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貴方の夢に触れてしまえば
貴方の全てが見えてしまって
それを知って優しさに気付くのも
多分耐えられないのでしょうが
それでも触れずにはいられないので
どうかその頬を撫ぜている間だけ
眼を覚 ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった
矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
雨の日の多い季節が
私の息まで洗い流してしまったようで
岸辺の向こうで手を振る影は
何処か切なそうに見えるのです
まるで昨夜の夢みたいに
幸せだった幻みたいに
頭痛と並べた白い朝
ソ ....
何処に行ったのかしら
私の膝と、温かさに溢れる秘密
高い背中を見ていたら
今日もいつの間にか夕暮れ
琥珀のグラスを傾けて
少し煙を燻らせて
その指、滴、氷の音
眠る私の華を誘う
ほ ....
間違い始めた瞬間には
それが過ちだなんて信じられない
僕は幼くて
君は僕にとって煙草みたいなもの
手頃で歪な灰と空間だった
君がそれに気付いていたのかは
もう今さらどうでも良いけれど
....
朝露に繋いだ透明な嘘が
霧に包まれ隠されて
始まった世界が僕を呑み込んで
君の姿も朧気だった
今日もまた産まれては
夕べのオレンジに抱かれて
懐かしさに似た悲劇さ
哀しさに包まれ ....
霧の深い夜が沈む僕を抱いていた
月は狂いそうに
白く美しいままだ
君は濡れた世界を
碧く淑やかな瞳で燃やしていた
鳥達も眠りについたばかり
誰も知らない僕等の夜だ
月は暫く眼を伏せる ....