すべてのおすすめ
ある犬がアルペジオを踏んで海の記憶のなかで眠る
鉄面皮から温かい血が飛び上がり赤く染まった両手を見る
小さな白痴のように路地裏で踊る
手から砂がこぼれ落ちる時を見ている
祈りと ....
身を動きもせず 見続けている 浮かぶ月
歩くのを辞めれば
聞こえてくるだろう
彼女の歌声が
痛みや苦しみ そんなものは
はじめから 知らなかった
はじめから ....
あなたの夜に入り込んで眠り続けている
腐敗した花を投げ入れた
失われた影に
安らかな苦痛と 砂漠への愛を
目の前が 次第に赤く染まっていく
けしの花が僕を引き寄せる ....
衰弱した 花に 無数の歌声が
生かされた 僕は 君に 何度でも
導かれた 息をのむ 一瞬に
君は海 ぼくは ただ溺れている
喜びに 射抜かれて
解放への 糸口 ....