それは
冬 限定の屋台

あたしの
生まれた
県北の街
深谷市西島の
母の実家の前に
現れる

夕食前の
薄腹の空いた時間

銭湯のまん前の
母の実家は
タバコ屋さん
 ....
 
 
長いものに巻かれている
とても柔らかな
マシュマロに腰を掛けて

呼吸に合わせて
長いものが少しうねる
今まで大切な人と
大切なお話をしていたはずなのに
もう残りものの空し ....
 雨が、雨の首長が、雨の葬列が、雲々とマンション群の順位を定めながら、一枚の焦げたパンの坂を軸にして、三枚の濡れたシャツの日付へと回転していき、神経の限りない深度を測定していた。それは傾き、音から音へ .... 比喩ってよくわかりませんけどだいだい次の二つに大別できると教えられています。

1.直喩 ・きみの脚は鹿のようにほそい
2.暗喩 ・きみの脚は鹿だ

この二つはよく目にする表現法です。
そ ....
気付かぬことと
気付けぬことは
何が 違うのでしょう

見抜く瞳と
背徳の瞳と
見過ごす瞳

思いやりの脚が
長く伸びた椅子に
ゆっくりと座ると

幾つもの 針が見えて
仕方 ....
* 大雪か どうか問われて 窓開ける

* 新しい ブーツ新調 しようかな

* 靴と足 水と寒さが 染み込むの

* システムが 謎の消雪パイプなの

* 不可解ね! 何? 時間なの ....
 
 
売店で夕刊を買った
読むこともなく畳んで
テーブルの上に置いた
翌日から連泊の出張だった
帰ると夕刊はまだ同じ場所で
同じ格好をしていた
古新聞の上に積んだ
年を重ねるごとに ....
遠い未来の2010年で
あのひとは手をふっている


おとなになっても
ちゃんとおぼえてるよ


みつからなかったけど
どこかにあるはずの
遠い未来の2010年に
わたしは両手を ....
わたしの内部で
薄明と薄暮とが 蒼く対流している
その中を 灰色の臓器のようなものが
古い記憶のように ゆっくりと上下する
夢で逢いましょう
夢で逢いましょう

だだっ広い駒場グラウンドの
野球場とラグビー場を区分けしている並木道
両側を生け垣とランダムに生えている並木
生えているのは桜の古木
ごつごつとした ....
 なにが有効な手なのか
 わからないままに
 かれは
 もう、とっくに
 地図に表記されていない場所にきていた

 音がない
 姿がない
 赤い血が
 ながれることのない ....
 
 
町の公民館に移動映画館が来た
視聴覚室の小さなスクリーンと
パイプ椅子で上映された
打算的な男と女の物語だった
適当なところで事件が発生し
男も女もよく舌打ちをした
飽きてし ....
久しぶりにあったJは
北の都市に住んでいるものとばかり
思っていたが

意外
都内の桟橋に車を止めた

???
はて
この先は海だ

と フェリーのような
車一台の乗る
船が ....
「らしくないね」「うん。」
ドラッグストアに行って今すぐサプリを物色したいんだけど、と電話をもらった。家に行った。ト―は廃材として売られていた小さな木片の詰め込まれたビニールを物色していた。「ドラッ ....
 
 
会社の電話が鳴る
受話器を取ると
雨音だけが聞こえる
すぐに父親からだとわかる
何の前触れもなく
そして何も話さないから
電話の時は昔からそう
ずっとそう

受話器から漏 ....
11才のあたしが
いちばん 大人だった

小学校高学年から
ずっと図書委員
本の虫

自習の国語の教材
全文書き取りが大好き

指が痛くなるほど
書いた 書いた
書き写した
 ....
わたしが動かなくても
雲は西へと流れてゆく

わたしが動かなくても
みつばちは花を求め
8の字に旋回する

わたしが動かなくても
大地はわたしを乗せて
星の周りを回り続ける

わ ....
止まったままの 時がある
針が曲がってベルトをなくした
金時計の中に
とどまっている

休まず刻んだ針が
不意に歩みを止めた
大地の奥深くから轟音が猛然と駆け上がり
アス ....
 
