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羊水の記憶を辿りたくて
何度も海を呼ぶ
故郷への列車は海も山も知らない
揺れは
胎の記憶
響く音は
血の流れ
唸る、唸る、
私の海
(海にあこがれて南へ出たけれど 。 ....
鬻ぐ女
貰った鞄は質に入れ
貰った熱はすぐ冷える
縫い取り縫い取り
骨を探し呼吸を刻んでゆく
日が落ちたら
そうね今から
初めて出会うあなたの側で
あたたかいかなしみに埋も ....
懐疑的な夜の上を
ひとり、女は行った。
光るものは
上にも下にも見えて
波が寄せるだけ、心が騒ぐ。
足元で魚が幾匹かはねた。
踵が折れて、靴は捨てた。
行きたい場所なぞどこに ....
孵らぬ卵というものの中に
潜んでいるのだという
それは乾いた泥の中で干からびる
雨を待つ
お前がその雛だというなら
私が今度孕んで産もうか
遠い北海で
赤く実を吐きながら ....
そこに滴る血を舐めよ
その血は鳥の名
アオを呼ぶ鳥
それは忘れられた冬の匂い
手のひらを濡らすその血
その血は星の名
瞬く恒星
それは既に無い ....
小腸 からまって
なんだか 蜘蛛の巣みたいよ
天井は 青く ひろがるのは 赤
赤い ベール
からまって まるで
蜘蛛の巣みたいよ
赤は 網の目 温度が落ちてくる
....
金の無心に失敗したので
豚の首をもぐことに決めた。
「どいつも皆
ゴタブンに漏れず
金を豚に隠しているのさ」
豚の首に鋏を立てて、
首をもごうと四苦八苦
なかなか落ちな ....
コンクリートうちっぱなしの部屋で
魚と空を見る
(完成することなく終わったものは、廃墟というのでしょうか)
(生まれることなく死んだのは、あれは、)
トレーの中で魚が跳ねて、
吐 ....
少女は
夜半死んで、
乙女となって朝早く目覚める
花ほころぶよう、湯は赤く染まる
乙女は
夕べ死んで、
女となって昼過ぎに目覚める
うなじより、むせかえる花の香り ....
海より遠く、寒い砂丘で
さらってきた人魚をすてた
人魚の細く長い髪は
吹き荒ぶ風にあおられ
すぐに砂まみれになった
人魚は美しく、またひどく醜かった
その姿は今、
黒く長い髪 ....
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(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
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日付
回帰本線
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ミゼット
自由詩
8*
06-12-9
鬻ぐ女
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ミゼット
自由詩
3*
06-10-27
帰りたい家
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ミゼット
自由詩
2*
06-2-24
たまご
-
ミゼット
自由詩
3*
06-1-28
畏れ
-
ミゼット
自由詩
1*
06-1-20
氷点下のソネット
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ミゼット
自由詩
5*
06-1-12
スピリタス
-
ミゼット
未詩・独白
3*
05-12-21
惑星
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ミゼット
自由詩
3*
05-12-12
蘇生
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ミゼット
自由詩
3*
05-12-7
遠い日
-
ミゼット
自由詩
6*
05-11-4
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