引き伸ばす空もない朝花びらは色を濃くして道を千切った

高い柵取り残し飛ぶ鳥からも奪えるものはあると思う

雨だからドアにはりつく葉の傷は治らないのだ言い訳のように

背に生える蕾を思う病 ....
  
玄関を開けると
妻はドラマを見終えたところで
「あたしの唇返せ」
と言う
そんなこと尻をかきながら
言うもんじゃない
と思いながらも
冷蔵庫のビールの有無が気になった
僕らは
 ....
勇気は境界線の狭間で
いつだって萎れていくだけで
零れ落ちてしまいそうな気持ちに
ぴったりと蓋をして
伝えなかった一言
感情の起伏のような山並みを
ゆっくりと雲が隠していく
嘘つきな ....
                    



今日は仕事ないから
俺たち遅くまで寝てたっていい
でも空がほら
あんまり青いから
外に出ようぜ
競争だぜ
階段駆け下りて
飼い犬に ....
家に帰ると
なかったはずの、が
いて
言わなかったはずの
おかえりを
言ってくれる
それから
なかったはずの
夕食の支度が始まる
なかったはずの、は
キッチンで月の光のよう ....
  ――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために


?

たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
小石ひとつ足して水位を上げる空目指すと聞こえる芽吹かない木々

星を曳く枝先の花萎れかけ助けたと叫ぶ鳥をくぐらす

弾くことのなかった楽器ただ影に指先を足し待つだけの肩

線を引く音 道に ....
あの日
花を活けている母のそばで
私は
剣山を手に押しあてて
痛み
その直前で手を止める
残虐な笑み

横たわる百合の花
その白さと
花の奥
見てはいけない遠い闇

青い花器 ....
地デジがやってくる
大股で闊歩して
この街にもやってくる

くっきり画面を携えて
番組予約も楽々で
裏情報もばっちりで
夢の生活必需品

液晶画面の向こうでは
だけど
昨日と変わ ....
今朝
澄んだ風が吹くようなので
ぶらりと散歩に出た
用水沿いにも彼岸花
延期になっていた運動会の
開催を知らせる音が響くと
そういえば
と ついつい
よく晴れた空を見上げてしまった
 ....
眠れない夜に羊を数えてみても
ウール100%のheavenly dreamが訪れる事もなく
二万一千頭位まで行った所で
東の方角に朝焼けの予感が貼り付きはじめる
一日中数えても十万頭にも満 ....
ある日
夜、歩いていたら
街灯がやたらと
光って見えた。

何度目をこすっても
光って見えて
どうしても
吸いつけられてしまった。

だから、
もう
帰れないと思った。
おいどの大きな者が
持てはやされた遠い昔の
おんなは血を繋いだ。
夜毎
亭主とまぐわって
子を産み
子を育てた。
おいどの小さな者が
持てはやされる今どきの
おんなは血を乱す。
し ....
傾斜/午後の光
射す灰色の空は
立ち並ぶビルの
すぐ上に落ちて

夕焼けが始まる
前の憂鬱を伴った眩しい公園で
少女はぶら下がっていた/傾斜

「久しぶりに土の匂いをかいで
 あの ....
北鎌倉の山寺の
{ルビ境内=けいだい}を歩くと 
左手に緑色の池が現れた 

小石を一つ拾い 
池へ投げる 

緑の{ルビ水面=みなも}の真ん中に 
水の花が開いて 
広がる 
  ....
 ・・・ひとりのこどものために

人間の中で
いつもわたしは震えていた一人のおさな子だった
ふたおやの不当な暴力に 無力であり
理不尽な要求に 声を震わせ 慄き
欲望の魔の手に この身体を ....
象の飼育係をやめて
バスの運転手になった
象の目は悲しげだ
と言うけれど
乗り降りする人たちも
体のどこか一部が悲しげだった
遠くに行きたかったのだろうか
数頭の象が停留所にいた
 ....
東京行きの列車が
一番線のホームに到着する
 あれに乗ればトーキョーまで行けるのね
娘は言った
 うん、行けるよ
 行きたいな、トーキョー
 この間の日曜日みんなで行ったじゃないか
 ....
どこか寒い
なぜか寒い
吹き込んでくる感じがする
でも
たぶん気のせい

あなたの後を追った
知らない場所で見かけたから
わたしの知らないあなたを
突然見つけたような気がしたから
 ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
ネットはたまに嫌なこともあるけど、
自分の知らないいいことを顕在化してくれる。

ネットは匿名で悪口を言えたりするけど、
普段言いにくいことをいつもより気軽に言えたりする。

いい ....
?.

