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{ルビ鉱=いし}は水に落ち
布になり
底へ底へ
飛び去ってゆく
名前は流れ
誰もいない日
空を映して
さらに流れる
影をなぞる影がいて
壁のそばから道を見 ....
家のそばに浮かんでいる
家と同じかたちのふちどり
それがなにかわかりません
晴れた日にも曇りの日にも
空に無数にきらめく粒子
それがなにかわかりません
まじわり ....
雨の花
花の雨
目を閉じ
光をついばむ
ついばむことしか知らないくちびる
口うつしに渡される十字架に
光のめまいのようにうつる雨
花のつぼみを持ち
手のひ ....
羽の群れがもつれあう向こうに
月が居る
羽の飛沫は風を飾り
陸ははばたき 海を撲つ
夜の冷たさ
夜の明るさ
言葉を忘れ
詩人は歩く
盗まれた星座の道をゆく
....
白から白へと響きわたり
限りあるかたちに届くのは
ほんのわずかしか続かない
どこにでもある小さな高まり
次々とほどける空気の結び目
とめどなくひろがるひろがりの
三つの遠い華や ....
海に近い砂の丘から
無数の骨が突き出している
かつてここで倒れた巨大な生き物の上に
浪に運ばれたものが積み重なり
石でできた枯れ木のような
蒼白い骨の森を造った
海からの風に ....