飛べない鳥
ヒヤシンス


 どこまでも続く砂漠を一人歩いてゆく。
 空は厚い雲に覆われ、時間すらも分からない。
 この先へ進むべきなのか今来た道を引き返すべきなのか。
 どうすることも出来ずに僕は立ち止まってしまう。

 これが僕の思考なのだ。
 不安を感じると僕は立ち止まる。
 砂しかない土地、それ自体は何も恐れることはない。
 いきなり感覚が呼吸し、発汗する。砂漠こそ大きな違和感だ。

 違和感を覚えるともう動けない。
 耳に響く音も無ければ、視界を遮るものも無い。
 これは自由か?違和感のある不自然な自由だ。

 僕は自由を求める戦士であった。
 しかしこれでは・・・。
 この日僕は翼をもぎ取られた鳥になった。

  

 
 
 


自由詩 飛べない鳥 Copyright ヒヤシンス 2016-10-26 02:48:27
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