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最近じゃ 市場も不景気なもので いくら水揚げが日本一だなんていってもね
今は こんな体
さりとて さいわいにも 右の手足は 丈夫なもんだ
午前3時には 目がさめちまうんだな 習慣って ....
きょうび ここらの 界隈で
まともなもんが あるのなら
わたしは そこの よんちょめ あたりを
歩いてみたい ものなのです
ちびた下駄を ひっかけて
からん ころんと 歩くのです
....
明滅する スクランブル交差点
吐き出される人の群れは
ぼろぼろと名のかけらを 落とす
熟れ過ぎた柿を食おうと
台所の明かりをつける
歩道橋の上 夢想する
そろえて置かれ ....
キョウもなお いきてゆくのか
イジキタナクも いきてゆくのか
外では ゴオゴオと風がなり
それをあびることなく
ポツねんと 部屋のなかに おる
はかなくも 厭世などというものは
セイネ ....
夢の中で
君の腰骨のラインを 指先でなぞる
なめらかな稜線で
硬質なものに触れそうで 触れない
表層を
すべる すべる すべる
光源の分からない 薄明かりの中
....
その女(ひと)は 見守られている
白いベッドの上で
穏やかな瞳で 見守られている
七十を過ぎた息子の
暖かな瞳で 見守られている
薄曇りの冬空がのぞく
病室のベッドの傍 ....
手紙 のようなものを
書こうと おもう
声に してしまうと
儚く 風になってしまうようで
私が
今ここに いることや
この時代に 生きることや
出会った すべての人や
....
鉄の玉が 転がりつづけるように
月が軌道を 描きつづけるように
慣性の法則
君への想いは
林檎が木から 落ちるように
グラスが床で 砕けるように
引力の法則
君への想 ....
えらい人 と えらくない人
の あいだで
ぼくは ただ 浮かんでいるだけ
ぷかり ぷかりと
どちらにも ひかれることなく
ただ 月の引力にだけ
ただ 自然のことわりにだけ
満ち ....