不思議だった
いつものオリオン座が
いつもよりも綺麗だった
寒い夜だというのに
しばらくの間
その輝きを見つめていた

不思議だった
いつもの霜柱が
いつもよりも美しかった
冷たい ....
{引用=リトル・ミスに出会った}

*********************************************************************


{引用=彼 ....


 先ほど、近所を散歩していました。友の唄声(CD)を聞きなが
ら布団に入っていましたが、来年から始まる新たな夢のことを思う
となかなか眠ることができませんでした。外に出ると、深夜3時半
 ....
真っ黒なレイチェルの瞳の奥には
何が映されるのだろう

秋の深まる頃だった
色づいた木の葉があふれる坂道で
これからを知らないけれど一歩一歩踏みしめて歩く
腰まで伸びた長い髪を奇矯とも言え ....
それでも

女の人が
涙ごとに流す{ルビ睫毛=まつげ}は
蝶々になるのですよ




『睫毛蝶々』


祖母の形見の化粧箱は
真っ赤な朱友禅に金糸の菊
中には小さい鏡もはめ ....
コーヒーカップの横に、本がある。
『「待つ」ということ』 そう本がささやいている。
私の心に問われた。私は何を待っているのか?
コーヒーをかきまぜてみる。
耳が頭がカラダがざわざわしている。
 ....
底冷えに震えながら
変化する気圧を感じていた

煙の色が変わったら
仮定した波形すら
忘れて良いのだと感じた

変化する音も色差も
比率でしか無かった

煙の味が変わったら
定義 ....
曲がり角

バイバイの後
聞こえる笑い声

バイバイの後
つまる言葉


独りで帰る

冬空の下
霜葉ふむ皮のブーツの小気味よさこのままいつか見知らぬ冬に


窓ガラスくもる吐息にだまりこむ人のしぐさのその残酷さ


冬{ルビ薔薇=そうび}あかい棘さす指先の血のにじむ{ルビ孤悲=こい} ....
閉ざされた森の中
高くそびえる大木を見上げると
雲一つない青空がある
空に上っているのか
空に沈んでゆくのか
もはや見分けがつかない

一羽の鳥が空を横切る
自分が見上げているのか
 ....
あ どこで鳴っているのだろ
悲しく響くパンの笛
空の上から高く低く
木々の間から遠く近く
誰が吹いているのだろ
森に木霊するパンの笛
謎 謎 謎の響き
僕はその日いつまでも
謎の響きに ....
巨人の足跡に舟を浮かべ
わたくしたちは向かい合う

ここは空の真下

もう片方の足跡は
はじめからなかった





          {引用=一九九八年二月二四日}
美しい花で満たされた花束
それを手渡す時に
その人との架け橋が築かれる

しかし美しさだけで作られたものを
手渡すのが怖くなる時もある
これで築かれた架け橋は
実は幻ではないだろうか?
 ....
とどける。せかいのどこかでいきをころしている君の
ために、ひとつのうたをとどける。君がなにものなの
か、だれにもしられていなくて、しられていないこと
は、みたことのないけむりのようなかいかんでも ....
見上げると 
ひらひらと北風に舞う 
たましいのかたちをした 
まあるい葉が一枚
落ちてきた 

{ルビ煉瓦=れんが}の{ルビ椅子=いす}に座ったぼくは 
腰をかがめてそれを拾うと 
 ....
― それ、なんて髪型?


と問われたオレは答えた。


― ケントデリ・カット。


イエース
華麗に無反応

なんだちくしょうこの小僧
オレがオッサンとでも言いたげか
 ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに


のに


祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
人形の人の死体が
石積みの河原に落ちていた
右ひじから先が無く
首も変な角度で曲がり
埃と泥にまみれていた
見たことのある人の死体は
どれもきれいに整っていたので
とても汚らしく ....
帰路の途中に
いっぽんのイチョウの木
並木にあるわけでなく
小汚ない公園の中に
ぽつんと立っている
小汚ない公園だが
イチョウの木は
実に堂々としていた

