「ガチで」と言うのは
玄関先で
火打石を打ち鳴らす音に似ている。
熱がない。
みぞおちのうえ辺りを、すぅすぅと風が通り
だいじな「おくそこ」が冷えきってる。
熱がなく
あまりに冷えているので
ぼくは永久凍土で冬眠にはいってしまう。
一千万年あとに ....
{引用=―M・T君に―}
「てんぎゅうをとりにいこう」
きみがそう言った夏休みに
ぼくらは残忍なハンターになる
もくもくと青空に湧く入道雲
稚魚の群れが回遊する島の海を
ぼくら ....
夫婦円満の秘訣を聞かれました。
思いやること、
お互いを認め合うこと、
話を聞くことをすれば
大抵のことは
乗り切れるのではないでしょうか☆
円満と思うのが
自分ばかりでも ....
これが如何に英米欧にとって
屈辱的であったろう
アルファベットはコンピューターにとって
都合が良かった
無理やりJISに登録されたMSの文字コードは
今でも世界的規格から ....
苦しかったら
ここにおいでと
空が囁いてくれた
でも私には
翼がなかった
辛くなったら
ここにおいでと
海が囁いてくれた
でも私には
鰓がなかった
....
【カロート】
骨を収めるところだ
簡単じゃないよ
市民の骨を有料で収めるうつわだからね
俺はそんな仕事は嫌だったが
青焼きを渡されちゃ嫌とも言えず
自ら重機の操りも ....
知らん間にこわがりになってもうてたわ
しゃぁないやんって、言うてぇや
なぁ、なぁ、言うてぇや
担がれる縁起の身にもなってみろ
すきまがあるから
ピンクでぬった
ほんとはほかでも
よかったけれど
まいにち ごしごし
ピンクでぬった
黄色や青でも
よかったもので
いちにちそうして
ピンクにかえた
....
針を手にした(無心の手)は
今日も、布地を進みゆく
長い間歩いて来た
あなたと僕の足跡は、あの日
{ルビ布巾=ふきん}の遠い両端から始まり
それぞれに縫われる糸のように
....
ぱたぱたとひるがえるちいさな二足のズック靴
幼稚園への近道で
つないでいた手を離し
走ってもいいよというと
かならず笑い声をあげながら
細い坂道を駆け下りていった
その弾む後ろ姿を
おぼ ....
運んだ翼の遠く消えゆくを
ポケットの小銭は知らせる
後戻りなんかできゃしないぜ
情けなく雨は降るんだ
ここが自由の国だと
降り立ったのだけれど
雨は冷 ....
新緑
けやきの葉は太陽の陽をとらえきれず あたりを染める
ゆっくりと濃くなり
また 薄く変わって
芽吹きの痛みは 遠い記憶
君よ
新緑の明日を 君の森を走って行け
踏み出した ....
なにも 間違えじゃあなかった
自転車とは 自分で ころぶから自転車
自転車の練習をして みごとに こけたのは わざと だよ
わざと 痛い目にあってみただけさ
新しく自転車を買って その ....
こんな自分でも
すきだって
大事だって
思ってくれる君がいて
不思議なぐらい
見続けてくれる
氷より冷たく
ガラスや鏡より
粉々に砕けて ....
暮の春自称フランス料理店
後悔しない生きかたを選んで後悔している
ポエム贈られている
上に行くエレベーターじゃなかったのか
おとうさんだよ
お前の名前は
とうちゃんが付けたんだよ
「かおるようにうつくしく」と
「かおり」だと音がきついから
「かおる」なのだよ
君は母親の良く ....
見慣れた街の風景の一角
ブルーシートに覆われた遊休地
住宅街の一角に
ブルーシートに覆われた非日常
何らの標識もない
危険マークもない
青空を地上にへばり付かせた
痰のようなものを覆う
....
娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
どうしようなく
遠くなってしまった
と思っていたのは気のせいで
僕は簡単に
うつむいてしまった
葉擦れの音、踏切の音、雨の降り始めのにおい
何ひとつ同じものはなく
....
{画像=130502232622.jpg}
煮物 少しは作れない
煮物 引き立て合うのが良い
煮物 個性が個性を邪魔しない
煮物 文句を言ったって同じ鍋
煮物 ....
ただしぜん手を繋げる女の子がいて
信じるとか、信じないとか
もうないから
そこにいれば手を繋ぐ
「すき」を信じるのはほんとうに骨が折れる
時間とコストがかかる
もうきっとそんなたっ ....
柔らかな春光に制限のない自由をもらう 棘のない世界 風を吸い込む
この世界を命名したものを想う いや名前さえも要らないそのまま感じればいいさ
本当は物事に境界はないのさ 便宜的に物事は区分 ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
せっかくの天気なのにバイクがパンク
すぐ近くのバイク屋さんにかけこむと
オートバイがたくさん詰め込まれている
車体の骨組みだけのもの
部品が飛び散ったスクーター
似たようなハンドルやライ ....
絵画空間
言葉による現実認識
目の当たりにする現実の
非現実的な風景
土台が剥き出しの広大な廃墟
コンクリートの心象の
風景と言うには殺風景
埃にまみれた野草が茫茫
土埃の薄くかか ....
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