もうベビーじゃないこびとをのせて
ベビーカーを押している
愛しい生活にまみれた周辺を
いっぱいに抱えながら

秋は日に日に落ちてきて
車輪がとらえる枯れ葉の音が
肌の乾きを知らせてくれる ....
ひとりひとりの
誰かに似ている石の仏たち
きのうまで近くにいた
でも今日はいない

だれも知らない
過ぎ去った日の遥けさを
石の視界は
どこまで届いていくのだろう

十六人の不動の ....
赤い背景にボクサーの姿が描かれた
そんなポスターの前で
彼は教師と言い争っていた

ポスターは剥がされ筒に丸められ
彼の小脇に抱えられた

教師が立ち去ると
彼はこちらを振り向いた
 ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ

小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。

消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
岩のような物体がある
だけどそれは
確かな存在ではなく
既に灰の塊でしかない

ナイフの先から
たちまち感触が失われ
崩壊する固体
右手に力をこめ前進
わずかに灰をかぶるが
頭上か ....
古い詩が隠された泥の夏
わたしは薄い膜のようなものに遮られ
わたしの日常に触れることが出来ない

克服したはずの月曜日が
丹念に砥ぎあげられた日本刀のような物差しを持ち
午前三時の暗がりか ....
鉄器風鈴の舌が鳴く
舌先に垂れる短冊
声量のある長く響く歌声
一匹はある夏風の布が
短冊を揺らすように
ゆっくりと流れ行く

風鈴は夏風が
めくる手紙にはさむ
しおりみたいなもので
 ....
{画像=080731005030.jpg}

それは組み合わされ回転して行く主旋律
強い流れ 弱い流れ 
停止する感情
全てを巻き込んで流れ
大きな河となる
山間に蕩々と湧き出る泉から
 ....
祖父は人望があり教養があり武道にも長けていて体つきも良く美男で髪の毛が黒々としていて緩やかなウェーブを描いていてふっさふさだったらしい。
俺の近所には日本で初めての民間飛行機場があったというところが ....
俺はお前が買ったCDだ
お前が一度聴いただけで「買って損した」と判断したCDだ
待ってくれ 俺を中古屋に持って行かないでくれ
もう一度俺を聴いてくれ いや何度も聴いてくれ
何かのBGMでもいい ....
生きてゆくために
捕まえたり
耕したりするすべを
忘れ去ってしまった両手で
強いようで弱い
硬いようで脆い
そんな
不安定なものたちを繰って
日々の歯車を回していますが

畑や田ん ....
水は柔らかく伸びて
青いさかなとなり
耳にふれてとけてゆく

鳥は低く弾けて
白いはねとなり
肌にぬれてしみこむ

きみの産卵する文字たちは
見たこともないのに
なつかしい、ゆらぎ ....
 忘れ物を 捜して
 どこかへ行こうとしている
 歩いて生きる私は
 何処へ
 問いかけ続けて 何で といい続けて
 揺れている
 この町 あの町で

 風が吹く
 とくに秋の風 ....
乳母車からはみ出した者へ
薬を与え続ける
金で夢が買えるのだと
無防備な口から漏れる声を
塞ぐ優しさなど知らずに

俺は夢を買ったのだ
たまに二枚以上入ってる
ラーメンばあなら見抜ける ....
市民課の窓口に備え付けられた各種証明の
申請書を眺めていたら「独身証明書」の申
請書が並んでいる。独身であることを証明
しなければならない事態ってどんな状況な
のだろう。結婚詐欺ではないことの ....
雷鳴の
轟く深い谷底で
切り裂くような悲鳴を浴びて
今でも竜はそこにいる。

生け贄の
羊を優しく憐れんで
零した滴は干からびた
見る影もなし正の道

絆があるから迷わない?
い ....
分からないことが
きみの
口に
つめこめれて、むきだしにされた
まま、きみは運ばれていった、

夜には、
わたしの口に、きみの死が
押し込められて、
何もできないということの ....
左手の
見えなくなり始めた傷
手首の辺り
親指の辺り
よく探さないと見つけられないほどの傷
もちろん痛みはない


この手を噛んだ犬は
今頃どうしているだろうか


人間に飼わ ....
朗読するときのユーリさんの自意識過剰はメタである。他の人の自意識過剰がストレートに発せられるのとは異なり、彼女はじぶんの自意識過剰をメタレベルから冷静に観察していて、それにいらだちながら読んでいるから .... 怒らないと次に進めないので、怒ることにする。特に特定のもんに怒ってるわけではない。今はじめて怒ったわけでもない。あまりにも怒らないで我慢してたので、なんかもう滅茶苦茶に怒りたいのだ。ちょっと前のことだ .... どこの誰のせいで、とは言わないけど、つーか言えないけれど、私はこないだからだいぶおかんむりで、イライラしまくっている。イライラを吐き出さなくてもそれほど精神衛生を悪くするということはないけれど、少なく .... 久しぶりに会った
友人は相も変わらずで
夜中
ぐだぐだと話など
していると
近くの公園まで
散歩しようかと
いった具合で
出かけてみたりする
ふたり
満月に出逢う夜と
曇り空
 ....
許せないのって泣きわめいてみてよ
血が混じった
ピンクの涙が流れるまでさ

許せないのって泣きわめいてみてよ
ぼくの胸ぐらをつかみながら
ケモノみたいに乱暴にさ

誰かの目を覗きこみな ....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ


初めて ....
もうすぐ、お祖母ちゃんの一周忌です。
あのとき、お祖母ちゃんに一年後に、せいちょうして帰ってくるからね、そういって山形を発ったのに、ぜんぜんせいちょうしていません。
だから、あと1ヶ月の間に、 ....
 日本において詩は、難解であるか平易であるかというふうな語られ方をされやすい。詩作品をいくつか並べてみてどれが難解でどれが平易であるかというのは、誰にとってもわかりやすい物差しであるから、そうなってし ....  
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
自分に向けた
自分を壊す 自分を穿つ
攻撃的な感情


首からさげた
危ない正義 追い込まれてく
後ろ向きな感情



勇気が足りなかった
 ....
ただ星が瞬くだけ

それだけなのに

ほろろん ほろろん

君が泣いているかのよう

僕も瞬くよ

ほろろん ほろろん
野菜を包丁でちょん切れば、
ひめいも立てずに おとなしく二つに割れる
のっぺらした断面は、手作りのCTスキャン
まな板の上で見えない血がおどる

さびしい時、たまねぎの上でにんじんを切る
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
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卒業の日- 佐々宝砂自由詩2*08-9-21
眠りたい、雨の日は- たりぽん ...自由詩17*08-9-21
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ばらばらの- 砧狸自由詩108-9-20
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彼岸- 榊 慧散文(批評 ...6*08-9-20
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願わくば- 明楽自由詩308-9-19
亡命少女- 佐野権太自由詩22+*08-9-19
秋風の町- doon自由詩208-9-19
ジャンキー- 佐々木妖 ...自由詩7*08-9-19
独身証明書- kauz ...自由詩3*08-9-19
路傍の月- 水島芳野自由詩208-9-19
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がんばって_切り刻んで- パラソル自由詩1*08-9-16

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