風は吹くだけではなく
時には歌い
時には光る
風は夢を見させてくれる
水も流れるだけではなく
時には跳ね
時には踊る
水も夢を描かせてくれる
雲も浮いているだけではなく
時に ....
山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに
わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる
わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも
....
桜の若木についた花はいまだに落ちること無く
強い風のなかで、桜色が揺れる
暖かな日差しはいつまでも穏やかで
何をするわけでもなく、壁にもたれて
ウトウト微睡みながら
....
ああ、今日も雲が浮んでいる。
青青と吟する空の重さに酷く狼狽し、暮れへ連ねてあるく。
おまえは「きょうもええ天気やったね」と暢気に
両手をうえに、背を反らせて伸びをする。
....
取り返しのつかないことを
バラバラにすると
最後は
光が残った
次に光を
バラバラにすると
結局は
取り返しのつかないことが残った
ああそういうことか
大きく頷いてみた
....
ほとんど静かになった学食で
友人三人で
明日はピクニックに出かけよう
そんな話になった
大学から駅まで行く途中
夕焼けが綺麗だった
次の日は
朝から大粒の雨が降っていた
「どうする ....
おばあちゃんが
はにかんだら
とても可愛い
面映ゆいは
顔映ゆいで
可愛いって
そこからきてるんだって
恥ずかしそうにする姿は
いつになっても
乙女の輝き
(キラリン、 ....
あーあ
あーあ
就職したい。
いや、やっぱ、
したくない。
なんて言って
今日も一人で日比谷公園。
何時に行っても人がいっぱい
おじさんいっぱい
空いてるベンチ探すのに一 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}
きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
大好きな果物の
味でもしたのだろうか
モノレールの銀色の車体に
君の歯型がついてる
先ほどまでは
玄関の無い所
スリッパと同じ格好をして
スリッパを並べていた
今は肩を丸出しにしな ....
アサガオを育てていたはずなのに
大きなヒマワリが、ひょこっと生えてきましたよ
「あれ、どうしてこんなところにヒマワリが」
って
あなたのおどろく顔がおもしろかったから
ヒマワリと一緒に
わ ....
十六歳の時、スプレー缶にキャップをつけるバイトをしたことがある。ベルトコンベアに乗って流れてくるスプレー缶に、一日中ただひたすらキャップをつけるだけという仕事だ。
未経験、初心者大歓迎、カンタン ....
おおむぎの穂が、ゆれてる
ひかりやかげに、ゆっくりとけて
ぼやぼや、いまにもきえてしまいそうなくらい
クロード・モネのえ、みたいに
ぼくら、ぼやぼやしている
ぼくら、相田 ....
白梅町の交差点
頼るあてなく
落ちこぼれ
学生の俺は
うそを云う
横道抜けて等持院
是非をとわずに
落ちこぼれ
学生の俺は
つばを飲む
やさしい音のなる方へ
知らない君が ....
窓辺の{ルビ日向=ひなた}に置かれた{ルビ壺=つぼ}は
ざらつく{ルビ表面=おもて}を
降りそそぐ日にあたためて
まあるい影を地に伸ばす
窓辺の日向に置かれた壺は
「何者か」の手 ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた
さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
降りつづける雨は
もしかしたら辛い過去かもしれません
降っては止み
降っては止みを繰り返し
いつしか涙のようになって
まるで一人ぼっちみたいに
その「ぼっち」が淋しく響いて ....
詩において、「死」とはいかなるものなのだろうか。あるいは「生」は?
視聴者を引きつける手段としての「死への恐怖」「死んだらこうなる」というものは、メディアに数多くあり、利用されている。ドラマを盛り上 ....
切なさにほだされて
歩けなくなる夜
誰かの幸せを唐突に願ってしまう
たくさんのなぜは消化されるはずもなく
刻々と恨みへと姿を変える
私はたくさんの夢を抱えて
たくさんの愛を抱えて
たくさ ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧 ....
白詰草の花冠
年上のお姉さんに教わった
作り方
今でも覚えている
手に草の露を付けながら
夢中で編む
その姿は
小さな花嫁のようで
強く生きるその花は
だけど、優しく微笑みか ....
目をつむり
まだらを見るとき
まだらは過ぎ
新たなまだら
影は降り
新たなまだら
かたち 模様 紋章
思うままに
思う部位に現われ
現われ止まない
重なりを
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=119535
葬列の中に見る生の祝祭と、その列にまだ入ることができないが、何かを感じる自分。 そして、生のための詩を ....
来る日も来る日も
こうやって
涙さえでるのを忘れて
来る日も来る日も
こうやって
焦燥を{ルビ抱=だ}く他仕方ない
去る日を何時も
忘れてしまって
うつくし日々は嗚呼何処
....
ことばなんて おぼえちゃいけないのかな
保育園の先生に さよなら を言いわすれた
ユキ姉ちゃんが
いつまでも半ベソをかいている
そのすぐ傍で たあくんが
「あびば ぷぅー」と叫びながら
そ ....
五月晴れの匂う
青い空の下
潤いの粒がキラキラ光る
生き生きとした緑の葉っぱたちが
風に揺られて
カサカサと何かお喋りをしていた
何だろうと聞き耳を立てても
わたしは人間なので
うまく ....
月光をすくい、すくって
髪を洗い
ほっそり
とうめいな櫛を曳く
鎮まってゆく肌、肌に
しみこんでゆく
流麗な調べ
{引用=
呑まれても
ひとひら
抱きしめても
ひとひら
....
コルトレーンのサックスが
僕のペンを踊らせて
水色のノートに
リズムを覚えた言葉達
派手に転んでは
また立ち上がる
詩がダンスなら
人生だってダンス
空白のページに
素敵な言 ....
露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く
どこへ行くのと手を振ると
今度は白い子馬となって
東の空へ駆けて行った
....
朝、自転車に侵入された
ちょうど起きようとしているところだった
カロロと卑猥なペダルの音を耳元でさせ
とても恥ずかしかったが
俺は初春のように勃ち
自転車は器用に車輪をたたみ侵入してきたのだ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512