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何度この道をあなたと通っただろう
初めて一緒に歩いたときは
まだ寒くて上着を着ていた
わたしの体力がなくて
ゆっくり歩いてもらったことを覚えている
トラックの巻き起こす粉塵 ....
肺を水で満たすような
この痛みと苦しみを恋と呼ぶなら
こんな思いはいらない
何度もそう思うのに
その笑顔を見るたびに
溺れそうな気持ちがまた
幸せの光に満たされるんだ
....
盆踊りの喧騒を避けて
入り込んだ路地は
中学生の頃の通学路
狭く細く静かな時間が
そのままだった
一陣の風が吹いて
セーラー服姿のわたしの
残像が行き過ぎる
遠 ....
雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて
どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
....
海のように
大きくて命の源たる水は
わたしには重すぎて大きすぎる
湖のように
優しくてたくさんの命を抱えた水は
わたしには重すぎて大きすぎる
河のように
涼やかで柔 ....
雨の中ひとり池に糸を垂らす釣り人の背中が背負う哀愁は
都会の交差点で人混みに揉まれているときに不意に感じる孤独に
似てはいないだろうか
とてつもなく独りなのだ
誰も己を知らない安心感は ....
窓の外眼下に見下ろす名古屋の街は
遠く遠くきらきらと明りを燈し
瞬いては揺れ闇夜に煌々と浮かび上がり
そのひとつひとつの灯に想いを馳せるとき
忘れていた瞬間がふと思い浮かぶのです ....
大好きな君の笑顔が眩しくて
目を細めた夏の午後
そんな大切な一瞬は本当は
ささやかで儚いと知っているのに
どうして永続するなんて
夢を見てしまったのだろう
愛しくて愛しくて ....
赤いダリアがうつむいていた
街灯はちかりちかりと電池切れ
濡れることに疲れたわたしは
通りすがりの民家の軒下で雨宿り
出窓に座るドラえもんと目が合った
車が水しぶきをあげて ....
どこまでも晴れ渡った空を見上げて
あの頃のわたしたちを思った
何をしても楽しくておかしくて
些細なことで涙を流して笑いあって
寂しさも嬉しさもみんなで共有して
いろいろな新しい ....
浴槽に浮かんでいた小さな虫の死体
小さな小さな
わたしが少し波を立てたら
もう沈んで見えなくなった
彼は
どこまでも広がる青空を見ただろうか
暖かな太陽のひかりを浴びただろうか
....
愛し君の面影は
絶えず目蓋の裏に
笑顔のままに時をとめ
溢るる想い出は
柔らかき棘と
甘き疼きを伴って
遠く滲む記憶の端より
はらはらと溶けて
やがて淡く淡く ....
ときどき浮かび上がる記憶の断片
もっとよく見ようと手を伸ばすと
するすると溶けるように消えてしまって
あとにはもどかしさばかりが残って
鮮明に思い出そうとすればするほど
ぼんや ....
わたしに降り注ぐ優しさはどうして
こんなにも哀しいまでに鮮やかな花びら
灰色のわたしを埋め尽くすように
幾ひらも幾ひらも舞い降りる
紅い花びら
白い花びら
青い花びら ....
満天の星空から舞い降りたのは
優しい淡い恋の炎でした
柔らかく瞬きながら
山奥のひっそりとした水辺を
泳ぐように飛んでいました
「わたしたちは人知れず
ただ恋情を募らせ ....
部屋の机の上に飾られた写真立てに
うっすらと積もった埃をなぞって
ここで過ごした時の長さを思った
写真の中の笑顔はそのままに
もうずいぶんと遠くに来てしまったような
そんな気が ....
部屋にかかったカレンダーは
どれもあの夏でとまったまま
色あせて端が少しめくれて
蛍光ペンで記された丸印が
日に焼けてかすかに残りそれも
何の記しなのかはもう不明で
思 ....
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(17)
タイトル
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カテゴリ
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日付
やがて飛び立つあなたに残されるわたしは
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あずみの
自由詩
3
08-11-25
不条理
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あずみの
自由詩
2
08-4-10
追憶
-
あずみの
自由詩
2
07-8-17
焦燥感
-
あずみの
自由詩
6
07-8-12
水のはなし
-
あずみの
自由詩
6
07-7-26
雨情
-
あずみの
自由詩
1
07-7-22
追憶の夜景
-
あずみの
自由詩
4
07-7-17
愛犬、チャーリー
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あずみの
自由詩
3
07-7-15
夕立
-
あずみの
自由詩
7
07-7-13
泣きたいほど高く蒼く澄んだ空
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あずみの
自由詩
2
07-7-10
小さな
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あずみの
自由詩
13
07-7-6
君ありて幸せ
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あずみの
自由詩
6
07-7-1
モネの見た世界
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あずみの
自由詩
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07-6-28
花びらのように
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あずみの
自由詩
6
07-6-20
恋に焦がれて啼く蝉よりも
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あずみの
自由詩
9*
07-6-17
白い病室
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あずみの
自由詩
7*
07-6-12
夏に澱む時間
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あずみの
自由詩
4
07-6-8
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