あなたを
あなたのすてきなところを

一日
大切にする

あなたを
あなたの汚れたところを

裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
もうゆっくり眠りなさいと言う
街は密やかに優しい

まだ眠れないと私は言う
夜は美しく時間を鳴らす


開き切った魂の赤い色は
誰の為にでもなく其処に在る

濡れる者渇く者が
同 ....
夜毎に月の灯りが街を照らすと
君の世界への入り口を探す

僕の世界は六角で
君の世界は八角なので
どうもうまく重なれない

僕らは半透明のカーテンで区切られた部屋の両側で
お互い影絵を ....
 たとえば真夜中に、テーブルの上で
作りかけのパズルを再開する老人のように、
未完成であることだけが唯一の完成形であると
―仮定できないだろうか?
オーディオから流れている夜想曲を。
棚を埋 ....
はじめまして
しょっかくもどきです
むしのあたまにはないけれど
さんねんめになります
ネコをみるのがとくいです
どこまでつづいているのか
ときどきふしぎになります
こんなわたしですが
 ....
  

不思議な人が
一億個の不可思議を抱え
目の前でにっこり笑った

さて
僕は何から始めようか



おはよう おはよう
僕は君にとっての
不可思議のひとつでいい

 ....
渋茶と一緒に供する三時のおやつ

羊羹が出てくるとなんとなく胸が痛んだ

歯の裏に引っ付いてくる粘着性
苦みを感じてしまう程の甘さ
綿々と続く伝統の重さ
洋菓子が醸し出す空気たっぷり ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
いつしか子どもたちは
走り方を忘れていった
いつしか大人たちも
走らせ方を忘れていった

走ることの大切さよりも
走ることの危険さが
叫ばれるようになった
走ることによって
強くなっ ....
あおばさんのおすすめリスト(15330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
切られた枝- 佩慈の工 ...短歌406-9-27
- AB(な ...未詩・独白706-9-27
*なかったはずの*- かおる自由詩7*06-9-27
おめでとう- 水在らあ ...自由詩29*06-9-27
なかったはずの- たもつ自由詩1306-9-26
最終行まで- 岡部淳太 ...自由詩14*06-9-26
プラスマイナス- 佩慈の工 ...短歌106-9-26
百合の葬- umineko自由詩15*06-9-26
flower_〜地上波の花〜- umineko散文(批評 ...3*06-9-25
なかったはずの- AB(な ...自由詩406-9-24
*無量大数*- かおる自由詩16*06-9-24
夜の街灯- チアーヌ自由詩906-9-24
おいど- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-9-24
ミルクコーヒー- 結城 森 ...自由詩4*06-9-24
はじめの一歩_〜鎌倉の寺にて〜- 服部 剛自由詩8*06-9-23
天使祝詞_ウリエル- The Boys On ...自由詩5*06-9-23
同じ目- たもつ自由詩23*06-9-23
- たもつ自由詩1306-9-22
道祖神- チアーヌ自由詩106-9-22
遠雷- 嘉村奈緒自由詩1306-9-21
詩をほわほわ投稿する理由について(diary)- とうどう ...散文(批評 ...28*06-9-19
あなた- 水在らあ ...自由詩76+*06-9-19
- 松本 涼自由詩306-9-19
night_bug- マッドビ ...未詩・独白406-9-19
日々界隈、あるいはぼくらの- プテラノ ...自由詩9*06-9-18
ファザー・グース(5)- たもつ自由詩22*06-9-18
無量大数- AB(な ...自由詩706-9-17
*羊羹の裏*- かおる自由詩8*06-9-17
白の質量- umineko自由詩13*06-9-17
走り方を忘れた子どもたち- ぽえむ君自由詩12*06-9-17

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