彼が何十年
生きて来たか ....
第二次世界大戦の帰り
コーヒーのお代わりと、兄によく似た笑顔に何故か敗北を予感した

銃剣によく似た冷たいものが
心臓の半分弱を撫でている

その日はいつものようにマーメイドによって、パン ....
商店街の呉服屋には
座敷わらしが出るんだ


『呉服屋の座敷わらし』


何年も前
近所の商店街は
七夕が近づくと
ささやかながら華やいでいた


電燈の高い所に
白と桃色 ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来

ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で

教室にいる ....
机の引き出しの奥に
わずかばかりの
どこにでもある土の入った袋
これがふるさと

都会のコンクリートの中の
ほんの少しのふるさと
自分が生まれ育った土

袋を開けると
ふるさとの匂 ....
珪石、打ち鳴らし、
火花が砕けた。
日々には
何も影響しないし
縫い付けない。
去年の冬に読んだ、
ある外資系投資家の
凡庸な装飾と比喩、
エチオピア・ハラーという珈琲が
おいしいく ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
春からひとり
流れてきた
おまえ

こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう

月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている

一に ....
 生きていること 死ぬことの不思議
 さなぎのような体の中に 
 閉じ込められた私の意識
 息を吸うたび膨らむ胸郭 
 心地よい空気の移動
 耳の奥で脈打つ血のうねり
 私にしか聞こえない ....
『癌と云う/漢字が書けるようになりました』/外科医に向かいて父が笑う


『お父さんの/腎臓を見たよ』と呟いて/遠くを見つめる母の背中


『治るよね?』/テレビを見つめて兄が聞く/誰 ....
詩集をね、つくるんだ
みんなに渡せるからね
少し黄色い紙ならね
目もちかちかしない
はずさ
知って欲しいからね
僕のことを
これから伸びてゆく詩人だからって
今知ってほしいのは
僕が ....

魚は酸素を知らぬだろうか
暗い水辺に輪を描いて
あんなにも深く潜ってゆく


飼育係は放課後に
飼っていためだかを流してしまった
閉じ込められてるのが
可哀相だったって
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不思議だった- ぽえむ君自由詩17*06-12-18
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_あなた_への招待状_〜新たなる夢について〜_- 服部 剛散文(批評 ...7*06-12-18
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睫毛蝶々- 蒸発王自由詩5*06-12-18
昼下がりのテーブル- 石川和広自由詩12*06-12-18
収差- ねなぎ未詩・独白306-12-18
・曲がり角・- はち自由詩306-12-18
【短歌祭】見知らぬ冬- 石瀬琳々短歌19*06-12-18
閉ざされた森の中- ぽえむ君自由詩6*06-12-18
パンの笛- 未有花自由詩10*06-12-18
大座法師池- 渦巻二三 ...自由詩606-12-18
花束と架け橋- 紀ノ川つ ...自由詩8*06-12-17
とどける- 岡部淳太 ...自由詩12*06-12-17
たましいの葉_- 服部 剛自由詩18*06-12-17
リメンバー・ダニエル- 知風自由詩206-12-17
なみだのつぼみ- Rin K自由詩34*06-12-17
降り注いだ- たもつ自由詩13*06-12-16
五十年の孤独すら希望- 煙と工場自由詩106-12-16
吊り革- 緑茶塵自由詩506-12-16
呉服屋の座敷わらし- 蒸発王自由詩6*06-12-16
同じ窓から- Rin K自由詩30*06-12-16
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半導体、その彼岸へ- はらだま ...自由詩11*06-12-15
みかん畑の夢- 遊羽自由詩19*06-12-15
花瑞葵(はなみづき)- Rin K自由詩31*06-12-15
私は死ねない- 月夜野未詩・独白15*06-12-14
家族- 吉田ぐん ...短歌1606-12-14
詩集を作るアイデア- イダヅカ ...自由詩16*06-12-14
飼育係、或いは荒廃- 吉田ぐん ...自由詩1506-12-14

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