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3・14から始まる円周率は
無限に続く

わたしが生まれた瞬間から
円周率を言い始めたとして
数十年を経た今も
それは言い終えられないことになる
そして、わたしがこの一生を閉じる ....
空を、ください

だれにも消せない
どこにも消えない
あの空を、

わたしだけの物には成り得なくても
わたしだけの物と覚えておけそうな
あの空を、


許さないでください ....
僕が空に明るくなったのは
君のため、です

僕が
空に溺れてしまうのも
君のため、です

もしも
君のいない僕ならば
どれだけ不幸で
どれだけ幸福だったことでしょう

 ....
頬をつたって
涙は

地面へ落ちる

落ちながら、砕ける、
落ちて、
砕ける、

その

砕けたしずくに映るのは
砕けた我が身に
あらず

砕けたしずくに映るのは ....
わたしの味方は誰だろうか、と
指折り数えて
早々に
ぴたりと
指は止まる

味方と信じて疑わない
あいつや
あいつが
まさか
本当のところは
敵意を抱いていまいか、と
 ....
雪をふらせる雲を
「ゆきぐも」と呼ぶのだ、と
あなたに教えられて
それが
すっかり
気に入ったので
つい独り言してしまう
「あれは雪雲だろうか」と
冬をうつした窓辺で

わ ....
ひょい、と
おまえを肩に乗せると
よりいっそう
にぎやかな
居間になる

わたしには
さほど高くない
いつも通りの目線だが
おまえにとっては
宇宙ほどの
高みであるのかも ....
きっと、
数えきれない罪のうえにある私だ

きっと、
その甚大さに耐えられる私だ

それゆえに、
概ね後ろめたいのが、私の「ありがとう」
差し伸べられた手の
ひとつひとつを
丁寧に断って
きた

そうしなければ
いつかの謀反が挫かれる
いつかの糾弾が挫かれる

差し伸べられた手の
ひとつひとつを
丁寧に ....
怪獣がすきだった

一生懸命に敗北へと向かう
その信念がすきだった

破壊される街も
逃げ惑う住民も
どうせフィクションだから
心配には及ばない

それなのに
怪獣の優勢が劣 ....
風を頼りに生きている
それは
揺るがず、歪まず、
だれから教えられることもなく
透明な命令として
継がれゆく

風を頼りに生きている
風がそれを望まなくても
わたしたちは
 ....
夏のおわりの
アスファルトのうえに
蜂がひとつ
死んでいた
もう、
怖くもなんともない有様で
蜂がひとつ
死んでいた

