式場の人が何もしてくれない
ってぼやいていたのに

何だよ

サプライズ続きの披露宴に
思わずこんな言葉が口を吐く

けれど

結婚っていいなと
温かい気持ちにさせてくれた時点で ....
都会で暮らしていた時、紹介されたある人が、秋田出身者と聞いて、喜び勇み、その人に秋田訛って話しかけてみたものの、ショウジュンゴで返された時、やだあたしひとりで秋田訛ってばかみたい、というこ .... {画像=121222105919.jpg}


猫よ

我々には降誕祭も

盆暮れ正月だって

自身の誕生日さえ

周囲とは異なり

意味を持たない


然し

猫 ....
 
奥の虫歯が痛かったので
バスに乗った
バスなんてないのに
歯なんてとっくの昔に
なくしてしまったのに

強風波浪注意報の町で
希望、という名の音楽を買った
嬉しいことが
少しだ ....
横になって感じるナンバーは ライオン
野生の猫の たてがみの美しさは 17

おきあがれない日
かなしい日
戦っていない日 
子猫のように爪をといでいる子が大勢いて強さを誇っていても
気 ....
はじめまして、と言って、町に住み始めたね。
日々、白い顔をした町を刻んでいくと、
黄やピンクや赤が顔を出してきて、
それとなく、そのまま、口にして、飲み込んで、喜んでいたね。
この町にどんな食 ....
気がつくと
このところずっと
背中を
壁につけていた気がする

壁は
崖なのかな
盾を
背負っているのかな
前への注意はしているけど
なんて考えていたら

壁からの
 ....
自分を慰める歌も
持ち合わせていないので

枕の上に
生贄のように
投げ出した腕

手のひらに
種が芽吹いて
止める間もなく
こぼれる
花 


紫苑

私は後悔して ....
きみがねむるまで
うたをうたおう
このよのふあんは
すべてわたしがたべよう
やすらなここちのべっどで
きみはすくすくそだつだろう
それをみて
わたしもすくすくそだつだろう
ははとして
 ....
良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す

男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ

 ....
夫婦喧嘩しながら
酒を飲む

楽しい酒ではないけれど
つまみのイクラを
一粒一粒舌で潰しながら
時が過ぎていく

その一瞬にも
互いの言い分が述べられて
これは生きてい ....
誰にも見えない虹が
君には見えるのだろうか

僕は何十年もかかって
ようやくおのれの目の中の
黒い雲達の正体が
おぼろげに
見えてきたばかりだというのに

僕の言葉は
発音した瞬間 ....
お友だちあつめて内閣つくるなよ

パパくれた国という名のおもちゃ箱

棚ぼたを民意と言い換えほくそ笑む

某首相尖閣諸島に島流し

変わり身のオセロを凌ぐ鮮やかさ

日銀を悪魔に渡 ....
その金曜日の午後
いつものように黄色いスクールバスから降りてきた
娘達の笑顔を確認してから
思い切り抱き締める
「ねえ、ねえ、今日学校でこれを描いたんだよ」
私の腕を振り切る勢いで バックパ ....
ハイボールは 夢の味
含んだ途端に 下が高速回転し
イラナイ発言を 繰り返すので
トタンで閉じて しまわないと
非常に 危険な 飲み物なのですヨ

コニャックの文字で
必ずコンニャクのぬ ....
僕の時間の砂が
指の隙間から零(こぼ)れ落ちる
さらさらさらさらと
零(こぼ)れ落ちる。

そのまま風に吹かれて
失われてゆく
砂の想い出

人生の終わりまで
掴(つか)んでいたい ....
高台から 見下ろせば
雲が唸りをあげている
雲を突き抜けようとする 音がする
街の灯りは 木々の間からも見える
サイレンが パトカーが 消防車が 甲高い音が
地を這う

まだ ....
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた

子どものころ ....
太陽 
月 
仏陀 
神 

(それらを含んだ風のしらべよ) 

わたしが昇ればあなたは昇り 
わたしが降りればあなたは降りる 
わたしが歩めばあなたは歩み 
わたしが止まればあな ....
空を切り裂く
稲妻のような
赫い時を駆け抜けて

蒼く険しい道を
手探りで辿ってきた
背中には黒い影法師が
張り付いていた
コンクリートの孤独が
骨を溶かしていく

そして今は
 ....
     序         

霧に遮られた淡い月明かりが滲んで夜空に消え入りそうな夜。
書斎の机の上に開かれた革張りのポオ全集の一巻、熱いコーヒーと揺らぐ葉巻の煙。その脇には黒猫が蹲(う ....
ちゅっ

と出来る存在は 大事だ
ちゅっぱちゃっぷす と
銅色のコイン一つで買えるチョコが お気に入り

あれっ あれは
何かの水にひたすと
最初の 煌めきが
元通りになるって 聞 ....
鏡の前の
リクライニングに座り 
鋏を手にしたおじさんに
全てをまかせて、瞳を閉じる 

ぱさ、ぱさ、と切り落とし 
頭はだんだん軽くなる 

ぱさ、ぱさ、と切り落とし 
心はだんだ ....
来るよ
音がするもの
ザクザク ザクザク 
ザクザク隊の音

兵隊さんの靴の音

音楽室の真向かいの
ラグビー場は昔
兵隊さんの
中継地だったって

だから聞こえる
夜になる ....
 
凍えた体を温めてくれと願ったのは、あたいの罪
躊躇なく温めてくれたのは、あなたの罪

そんな罪を、微妙なあたいたちは愛とよんだ


 
詩人だから汚れ仕事は
しなくていい
美しいものを
美しいと言えばいい
醜いものを
醜いと言えばいい
それをどうすればいいかなど
考えなくてもいい
詩人は花のようなものだ
ただ咲いてい ....
おそらく僕の知らない
無数のははがいたのだろうと思う

まあ今も昔も聞いたってこたえないだろうが

母の遺品を整理している

書道用具

浦和のなんとか堂とかいうところで購入した
 ....
沈黙の惑星は
能弁なのかもしれない

その星の水際にはとりどりの
言葉の端くれが堆積しているという

それを採集することが
盲目の考古学者たちの日々の務めなのだという

中央の大陸に ....
きみはTPOをわきまえてという
でも僕はぐちゃぐちゃ
でもほら てをつないで
ストリップを観に行くか トイザラスにでもいこうよ
気分をパッと晴らして
歩いていれば いやなことは忘れる
不機 ....
{引用=
ぼくはスケートリンクにとじ込められた
きみの日なた
日なただよ



          アスパラガス「スケートリンク」より







詩人の書く言葉は
 ....
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