なつかしい匂いに
ひたる冬、
寒さは
使い慣れたはずの指先に


疑いようも無いくらい
数をつのらせて
まもるべきが
すべて、に
なる


泣いてしまうことも
ねむ ....
りさちゃんに
2組に転校してきたけんちゃんって
かっこいいよねって言ったら
次の日の黒板に相合い傘で並んでた

この前、算数のテスト0点だった事も
オカアちゃんにバレちゃって
夕べは ....
あんたの1メートル上空の
地上権と
あたしの1メートル上空の
地上権を
交換するの

そレで
あたしの匂い
あたしの甘やかな匂いを
あんたにいっぱい嗅がせて
あんたの一切の先取特権 ....
優しさにぶらさがる
重なる星の巡り合わせに
ふたりだけの夜
ドブ板通りの古びたカウンターで
わたしをみつめる
瞳と
Never mind
歯並びの良い口元が闇に浮ぶ
迷路のような船底で ....
お三時に彼はハンドルを回し
胸の部分の扉をパカリとひらいて
よい風を招くために
陶器のオルゴールを鳴らした
それは凛とした音色なのだけれど
彼はハンドルを回すことに執心していたの ....
テキストファイルには何を書いてもいい
だがワードパットドキュメントには真実以外書いてはならない


                        ゲーテ



IDカードを首からぶら ....
言葉がやたらと出せなくなったので
修理工場へ行ってみた
そこではたくさんの農夫が
カレンダーに数字をでたらめに書いていた
故障の診断はどこですかと尋ねると
奥の池の中に入れと言われた
よく ....
西日のうちよせる窓辺に
幼い貝がひとつ
もぞもぞと動く白い靴下を
つん、とつけば、また{ルビ蹲=うずくま}る

どうしてこの子は
こんなに静かな遊びを
思いついてしまったのだろう
座り ....
死んだ鯔が漂っている
ゆらゆら ひれをふりながら

近づいてくる 油の浮いた港の水を分けて
俺の思い出を裂いて

一漕ぎで 鯔はあきらめる
記憶の追跡を 死というやわらかな退廃を
この ....
荒川遊園地の前にある公園の
ベンチで座って
プールを眺めた

子供たちがみんなはしゃいでて
笑顔で
かわいらしかった

おもちゃみたいな
乗り物乗って
私たち
楽しかったね
 ....
?.

日が沈むぜ
ウォッカの氷に
日が沈むぜ
おまえの鎖骨に

観覧車に
モップ犬に
道行く人に
カモメの声に

書くしかない
書くしかないんだ
おれたちこんなに ....
古ぼけた色
懐かしい香

記憶を焦がすのは

揺れる翠緑
透ける群青
舞い上がれ、白々たる雲

―君の後姿を追ったあの日―

ただ甘さに酔っただけ
宇宙に終わりがないように
人の心にも終わりはないのです
ですから
自分で勝手に
終わらせないで下さい

風はいつでも吹くように
心も新しくなるのです
ですから
自分で勝手に
しまわ ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
仕様が無い

そうやって誤魔化していれば
納得してもらえるなんて
思っているわけじゃない

作り上げた構造に
己の意思が介在する要素が
1パーセントに満たなくったって
目の前にある現 ....
歳を経るごとに
父は粗野になる

私の知っている父は
情けないほどに
やさしく
臆病であり

世間が
とても狭い世界が
気になって仕方がなくて

私はそんな父を見て
半ばあき ....
塾の講師になって二年

はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない

今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
道路に似た人がいたので
間違えて歩いてしまった
慌てて謝ると
よくあることですから
道路のように笑ってくれた
よくあることですから
そう言って
許したことや諦めたことが
かつて自分 ....
初めはわずかな風でした
やさしい風は
そっと教えてくれました
春はそこに来ています

いつもとはどこか違う風でした
やわらかい風は
ふっと通り過ぎてゆきました
春はもう来ています

 ....
遅れてくる 朝に
日輪の再生が 静かに 遠く

密やかな冬至は 過ぎて
節をも分け 春分に 向かう

風もなく 穏やかな 一日なのだが
澄んだ 透明な陽光 麗らかな
味の無い 真空の時 ....
その先には何か有ったのだろうか

線路は緩やかに弧を描き
まぶしげに白く光る

僕は改札を後にする

何と言う悲しい道だろう
駅前のロータリーは同じ場所を回り
出口を見つけ出した人だ ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
妻が子を産んだ。
女の子である。
わたしの子ではない。
山神さまの子だと妻は言う。
山神さまの子は妻に似て、
肌が白い。
むずかると、
白い肌を紅くして泣 ....
稜線を背にして風は下りてくるので
もしかしたら 空を飛べるのではないかと お日さまに相談をしてみました
雲は優しい羽根を残して行ってくださるのですけど
不確かな憂鬱が胸を撃つ。
交差点に逃げ場はない。
誰にもだ。






長靴を履いて雨の上を歩く、
いつもこうやって泣いているの。



 ....
きみが森にはいれば
木々は青さを増し
きみが空に手をのばせば
雲はきみに近づこうと雨になり地におちる
きみが猫にふれれば
その三毛猫は、2丁目界隈の王になる

海がみたい、君がときどきそ ....
 夜になると
 緑色に輝く布に僕は立ち上がりながら包まれ
 凍った吐息を漏らす
 指の爪が長く伸びて尖って
 僕は白い吐息を何度も吐く
 夜を駈けたいと思う
 地上に落ちた三日月を横目で見 ....
しんかんせんが はっしゃする 
ぐんぐんとはなれゆくきみのすむまちへ 
ことばにならぬおもい 
かそくするしんこうほうこうにさからって 
きゅっ とくちをつぐんだまま 
きみのことを すき ....
ぼくたちは静かにシンナーを吸引する

ボンドやパテやガソリンはやらない

誤ってガソリンを飲んだロッテは恋人のアパートで死んだ

その恋人の名前をぼくたちは知らない

ぼくたちは常に純 ....
序章

薄くけむる霧のほさきが、揺れている。
墨を散らかしながら、配列されて褐色の顔をした、
巨木の群を潜ると、
わたしは、使い古された貨幣のような森が、度々、空に向か ....
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