいている
低刺激な窓辺

つまらない
そんなものいらない

雪を寒天で固めて作られた
壁に背 ....

ではなく
貯水池
だけれども
凍てた閃光が
ホテイアオイの
固い結びを
解いてしまい
水辺
の朝は
心を痛めている

木々は影を
濃く
長く
落とす
けれども
そ ....
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