透明な夜空は
脳がものをみることを
なまけてしまった人が見ると
満点の星空なんて映し出す
本当は何もない
ただ地球は孤独なんだということを嘲笑う
真っ黒がそこにあるだけだ
そ ....
荒野では道がわかりません
ヒースの丘にのぼっても
海はみえません けれど
匂いたつ まぼろしをたどって
かならず行きます きみの家に
アナタは毒

ワタシの中で

ワタシを乱す


独りになると

とまらない震え
いつものように顔を洗って
出直してこいよなんて言われなくても
そんなことくらいわからないわけないんだよ
わかっててやってるんだから
君に会えなくなっても
君の夢くらい見たっていいじゃない ....
秋風は
空の彼方で
昼寝中
雷鳴にさめる
午睡の汗
天王寺動物園に
桜が咲いて
カラオケの音量が
最大になった日

僕たちはアポロの前で
待ち合わせた
どこに行く当てもなくの約束
ただ一緒にいたかったから

もっとたくさん、桜がみた ....
細胞の輪郭は
発熱に適した形なの ね
あなたの音源との距離感は
可笑しくて悲しいけれど
あなたの感覚器の滑稽な分離も
可笑しくて悲しいけれど
さらに 伝導にも適した形なの 
 ....
扉が 開いたらば
扉が 閉じた
そうして
扉が 閉じたらば
扉は 開かない


誰かのシャツの白の残像は 
どうして これほどに
光に還元されがちなのだろう
な ....
夏物の花柄が薫ったのは
パタパタと羽ばたくような助走の後
遊具を飛び越える、わたしの脚の発熱を
自由のきく緩さで包んで縛って守っていたから。
少女が、少女であれば少女あるほ ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う

疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール

ねえ
毒って、甘いんだってね


   *


追いかけられるの ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜

だから
ここにいるだけで
しあわせ

夏が終っても
君が胸を泳ぐから
 

クロール


息つぎをせずに
どこ ....
NIRVANAは
それほどニルヴァーナでもなく
仮想現実は
それほど現実でもない
ぼくが抱いてあげたいのは
もしくはあなたの曲線
アフリカとユーラシア大陸をつなぐ
もしくは
北アメリカ ....
昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって

久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
花ことば常に前進ガーベラよ
         夏の花だとおまえの笑う



すれ違う風の香りの優しさは
         コンマ二秒心留まり



夕闇に街のネオン瞬いて
    ....
 自動販売機の傍ら

 うずくまる人かと思えば

 ゴミ箱だった





TAXIは高いから 終電で帰るよ
それって私よりお金の方が大切って事?
違うよ ほら また明日会 ....
三階のレストランの窓から見下ろした
木造の橋の向こうへ伸びる石畳の道をゆく
白い服を着た君の背中はだんだんと小さくなり
緑の木々の下に消えた

立ち尽くす僕は
次いつ会えるかもわからない
 ....
あれはいつのことだったか、間違いなく浮いていて、空。に、月の代わりに。ぼくらの夜はつややかな緑に照らされ、建物には鮮やかな縞模様の影ができる。アスファルトから植物が生えているようだった。自分がやさし .... 旅先の小倉のホテル十一階
レストランで朝食をとっていたら
目の前のガラスの向こうにゆらゆらと
緑に光るカナブンが飛んできて
ハムをくわえた僕をのぞいて降りてった

「 よくもまぁこんな高い ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
ぼくらのまちにほりえもんがやってきたよ。
いろんな冒険と計算を乗せて。
勝つためにやってくるんじゃなくて利用するためにやってくる。
それをわかってて加勢するやつ。
つまらない中傷でつぶ ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった

ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
消えたカラダを
拾い集めに
旅にでる


ゴミあさりして
錆びた鉄板を胴とすると
腹からピューピュースキマ風

コンクリートの下から
生えている草を指にすると
たよりなくふにゃり ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
母さん。


初めてぼくが笑ったのは、いつですか。


母さん。


ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
詩を書くこと
ばかり考えてる

谷川俊太郎のかげが
うしろにある
最近読んでいるのだ

こっそりと宇宙と
話した少年
または死について考える老人
詩人は少年と老人が同居する
と云 ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
ムーンライトながら号(注)の臨時電車に乗っていた。トイレの中で。持ってきた簡易椅子をトイレの横に組み立て、それに座った私は一人唸った。(まずい展開。)

ネットで検索している時点で、嫌な予感がして ....
夜が映画を観ながら泣いている
僕は声をかけようかどうか迷う
夜のことはよくわからない
「アポロ、死んじゃった」
としゃくりあげている

ロッキー4
かと思ったがプレデターだった

夜 ....
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