古本屋で買ってきた
詩集の頁に
銀行の明細書が挟まっていた

お取引金額二千円
手数料百五円
お取引後残高十六円

そう記された明細書が
栞のように
詩集に挟まっていた ....
言葉の鎧を貫きたければ
言葉の剣を用いなさい

言葉の剣を防ぎたければ
言葉の鎧を用いなさい

どちらが正しい、どちらも正しい
どちらが強い、どちらも脆い
どちらが尊い、どちらも貧 ....
不幸だね。
混じりけのない、不幸だね。
純度100%の不幸だね。
もう誰も、あなたをとめられないほど不幸だね。
正真正銘、不幸だね。
今時珍しい天然モノの不幸だね。
遺伝子組み替えなんてし ....
父の手をさする

硬く曲がったままの指を
一本ずつひろげ
滞ったものが
少しずつ流れていくように
強張ったものが
僅かにほぐれていくように

節くれだった
頑丈な父の手

鍬を ....
花火見る顔で嫉妬心を隠している ぬいぐるみを口にあてて金が欲しいと叫んだ 最近
中二の娘が笑わない
あまりにも無愛想なので
お前最近目付きがゴジラに似てきたな

言ったら
本当にゴジラみたいな目で睨んできた

あまりにも怖かったので
さっさと自室に逃げた

翌日
静岡に帰 ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人

街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。



人間は自惚れる。いろいろ挫 ....
おしるしが来てから二日後
夜、下っ腹に引きつる痛みがあった

陣痛 前駆陣痛か はたまた胎盤が剥がれてしまったのか
ネットで調べる仰向けの オロオロ妊婦

これは我慢できる痛みだから 陣痛 ....
根を断ち切ろうとしたから
枯死しかけたのだ
根は父からの愛

古い蔓を伐ったから
新芽は萎れたのだ
古い蔓は母からの愛

依存することを嫌い
愛されることを拒んで

君は自分にな ....
初めて降り立った駅
都会ではなく田舎の駅
何があるのだろう

直感にまかせて進んでみる
感じるままに楽しむ気持ちで

昔からそこにあるお土産屋
地元のものだけで作られている

狭い ....
誰もシラナイ理由が無い
わずかな隙間を生きているような気がするんだけど

近代現代近未来
産業ロボットはやがてラインを離れて
どこへ行くの

母を殺し父も殺して最果ての
流刑の地さえも ....
一度も開くことなく折れた傘を供養している 僕の文法のSは君と僕
Vは生きることだ
訳もわからずOをもとめてさまよう
たまさか生まれる言葉でCを綴る

規則正しいものに反感を持ち
疑うことの正当性をつかもうとして
いつのまにか自分 ....
一人で茶漬けをすする、朝六時半。

いつ来るとも判らぬ、搬入の荷を待つ。

「お疲れ様です。本日の出し切り時刻を、教えてください・・・・。」

雑多に集まる人々が

杉並・練馬・多摩地 ....
生まれたときにもらった種に
水をあげようと
じょうろに
たくさん水を汲んでいた
少年がいました

だけど、少年は
水を汲んだ帰り道に
少年と同じように
植木鉢に水を欲しがっている
 ....
空は薄暗いのに
色とりどりの看板や
揺れる木々の葉を
濡れた舗道は律儀に映し出す

冷たく滲んだ風景画を
靴やタイヤが
踏んでいく

ブラインドの隙間から
見ている私の
雨の記憶 ....
折れた傘ゴミ箱に挿しこんで本当の笑いかた忘れた 通り過ぎる風のように
現れては去っていった
出会いと別れはいつも
風のようなものだから

嬉しい出会いにいつも
同時に訪れる不安感は
別れを予測し付き纏い
いつしか諦めとなった

 ....
雨降りから
こっそり逃れるために
少しずつ歩く
小さな黒猫には
首輪もないので
名前もないだろう

彩りある
小さな傘がたくさん
水たまりの
近くにあって
バス停で
トロリーバ ....
何かを 見詰めようとしたら
今まで 瞳を潤していた 存在を
排除しなければ ならない と
泪ながらに 訴えた夜

あなたは 笑って こう言った
その必要は ないよ
何の為に 右と左が 存 ....
火が燃えている、火はささやかに舞い、わずかな黒煙を伴い燃えている。
すでに燃え尽きようとしているその男は、小さなともしびに油を注ぐ。
日が燦々と差す部屋の片隅の小さな戸棚を開けると、油の瓶が並んで ....
枯葎正義の味方に戻れない 道化師の傘をパクり雨が漏る家に帰る 喜びは誰に捧げるのだろう、肉付きのいい母親の頬は弾けていた。携帯の写真を覗いては閉じる。チョコレート色に焼けた力強い腕。ながれる汗は距離を忘れ、遥か故郷の土を抱きしめていた 。

できるだけ ....
〈雨天から降ってくる雨という憂鬱〉
世界が世界一つ分狭まると雨が人々の庭に侵入してくる。
人は歩けない以上に歌が歌えない。
声は口に達する前に雨によって沈められてしまう。
電車が遠くを走ってい ....
傘さした影もひとりぼっち 僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ



僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ....
日常のなか
その特別性が
はからずも失われゆくものを
調度品といいます

ちょうど、
郷土と響きが似ています

つるりと光をなめらかに着て
都合のいい解釈に
身を委ねます

 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 小川 葉自由詩714-6-18
資質- 千波 一 ...自由詩314-6-17
FUKOだね☆- うめバア自由詩514-6-17
父の手- Lucy自由詩22*14-6-17
花火見る顔で嫉妬心を隠している- 北大路京 ...自由詩614-6-17
ぬいぐるみを口にあてて金が欲しいと叫んだ- 北大路京 ...自由詩914-6-17
犯罪者の心理- ichirou携帯写真+ ...10*14-6-16
みせもの- ……とあ ...自由詩9*14-6-16
齧歯類- ……とあ ...自由詩10*14-6-15
痛みに強い女がうつ伏せで眠るまでの記録- 朝焼彩茜 ...自由詩24*14-6-15
クレマチス- Lucy自由詩1814-6-14
知らない駅- 夏川ゆう自由詩414-6-14
CAFE_de_短歌みたいな- 梅昆布茶自由詩1214-6-14
一度も開くことなく折れた傘を供養している- 北大路京 ...自由詩314-6-14
文法1- 梅昆布茶自由詩1114-6-14
無題- 梓ゆい自由詩1*14-6-14
少年の話- 小原あき自由詩7*14-6-13
長雨- Lucy自由詩17*14-6-13
折れた傘ゴミ箱に挿しこんで本当の笑いかた忘れた- 北大路京 ...自由詩714-6-13
出会いと別れ・・・- tamami自由詩714-6-13
雨降りと小さな黒猫- りゅうの ...自由詩5*14-6-13
結末- 藤鈴呼自由詩2*14-6-12
火と水- 山人自由詩8*14-6-12
枯葎正義の味方に戻れない- 北大路京 ...俳句214-6-12
道化師の傘をパクり雨が漏る家に帰る- 北大路京 ...自由詩214-6-12
サウダージ_No.- アラガイ ...自由詩8*14-6-11
人へ- 葉leaf自由詩614-6-11
傘さした影もひとりぼっち- 北大路京 ...自由詩6*14-6-11
チョコレート粉砕機と田中さん- ichirou自由詩12*14-6-10
調度品- 千波 一 ...自由詩414-6-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512