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太陽が沈んでゆく
そこが西の空だ
そして今日は下弦の月
だからすぐには
月を見ることができない
真夜中までじっと待て
そうしたら
太陽が沈んだ反対側を見ろ

今日の理科で習ったばかり ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて

はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
夏祭りが終わった
その次の日の朝
不思議な世界だったこの公園は
いつもの公園を
たた狭くしているだけの
小さな空間でしかなかった
組み立てられていた木材が
リズムよく折りたたまれてゆく
 ....
涙が流れて色になる

どんなことであれ
何か一つのことができるまで
寒くて凍えそうになっても
暑くて動けなくなりかけても
泣くことを我慢して
ようやく成し遂げる
その時になって
自然 ....
走り続けること
自らの体力の限界を知る
そして
自らの走り方と
これから生きてゆく走り方を
知ることになる

走り続けること
それによって
自らの限界を
勝手に決め付けていただけで ....
夏は自分に耐えられなくなって
自分の体がどろどろと溶け始めていた
青い空が溶けてゆく
白い雲が溶けてゆく
清らな川の音が溶けてゆく
都会の道路はぐにゃぐにゃに曲がって
信号機が次々と倒れて ....
言葉が白くなる
その言葉はもともと
愛や夢だったのかもしれない
確かに今まであったものが
消えてゆく
忘却とともに
蓄積が始まってゆく
過去が現在へと結ばれる

言葉が白くなる
そ ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼

細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ

小さな店に ....
その日の夏が始まる
トンボが空をすいすいと
気持ちよさ気に飛んでいる
空は泳げることを
初めて知った
昨日も見たというのに

その日の夏が折り返す
繁る木々の葉がさわさわと
軽いリズ ....
風が止まったと同時に
少年は小さな石につまずいた
たいした怪我ではなかったが
泣き叫んだ

辺りを見回した
誰もいない
一人で立ち入り禁止の工事現場に
入っていた
日曜日の今日は誰も ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す

街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
今まで見えなかったものが
見えるようになった
自分が生きている今の世界が
迷路になっている
高い壁と細い道しかない
何も拠りどころもなく彷徨い続けると
展望台と書かれた案内板があった
そ ....
夏が黄色くなってゆく
太陽の色に近づいている
夏をぎっしりとつめて
鮮やかな黄色になってゆく

黄色くなってゆく夏は
水に中に落ち
ぷかぷかと気持ちよさそうに
泳いでいる

近くで ....
鉄は錆びていた
光沢は外に発しない
錆びきっていた

鉄は昔を思い出した
あの銀色に輝いていた自分を
当然だと信じていた
今はぼろぼろな茶色の体が
悲しかった
雨に濡れて
少しずつ ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた

バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける

気づけば
髪の毛が濡れてい ....
家族で豪華な料理を
食べに行った
お父さんとお母さんは
とても満足そうだったけど
ぼくは
おしゃべりしながら
家族みんなで分担して作った
カレーライスの方が
美味しいと思った

家 ....
いつもみんなよりも前に走っていた
けれどもそれは
人生のたった最初の十八年だけに
すぎなかった
次の四年間は
自惚れていた自分がいた
適当に時間を過ごせば
それで許されていた
ペースダ ....
学校に入学して
まず最初に教わったことは
決められた道を歩くことだった
とてもわかりやすくて
楽しい思い出が今でも残る

学校を卒業して
まず最初にわかったことは
決めていく道をつくる ....
夏が揺れている
真っ暗な部屋の中で
一本のロウソクの火だけが
ゆらゆらと静かに
揺れている
ゆらゆら ゆらゆら
揺れている

なぜかこの小さな光は
夏を表している
夏に咲いた人の魂 ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった

あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
将来の夢を語り合うよりも
明日のテストに向けて
たくさんの単語を関連もなく
覚えることの方が大切だった
そのときのぼくの夢は痛かった

将来の夢を描くことよりも
今の生活を脱する方法を
 ....
輪ゴムのように生きろ
小さい頃から父に
ずっと言われ続けてきた
その父も祖父から
ずっと言われ続けてきたらしい

輪ゴムのような生き方って
どんな生き方なんだろう
伸びたり縮んだり
 ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
その家は理想の家だった
効率性と便利性を兼ね備えたキッチン
窓から入る光具合を上手く考えられた
それぞれの部屋やリビングなど
すべてが申し分なかった
庭も手入れするのに苦労もせず
植木や花 ....
普段は絶対に使わない漢字を
みんなはすらすらと書いている
そんなことぐらい
書けて当然らしい
でも手紙や作文の書き方を
ほとんど知らない

当たり前のことが
わからなくなっている
複 ....
ふと日常の糸がプツンと切れた
何もしたくない
頭の中と心の中では
この言葉しかなかった
そろそろ出勤しなくてはならない時間だが
立ち上がるのも面倒だ

決めた
今日一日は怠惰な生活を送 ....
恋月 ぴのさんのぽえむ君さんおすすめリスト(233)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初めて宇宙を見た夜- ぽえむ君自由詩17*07-9-4
君の夏の中に- ぽえむ君自由詩13*07-8-29
夏祭り- ぽえむ君自由詩6*07-8-26
涙が流れて色になる- ぽえむ君自由詩12*07-8-22
走り続けること- ぽえむ君自由詩2*07-8-19
夏が溶けてゆく- ぽえむ君自由詩4*07-8-13
言葉が白くなる- ぽえむ君自由詩11*07-8-11
夕陽が呼吸する- ぽえむ君自由詩15*07-8-9
夏の匂い- ぽえむ君自由詩11*07-8-5
昨日も見たというのに- ぽえむ君自由詩16*07-8-3
転んだら立て- ぽえむ君自由詩9*07-8-1
循環する風- ぽえむ君自由詩14*07-7-29
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
星が飛んでいる夏- ぽえむ君自由詩11*07-7-25
迷路- ぽえむ君自由詩11*07-7-23
黄色い夏- ぽえむ君自由詩15*07-7-20
錆びた鉄- ぽえむ君自由詩11*07-7-17
雨の日のバス停- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
豪華な不満- ぽえむ君自由詩13*07-7-12
人生マラソン- ぽえむ君自由詩8*07-7-9
本当の自分をつくろう- ぽえむ君自由詩10*07-7-5
夏が揺れている- ぽえむ君自由詩8*07-7-3
とうもろこし畑- ぽえむ君自由詩22*07-7-1
もう君はいない- ぽえむ君自由詩25*07-6-29
痛い夢- ぽえむ君自由詩9*07-6-27
輪ゴムのような生き方- ぽえむ君自由詩10*07-6-25
無能な自分- ぽえむ君自由詩16*07-6-24
理想の家- ぽえむ君自由詩7*07-6-20
できて当然- ぽえむ君自由詩19*07-6-18
怠惰を努力する- ぽえむ君自由詩10*07-6-16

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