三階のレストランの窓から見下ろした
木造の橋の向こうへ伸びる石畳の道をゆく
白い服を着た君の背中はだんだんと小さくなり
緑の木々の下に消えた

立ち尽くす僕は
次いつ会えるかもわからない
 ....
あれはいつのことだったか、間違いなく浮いていて、空。に、月の代わりに。ぼくらの夜はつややかな緑に照らされ、建物には鮮やかな縞模様の影ができる。アスファルトから植物が生えているようだった。自分がやさし .... 旅先の小倉のホテル十一階
レストランで朝食をとっていたら
目の前のガラスの向こうにゆらゆらと
緑に光るカナブンが飛んできて
ハムをくわえた僕をのぞいて降りてった

「 よくもまぁこんな高い ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
ぼくらのまちにほりえもんがやってきたよ。
いろんな冒険と計算を乗せて。
勝つためにやってくるんじゃなくて利用するためにやってくる。
それをわかってて加勢するやつ。
つまらない中傷でつぶ ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった

ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
消えたカラダを
拾い集めに
旅にでる


ゴミあさりして
錆びた鉄板を胴とすると
腹からピューピュースキマ風

コンクリートの下から
生えている草を指にすると
たよりなくふにゃり ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
母さん。


初めてぼくが笑ったのは、いつですか。


母さん。


ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
詩を書くこと
ばかり考えてる

谷川俊太郎のかげが
うしろにある
最近読んでいるのだ

こっそりと宇宙と
話した少年
または死について考える老人
詩人は少年と老人が同居する
と云 ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
ムーンライトながら号(注)の臨時電車に乗っていた。トイレの中で。持ってきた簡易椅子をトイレの横に組み立て、それに座った私は一人唸った。(まずい展開。)

ネットで検索している時点で、嫌な予感がして ....
夜が映画を観ながら泣いている
僕は声をかけようかどうか迷う
夜のことはよくわからない
「アポロ、死んじゃった」
としゃくりあげている

ロッキー4
かと思ったがプレデターだった

夜 ....
ふっ、
   ふっ、と、
        ふれてゆく。
静かすぎる夜に、
綿毛の意志を運んでゆく。
日にさらされて、
火にあぶられて、
またもやさえぎられて、油っぽい焦りだ。
ふう。
 ....
ゴッコ

お互いの足首につけた
紐をひっぱり合う遊び


ゴッコ

慎重さが足りずに
森の中に迷いこむ遊び


ゴッコ

僕の欠落した部分を
君が木の根元に隠す遊 ....
スパゲッティを茹でる日曜午後
鳴り響く玄関ベル、開かれるドア
宅配の青年は箱をひとつ手渡し「お届けものです」
差出人はない
質問をする間もなく機敏な動作でドアは閉じられる
去り際に「 ....
あたらしい朝がきた
希望の朝だ

夏休み3日目
寝ぼけた目をこすりながら
ラジオ体操

   喜びに胸をひらけ
   大空あおげ

  「おはようごさ ....
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
サハラ砂漠で夏眠中のカエルは
とてもつらい

遊牧民に掘り起こされ
厚い安らかな粘膜のシートを
乱暴にこじ開けられ
たっぷりと溜め込んだ皮膚の水分を
絞りとられるのだ

たいせつ ....
 甲府の観光案内所に置かれているチラシのなかにその絵はあった。沖縄風の少年とも少女ともつかぬ顔立ちの美しい横向きの人物像。服装や表題からは女性なのだろう。天野喜孝をさらにエロティックにしたような絵と言 .... 3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
まずは輪郭線を消すことから始めよう
となりの色にぐっと近寄って
どこまでが目で
どこまでが鼻で
どこまでが口か
わからなくなってきたら
どこまでが自分で
どこまでがあなたか
わ ....
頑丈なこころを
作っとこ

あの子から、待ちかねた連絡が来て
あんまりにも待ちかねていたもんだから
つい、嬉しそうな声、出した途端に
「ごめん忘れてた、やっぱダメだ」

それが、金曜の ....
か細いわらの詩人が
明るい月の下
カバと話した

「僕の詩を読んでくれよ。
これが僕の他愛ないけれど、
たった一度の人生なんだ」

カバは当惑しながら読もうとするのだけれど
ちんぷん ....
 集光器や地球儀が展示されている部屋の壁にデューラーの銅版画。『星図、南星天』はなんだかデューラーに対する私の今までのイメージをくつがえすかわいらしさ。『ネメシス』は顔が中年を過ぎたおばさんの顔で、体 .... あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
あかんぼ
胸にうづくまる

僕の同級生の女の子
が産んだんだ

その子を僕の母親
が抱いて笑っている

僕は31
子供はいない
頭がからまる

あかんぼいいな

僕が笑う ....
あおばさんのおすすめリスト(15330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「夢のひととき」- 服部 剛自由詩905-8-23
ウォーターメロン・ダイアリーズ- nm6自由詩14*05-8-23
虫の知らせ- 服部 剛自由詩205-8-23
めじるし- アンテ自由詩705-8-23
ほりえもんがやってくる- umineko未詩・独白9*05-8-23
水色の花- 大覚アキ ...自由詩505-8-22
秘密- たもつ自由詩1605-8-22
ブリキのひびき- 石川和広自由詩5*05-8-22
ロマンスカーの幽霊- チアーヌ自由詩25*05-8-22
Saudade.- 芳賀梨花 ...自由詩14*05-8-22
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すいか- たもつ自由詩20*05-8-21
ムーンライトながらノート- 渡邉建志散文(批評 ...1*05-8-21
アポロ- 投稿者自由詩4*05-8-21
夜、ふれてゆく。- 岡部淳太 ...自由詩9*05-8-20
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面倒くさい夏休み- 初代ドリ ...自由詩8*05-8-20
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透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
スキアシガエルの入定- The Boys On ...自由詩12*05-8-20
(ほぼ私的日記)〈美術館〉『竹中英太郎記念館』_2005/0 ...- 白糸雅樹散文(批評 ...3*05-8-20
ねじ式- クリ自由詩10*05-8-20
5限目は美術の時間- 牧村 空 ...自由詩5*05-8-20
ガムテ- うめバア自由詩405-8-20
上弦の月の下で- けんご自由詩9*05-8-19
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あまがえる- 白糸雅樹自由詩10*05-8-19
今日- 石川和広未詩・独白4*05-8-18

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