 
列車も停まらないような
ホームの一番端でひとり
ご飯を食べている
ちゃぶ台は誰かが置いていってくれた
多分、親切な人なのだと思う

納豆や根菜類の煮物など
好きなおかずを並べ ....
 「返事」


太陽に声をかけても
一向に返事は返ってこない
取り巻きの雲が
覆い隠して
自問自答の老木が揺れる


 「返事」

孤独な問いに
枝にぶら下が ....
異常気象の年の冬
街に米が降った
街と言っても
そこはかつて
田んぼだったから
不思議なことではなかった

スコップで
米を側溝に流しながら
街の人々は言う

この降 ....
「おつかれさま」
数日前は、ぎすぎすしていた人に 
ひとこと言って、お茶を置いた 

「あら、はじめてねぇ」 
その人は大事そうに 
両手で湯呑みを包んだ 

一日、隣で働けば 
自 ....
ミシシッピーの船着き場よりも

遠くへ


出せなかった手紙の宛先よりも

遠くへ


イチローの安打よりも

遠くへ


国境線の結び目よりも

遠くへ


 ....
カシオペアってどれだろう
懐かしい北斗七星は何処だろう
オリオンの一角も捉え得ぬ眼球は
地面に転がって冷えている
でも、宇宙はもっと寒いんだよ

?昭和の音?という玩具がある
夕景のフィ ....
日々の感情の起伏を
記す


文学なら 直木賞
式部より 冬はつとめて
鎌倉時代 かな文字で
経を説いた 高僧
小説を書きたくて
画家と同居してしまう
宇野千代


一瞬で  ....
琥珀色のサウンドトラックが、
頭蓋骨の内側を濡らしていく
すっかり皺が減り、ツルンとした私の大脳皮質


鼓膜までねじこむイヤホンや
タイムラインを流れる電子文字で
刻まれたものが薄れ、 ....
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

* ちょこなんと おめでたい場に 小豆粥

小正月の朝、食卓に昇るとは
知らなかった

調べてみると 文字通り 
 ....
雪だ
雪だ
窓いっぱいに
あふれるように
こなゆきは舞う

一心不乱だ
目的もなく
それが
私の恋だったのに

誰かのことばを気にしている
失う事実に揺らいでいる

雪だ
 ....
{引用=
人間ではないアイロンは
居心地が悪かった
風景の中に
うまくなじむことができず
いつも悩んでいた
口がないので
硬く言葉を閉ざして
じぶんのくるしみを
表現することが
で ....
三年は居ると思ったのに一年で帰ってきて

高校を卒業して都会で寮生活をしながら働いて
帰りたくて故郷に帰ったけど 親は怒った

だからお前には無理だから行くなと言ったのに
どこまでも行くと ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
屋台- 森の猫自由詩18*11-2-5
戸惑い- たもつ自由詩511-2-5
大洪水- 葉leaf自由詩511-2-5
「虚喩」ってなんだろ- 紙飛行機散文(批評 ...16*11-2-4
納豆- 藤鈴呼自由詩2*11-2-3
ブーツ- 藤鈴呼自由詩2*11-2-1
ラブソング- たもつ自由詩411-2-1
遠い未来- 因子自由詩2*11-2-1
- 塔野夏子自由詩4*11-1-29
夢を見ましょう- ……とあ ...自由詩8*11-1-28
パカッと割れた苦悩なんかない- 石川敬大自由詩17*11-1-28
舌打ち- たもつ自由詩511-1-27
水中都市- 森の猫自由詩5*11-1-26
洗剤コーナー- 榊 慧散文(批評 ...3*11-1-25
受話器の雨- たもつ自由詩1011-1-25
逆走- 森の猫自由詩8+*11-1-25
わたしが動かなくても- 佐倉 潮自由詩311-1-24
なゐ- yumekyo自由詩1011-1-24
お代り- たもつ自由詩2011-1-23
返事- 乱太郎自由詩23*11-1-21
愚かな農園- 小川 葉自由詩5*11-1-21
お茶の効用_- 服部 剛自由詩311-1-20
遠くへ- 佐倉 潮自由詩311-1-20
懐古する自動人形- salco自由詩30*11-1-19
めざすもの- 森の猫自由詩6*11-1-19
Days_of_Wine_and_Roses- 渡 ひろ ...自由詩20*11-1-19
小豆粥- 藤鈴呼自由詩3*11-1-19
ゆきしるべ- umineko自由詩8*11-1-19
人間ではないアイロン- 真島正人自由詩7*11-1-16
十九歳- 砂木自由詩23*11-1-16

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