すべてのおすすめ
いくつもの
物語の
すべてが語られて
ひとりの人として集められて
終わるころには
陽の光から逃げるような
細く長い影が
やっぱりひとつ
薄く 揺れるだろう
生まれてからは
笑い ....
一
身振り手振りで伝えたい
深い虚構の 底のあたりが現実で
水面は空想
二
現実と空想の間に渦巻く 蚊取り線香 π生地仕様
人 は測量に熱中
人 以外は行楽に夢中
....
おととい来やがれ は荒くれで
わかってて使うから始末に負えない
おとといお越しやす なら
品よく耳触りもよろしい
だから はんなりと生きたいのだが
自分が許しちゃもらえない
上等じゃねえか ....
番号
まとわりつく、鉛色の
番号たちを集めて燃す儀式
ながい鎖が一筋、見あげて残る
個の人に成れ
番号に生まれたわけではない
番号になりたいわけでもないだろう?
番号は美しく ....
日付けようのない、濡れた手紙でも
生きていれば、きちんとした
差し出し方を思い出せるという意味の
薄さ
わたしの指の腹で縁どられた
限りない不透明(のりしろ)
できあいの
夏の日の明 ....
くずれた均衡
その静かな吸引力に
はく奪されるわたしたちの人格
キュビズムから滅びの兆しを嗅ぎとる、影の
わたしたちが歩く
男女の別なく
客も、客引きも
リードの犬と同じく
たっぷりし ....
命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました
みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さ ....
闇をのみこむものは
闇自身でも
ましてや光でもない
宇宙船テセウスは、いまも応答がなく
どこかの系に存在し、また別の彼方に向かっています
船内を這う、動脈(はいかん)
微かな明滅が ....
パンが食べたい
結婚して子供をもうけたが
三十過ぎに発覚した病が原因で離婚
その後は親もとで闘病生活の女性を担当している
駅前のマクドナルドで聞いた
きみの近況
脳下垂体の異常 ....
顔(ガン) 流星
流血
直情が滑る 硫酸
乾いた血球を 流星 ....
リアリティはじっとしてはいられない女の子ね、持ち前の想像力で逃避も克服、溶ける魚(註1)の顔をして超現実、デバイスの仮想現実、拡張現実ソースたっぷりで入り乱れるの、あえて言葉で表すとして
人は個 ....
着床にも降りる雪の塩梅があるだろうか、ぼくから共有を剥いだ残りがぼくだとして、小さく息を潜めていたよフェミニン、ぼくは遺伝子と膝を交えて話したい、欠陥を謝りたい、のべつ幕なしか押し黙るのか日本語では表 ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける
うっすらとほの暗く ....
こんこんあんたはどこゆくおひと
日もくれ 野もかれ たびするおひと
げるげろ ふとっちょ ひきがえる
めそぽたみやあの 古池や
―――もっと もっとはげしく
おんおんあんたはなぜな ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ
わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
....
あかつきに浮かび上がる
公務員宿舎と電電公舎
ひとり走って戸に挟む朝刊
サン、サン、イチ、ヨン、ニ、イチ、ニ
口をつく勢い
少年だけの暗号
また足音のように、それはやって来た
....
また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだ ....
あなたの立てたポストは脆く
内も外も、やまない雨に濡れそぼつ
底冷えに、這いつくばった無音の小部屋の
差込口は狭く
取出口は固く
錆びた金具
動かない
こころの番地(アドレス) ....
著作権は著作者の死後五十年を経過するまでの間、存続する。
(著作権法 第五十一条 第二項)
死んでも背負(しょ)って、あるくものだと思ったか
だれ ....
気がつくと
幻影は去っている
残された静けさが
開放感と
自分であることの証しの取引が済んだことを
物語っている
不思議なもので
心の中から自由がきたとき
彼は門の鍵 ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
この一撃の
あなたの形容
(かかわり、受胎、伸びやかな意思)
(あなたのオリエントが、運河を手繰りよせる)
鞭をつれ
あくなき質を崇める欲求の
黒いヒステリックが
あなたに覆いかぶさる
....
六月の朝に好きな人に会う。
新しいときの創造は過去を手放すことなのに、音をたてて崩れる国のまえで、いまは少しも淋しくなれない。
ほんの小さな単語たちにも特権は与えられる。神は完全な意味で公 ....
できるなら
現場(そこ)でも祝福の気持ちでいたかった
たとえば
生涯一度の自分の家なら
これに関わるすべての人に
笑顔で労してほしいじゃないか
+ + +
行きの渋滞を避 ....
街で
首を竦めてぼくはひとり歩いていたのですが。
日暮れ色で賑わう通りでは
うっかりしていると
さっさと擦れ違ってしまいます
だぶだぶな外套(オーバー)に身をつつみ
壁のような背中 ....
1
耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの
2
めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
礼を尽くして
空き缶をいただく
あなたの日々は
わたしの知らないところで
正々堂々
みずからの命と向き合っている
早朝
髪をかき乱し
欠伸をしながら外に出る
籠にあふれるビールの ....
公的扶助の受給者の列を写せ
民は思う
なぜ、もっとしっかり生きないのか
貧困で餓死した親子の部屋を撮れ
民は思う
なぜ、生活の保障を受けないのか
国や自治体の生活保護行政の抜け穴を ....
球い地球の表をめぐる水の一部が
立体の水槽に拉致された
左右にたなびく水草を移植し
静止した
とうめいな境界線まで
眼光のアフリカンランプアイが群れる
コントラストにまぶした ....
夜のドックから走り出す多機能な女
関節を裏側にまわしてステンレスのホイッパーを固定する
ふるえる卵黄と小麦粉がはねつく
すべりだしたパーツからコルク抜きが選択されると
シールドはしぶく
....
ただのみきやさんの乾 加津也さんおすすめリスト
(31)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
郷愁_二
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
23-10-3
かりそめ八景(または、ことばの引用)
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
23-1-6
考える_み_(想起させるものに忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
4*
19-2-8
番号は予感に眠れ
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
16-8-9
日付けようのない
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
16-7-8
夕暮れ
-
乾 加津 ...
自由詩
13*
16-2-19
空
-
乾 加津 ...
自由詩
8*
16-2-13
テセウス_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
2*
16-2-5
食べる_二編
-
乾 加津 ...
自由詩
22*
15-5-14
A_DEATH_MASK
-
乾 加津 ...
自由詩
5*
15-5-4
眼人間
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
15-1-24
ぼくのユニバースへ、ようこそ
-
乾 加津 ...
自由詩
6*
14-12-21
丘の恐竜
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
14-7-30
てまりうた
-
乾 加津 ...
自由詩
11+*
14-6-28
はるかな個人
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
14-6-9
新聞配達_(夢喰植物)
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
14-4-19
ことばの姿(的な)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-10-26
ポスト_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
9+*
13-8-17
死んでも背負って、あるく_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
14*
13-7-9
青春
-
乾 加津 ...
自由詩
8*
13-4-18
夏の日の思いで
-
乾 加津 ...
自由詩
30+*
13-2-11
プリザーブドフラワー_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
14*
13-1-27
六月の朝と植物
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
12-12-29
基礎に埋めたぜんまい
-
乾 加津 ...
自由詩
19*
12-12-11
秋を見つめてみませんか_三篇_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
18*
12-11-6
耳なし芳一
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
12-10-6
むきあう人
-
乾 加津 ...
自由詩
24*
12-9-15
オツタエシマス細胞
-
乾 加津 ...
自由詩
16+*
12-2-23
立体の水槽
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
12-2-6
多機能な女
-
乾 加津 ...
自由詩
17*
12-1-28
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