この蜂の持つ毒針は
柔肌に痛みと腫れをもたらすに十分で
 ....
対向車を運転する老婦人が
お辞儀をして直進していった

交差点で
右折待ちのわたしに
丁寧にお辞儀をしてくださった

法律上
直進が優先されるのだから
お辞儀など必要ない
 ....
わたしのなかには
百獣が在る

ねむれる獣とあらぶる獣
したがう獣といたわる獣

あなたのなかにも
百獣が在る

おびえる獣とひきいる獣
あてなき獣とみすかす獣

どこから ....
かぜが
黄色味を帯びてきたから
わたしは防衛じみて
厚着をはじめる

何処とはいえない確かな弱り火の
冷まされゆくのが
伝わりはじめる

決して消させやしないと
言葉を選べば選 ....
雨上がり、

濡れた小草は
雑多な列をなすけれど

それは
だれにも叱られない


わたしは
頭を垂れて

叱られない秩序たちを
踏みつけぬよう
気を配る


雨 ....
太陽の手に編まれゆく

野山も風も
岩肌も

一気に編まれる日があれば
やすみやすみ
覚えたての音階のように
編まれる日もある

太陽の手に編まれゆく

波間もひかりも
 ....
春になったら
冬は死んじゃうのって
おまえがあんまり悲しそうだから
ひとつ、翼をあげよう
冬とおんなじに
翼をあげよう

どこへでも渡っておいで
時が満ちるまで
空がめぐるま ....
さほど
離れてはいないところ、の夏

されど
懐かしさがにじみ始める、夏



夕暮れを
言葉で描いてみるけれど

この手に握る貧しさが
あらわになるだけ



 ....
夢、を
にぎり締めたつもりで
ひたすら走った

走るしかなかった



懸命に汗をかいたら
報われるのだ、と信じた



吹く風は
流れる汗を連れ去って
清々しい ....
たちのぼる
言葉と夜の境界へ
金魚がゆらり、にげてゆく

すべからく
広がりはじめる黒の祭に
あらがう手立ては
浅瀬にある

鮮やかで
にぎやかな
喪失のなかに
ある
 ....
ほんの
小指のつめほどの
ささやかな背に
滑らかに乗る
勤労の
まる

悠長に
せわしげに
その身に負わされた太陽の名を
あちらこちらへ
振りまいて
唐突に
発つ

 ....
ほたる、を一つ
いかがです

わずかに手もとが明らむほどの
灯りを欲していませんか



ほそぼそと
消え入りそうな日々でしたらば

懸命に
頑固さを貫きとおす日々でしたら ....
はるか一等星に
わたしは及ぶべくもない

けれどもそれは
かの一等星とて同じこと

わたしには
わたしだけにしか放てぬ光と影がある

かの一等星にはない
幸いと慎ましさがあ ....
その一滴を
くちびるに運んだならば

あなたもわたしも
同じ生きもの


潤いの程度に差はあれど

却ってそれが
証になる

あなたとわたしを
等しく結びつけられることの ....
愛を語るにふさわしい
距離がある

夢を語るにふさわしい
距離がある

それゆえ
あなたとわたしには肉体があって
ときどき、響き合う

過去も未来も現在も
その伝播のなか ....
月のひかりを浴びながら
つめたくなってゆく
花たちの夏

大樹の枝に
かぜは寄り添って
静かに通過してゆく

静かに
静かに
無かったことになる

命あるものの
頼りなさ ....
余韻とやらを味わいたくて
夜のいちばん明るいところばかりを
かぎ回っていた

浅薄な憧れはいつしか
秘めるべきものへ変わっていったのに
なぜだかそれは継承すべきものでもあるらしい

 ....
不器用なカラスも在るだろう
情け深いカラスも在るだろう

愛すべきカラスの在る
可能性を打ち払うがごとく
カラスという言葉の響きには
快さがない

こずるさ不潔さ忌々しさ

 ....
濡れそぼつ紫陽花を
傘の中から覗いたわたし

やがて
雨が上がれば
水滴さえも花にして
紫陽花は凛と
咲くのだろう

濡れることを厭うわたしは
濡れる役目を傘に負わせて
 ....
あおばさんの千波 一也さんおすすめリスト(175)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
円周率- 千波 一 ...自由詩516-6-19
空をください- 千波 一 ...自由詩716-6-6
過言でしょうか- 千波 一 ...自由詩216-2-5
砕けたしずく- 千波 一 ...自由詩315-12-8
すり替え- 千波 一 ...自由詩315-12-4
雪雲- 千波 一 ...自由詩715-11-30
肩車- 千波 一 ...自由詩1115-11-29
ありがとう- 千波 一 ...自由詩415-11-3
念のための武器- 千波 一 ...自由詩515-9-28
怪獣がすきだった- 千波 一 ...自由詩1315-9-20
風を頼りに- 千波 一 ...自由詩615-9-18
ささやかな羽音- 千波 一 ...自由詩515-9-11
優先- 千波 一 ...自由詩615-2-17
百獣- 千波 一 ...自由詩414-11-28
クール・ダウン- 千波 一 ...自由詩214-10-4
整然- 千波 一 ...自由詩514-10-1
紡ぎうた- 千波 一 ...自由詩614-9-29
冬の翼- 千波 一 ...自由詩814-9-23
長月にすむ- 千波 一 ...自由詩514-9-19
風をさがして- 千波 一 ...自由詩414-9-18
金魚- 千波 一 ...自由詩814-9-17
てんとう虫- 千波 一 ...自由詩1314-9-16
ほたる屋- 千波 一 ...自由詩614-8-29
はるか一等星- 千波 一 ...自由詩5+14-8-28
一蓮托生- 千波 一 ...自由詩414-8-27
あいだ- 千波 一 ...自由詩714-8-15
真珠- 千波 一 ...自由詩414-8-14
短夜- 千波 一 ...自由詩614-7-11
カラス- 千波 一 ...自由詩314-7-2
紫陽花- 千波 一 ...自由詩1114-6-29

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