何か大切なものを
過去に忘れてきてしまった
そんな気がする
握りしめた手の中には
小さな鍵がひとつ
それが何の鍵なのか
それも思い出せない
わからないまま街を歩いた
見覚え ....
息してるよ
僕は息してる
生きる方法は知らないけれど
呼吸の仕方はなんとなく知ってるよ
息してきたよ
僕は息してきたよ
退屈なんかじゃなかったよ
したいこと ....
俺たちはみんななめくじ
梅雨が明けても梅雨の時代だ
俺たちは塩をかけられ弱ってる
しおれていく前に誰かとつながりたい
どうせじめじめしてるんなら もっとわかり合おうぜ
世の中には形がない
....
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大丈夫?
そう言って母はいつも
額に手をやった
そう言えば額の熱は
手で繋がっている
39度の熱を出した
娘の額は汗ばんで
手を ....
実験的に無駄を省いたら
風も 木も 波も 空も 木霊も
みんな みんな 同じリズムで
繰り返している
少しずつズレていくのは
それが少しだけ違う音になって
だんだん 少しずつ変っていく ....
君への気持ち
まだ ぶれてないよ
それでも ね
泣けてくるんだ
心に雨が降る
だから 一向に乾かない心
ひたひたひたひたひたあああ!!!
それでも
走れというの?
ぐじゃぐじ ....
燃えるごみを
ごみ捨て場へ持って行こうと
外へ出たら雨であった
透明のビニール傘を差して
そのままぼんやり空を見上げる
水滴の降ってくるさまが見えるのが
大変おもしろい
周囲でく ....
夕べ
拾った羽根の先を斜めに切り
インク瓶に浸し
短く日記をしたためた
羽根で記録する行為に満足し
すぐに日記を閉じたものだから
翌日分のページに
生乾きの文字列が写ってしまっていた ....
まだ
夜は
寒いので
海岸に落ちていた生乾きのコートを
拾って羽織った
シャツも落ちていたが濡れていて
靴も落ちていたがサイズが合わず
人間の男も落ちていたが
触るとぬらぬらし ....
この頃はどうも選択物が乾かないので困る
心の窓辺、カーテンレールに
外に出せないでいる選択物がずらり
じめじめと蒸し暑い室内で
頭脳が知恵熱を出しながら文字を打つ
――愛してる好きです付 ....
12階のベランダから地上を見る
得体の知れないものが
あたしたちの体の中にある
欲望
空気の中にみえない
何かが飛び交っている
愛
悪意
諦め
執着
春を
夏を
秋を
冬を
....
わがままな飛行機雲が
あおぞらに
まっすぐ線をひく
ちくしょう
飛行機雲め
あなたと
私との距離に
まっすぐな線
ひきたいけれど
公園の木々
信号
コーヒーハウス
....
生きたまま
乾いてる
かさぶたをはがすと
地下鉄は走り
首都圏は湿りながら
鼓動を返す
洗濯機が
すこししずつ
ホームに近づく
近づくものを
選択して脱水する
....
昔、通学路の畑に、ひまわりが生えてました。
大輪の花が咲く夏を、楽しみにしてました。
しかし、夏がきても、花を咲かせるようすはなく、
やがて茎は茶色みをおびていき、
幹はどんどん太くなっていき ....
掴む
あなたをしることは
太陽をつかむよう
刻んだ空の破片を
脇に抱えて
あなたを見つめると
丘の上の鐘の音が七色に飛び散っている
あなたはいつもそこで
わたしはいつもここ ....
この国で一番大きいといわれている図書館に訪れた。出迎える広いロビー、その向こうにはぎっしりと本が並んでいる。多くの本は分厚く、背表紙は無機色だ。館内は足音も響かない。すみません、珍しい本が読みたいん ....
高い飛び込み台から、どぼん、と飛び込む。水中は真っ暗で、深いのか浅いのかも分からない。確かめるために潜ってみようとするが、体が動かない。何かと思ったら、水面に手首がひっかかって抜けないのである。困った ....
泣いていいのよ
とお歌が言うから
泣きました
ら
母はお止しとお尻を
パチン
とぶちました
泣きたかったけど
母の手が痛かったので
私は
自分の部屋へ駆け込む間もなく
口元を
....
あの子は
気分のいいときも
泣きたいときも
海を見に行った
ブレーキの利かない自転車を
力いっぱいこいで
砂をかんでぱたりと倒れた
のは初夏
そこ ....
さようなら と
行かないで と
触れないで と
抱きしめて が
ごちゃ混ぜになって
降ってくる
答えを求めて見上げたけれど
空は蒼く輝くだけで
代わりに ....
白い石畳が光に溢れ
行き交う人々の顔が
白色に洗われていく
追い抜いていく
自転車から
黒髪の流れ落ちて
梔子咲き零れる側を
歩く、口無しの恋心
ため息の後に芳香
機が熟 ....
割り箸をやめるお店が増えてきた
日本製の割り箸って木を切った時の
間伐材っていう余った木で作ってて
その収益金でまた森に木を植えているのに
どうせ大量に仕入れるのは
中国産の安い割り箸なんで ....
あの魔女の暗く碧を産める祝祭への求愛、深く深くうずく泉の深層
人工的な意識を喰らうと彼女の肌を葡萄酒が覆う、シュガーと香を焚く私の全て
飢えて渇いた内臓に生え出しそうなシビレ茸を摘んではかじり
....
人間は青い空がいつでもそこにあるような気でいるけれどもそれは違う
空はいつも降ってきている
降り続けているのになくなってしまわないのは
絶えず生まれ続けている ....
ねがいはかなわない
なんてねうそだよ
雨上がり、祝福されたまぶしさの中
君がいってしまった
眠らなかったけだるさと家に帰れないかんじ
寝てるひとは何もしらないはずだ
なのに
見ていた
....
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今日はまた曇天の気持ちが
重たくぼくを暗くする
通りを走り過ぎる自転車の少女も
手を繋いで歩いている老夫婦も
みんな静かな見えない時を歩いている
....
旅先の友を訪ねた
帰りの列車のシートを倒し
ポケットに忍ばせた
ウイスキーの小瓶を一口
喉が焼ける一瞬、
の後に
聞こえて来るのは
我胸に とくん とくん と響く
....
歯を磨いたら
ダヴだった。
そんなとき
誰かをおもいだして
胸がきゅっとなる
{引用=
(ポエトリーリーディング:http://www.myspace.com/slymelogue)
}
あいすることはしんじること
しんじることはいきること
太陽の温度ほてる今日も ....
3歳になったばかりのひぃちゃんが
裸足でおんもに飛び出して
水溜りで遊んでる
空から大粒の雨がぼぼぼ
大きな傘差したひぃちゃんは
しゃがんでかえるさんとお話よ
ゲロゲロぎょっとびっくり ....
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