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見つけたから
ついていった
きっと昇っていくのだろうと
戻されても
水ばかり飲んでも
同じように昇っていくんだと
あの時この瞳は
きっとすべてを照らしていた
それから
何も見えて ....
崩れたものがあったのだとして
その日まではこうみょうに
わたしを生かしていた
みじかいはさみで
木工用ボンドで
十二色の絵の具で
ただつくる時間を愛する少年が
思いあたるのは
....
ベッドのへりからあおむけで見つめる
まるい蛍光灯
目を閉じて追いかける残像は
欠けたのか
届かないのか
つながらない輪の形をして
黒の中に赤く燃えて
中も外も見えないほど燃えて
そ ....
遠くからでも
やわらかい色がよく目立つ
このまままっすぐ歩けば
ふたりきりになれる
目だけが呼吸してる
吸い込まれる―
また、先を越された
彼をみあげ ....
牛乳の膜を静かに
針が飛び出しまた潜って
刺繍をクルクル繰り返す
オレンジの軌跡が寄り集まって
丸く浮かぶ
太陽の象徴みたいに
明日になると果汁が染み出し
....
先週末は雨だった
今朝は誰より早起きをした
窓が光るみたいに明るい
今日は春らしい陽気になるでしょう
テレビ画面にはもう成人した最高気温
卵の焼ける匂いが
部屋のく ....
わたしがメキシコへ行くのなら
まずメキシコを思います
わたしが右へ行くのなら
まず右を向いてみます
行きたいところがあるのなら
行きたいところを思います
....
静けさを握りつぶして
太鼓の乱打が鼓動を追い越し迫ってくる
振動
風圧
轟音
脆い胸の壁を叩いているのは
半鐘のように打ち鳴らすのは
共鳴した
私
生きている生きている生 ....
まっすぐ伸びた茎に
まだ開ききらない
若いガーベラ
その素直に親しみ
その芯を持て余した
ガーベラ
まぶたの間に
顕れた苦しみ
黒目を大写しにする
苦い海水のような涙
喉に ....
人が住む箱ばかりのくせに
午前一時の住宅街は
音を立てるのは容れものだけ
人の声がきこえない
公園に並ぶ枝ばかりの木は
夜空より暗く
影絵のようで
冷たい踝で立つ枝の真下は
無音だ ....
いつもと変わらない椅子席で眺める
連なる街路樹
葉の不規則な動線
石畳の歩道
日の当たりは白く
珈琲の香りで縁どられた窓枠の中に
挑むような口
軽やかな髪で
無造作に過ぎる横顔
....
不対電子のように
喉の奥でふるえてる
飲み込んだのかは知らない
吐き出すことは許されない
飛び出し
奪い
安定しても
結局
誰かが一つなの
鬼ごっこ
生まれない
生まれない
....
わたしが「タバコはキライ」って知ってるあなたは
わたしが「タバコ吸う人はスキ」だとは知らない
わたしの傍からあなたが離れてく時は
だいたいタバコタイムで
あの部屋では
....
まだ青系の光が外を支配している
舗装したての車道
履きなれた運動靴で
全速力
走り出す
足首に感じる
くっついては押し出すように離れる
アスファルトの粘着質
足のまわりの音を掻き消 ....