ひきだしのおくから
あなごりょうりのみせの
チラシをみつけた

いつかちちを
つれていきたくてとっていた
チラシだった

あなごが
すきかきらいかなんて
かまわなかった ....
地中深くに根差した
大きな球根のような欲望と
その真上の中空に漂う
ふわふわふわふわした
空中クラゲのような希望
地上に生えた剥き出しの古木の幹に
粘菌のようにへばり付いた渇望が
すべて ....
写真とは
干乾びた
製造工場の正門の
錆びたポストに居つく手紙の重さで
天を劈く煙突の
かたちを得たけむりが笑っているようなもの
めくれば
白い鍵穴もかすむ季節に
「どこにもいけない」 ....
二十数年ぶりに見た
人の骨は

白く
しっかりとしていた

ついさっきまで
人として
形をなしていたものが

手術台の半分くらいの
てらてらした 
金属板の上にある

寿命 ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり

その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり

そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
 じゃあ、と言って立ちあがった。帰りがけに後ろで、短く息を吸う音がした。そういう癖があることを、わたしは知っている。ずっと前から。もうひとこと言おうとして、何も言えないのだ。
 それに気付いて、振り ....
 
 
一番星、と空を指差したきみ
その方向を見て
ほんとうだ、と言ったぼく

でもね、あれは嘘だったんだ
見つけられなかったんだよ
だって眼鏡の度が進んでいて
きみの指先を探すだけ ....
autos
の、暗い
神から
分離された、半分の
もの、くだけたものが
結集して、

きみが口に
する、これは
きみの身体である、雪に
覆われた、潜み
きのうパパに捨てられた焼鳥弁当の
とむらいはどうしたらいいかしら
丸いっぽん残っていたつくねのぶんの
とむらいはどうしたらいいかしら

わたしはつくねのとむらいに
いったいどれだけのつくね ....
年が明けたあさ
目を覚ますと目の前に
水のたっぷり染み込んだぞうきんが
そばの油揚げみたいに旨そうな姿で置いてある

これは床でも拭けということかと
年末の大掃除のようにぞうきんを手にとり ....
ものすごく頭のいい馬だった、と聞く。
スパルタで有名だった厩舎の調教をしっかりこなすだけでなく、インターバル、クールダウンまで、調教助手の指示に従って粛々と行ったというのだから、只者ではない。だから ....
無限の世界が流れていくのを知る。無限の何でもない世界がただ淡々と流れていく。日本の宇宙開発は成功だったのだろうかと思わされる。金星の軌道に乗せられなかった探査機に関しての失敗談が説き伏せられている .... {引用=
先が尖っているので
さらに研ぎ澄ませて
接続しろ
差込口は
広げておけ
僕たちは
友達だ
だから
君の肌が冷たくないように
心まで閉じてしまわぬように
先は
氷に浸し ....
やせることにしました
夜も昼も
私の体は、重たい気がします

持っているものも これから
持とうとするものも 少しばかり多すぎるから

知らぬ間に
体にたまった/たまる澱は、いつまでも ....
うらんでうらんで
狭い部屋の中で
泥の中のへびみたいに
うねうねぐろぐろ暴れていた

思い切って出た外で
えい と手を伸ばした先が

あおい 空にいきあたる

静かに広がる薄い雲は ....
よぶ声のかなたに響くまなざしにあけゆく空の眩しさをみる


尖端の白きをつかみ撫でまわす手くびの技に鐘なり響く


空白をうめるが如く手を合わす かじかむ指にからむ願いを
コンテンポラリーダンスの舞台で描かれた
ゴーギャンの半生
鮮やかな身体表現で再現された彼の代表作

われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか

鬼気迫るダンス ....
太陽が沈みゆく頃
丘の上を列車が走るよ
車窓は連なる光の隊列

キラキラと一筋に流れ
まるで夕暮れジッパー

閉じ合わせてゆくのは
夕照りの橙と大地の黒

きっとあの車掌さんは
 ....
目覚めると雪だった
こんもりと雪だった
綺麗事の通じない相手に
ただ立ち尽くした

計算も練習もまだしていなかったのに
うかつな私をみずに降り続いた

山肌は黒白く
うろこのようだっ ....
雪に沈んだ境界を越え
ひとつの足跡が響いている
野と原を野と原へつなぎながら
冬のむらさきは照らされてゆく


ひもとかれ
ただそのままの土が冷え
空へ 息を吹きかける ....
大きな森の
地面に降りた
耳をすますと
聴こえるのは新しい年の風

さて、街の写真館では
カメラが売られていた
フィルムもそのまま
何が写っているのかは
謎のまま

さて、飛行機 ....
 
 
つまがとなりで
ねている

ときには
いとしくてだきしめて
にくらしくてせをむけて

つまがとなりで
ねている

そのどちらでもない
よるも
 
 
次女を産んだ 赤十字病院は
母子同室だった

その日は 満月で
ベビーラッシュ

   土屋さんは もう大丈夫よね

そう 看護士に言われて

まんまるの目の大きな新生児は
半日 ....
子猫を抱き上げるような眼差しで
この街を歩く人は少ない

真剣に生きようとする人の眼光は鋭く
何かを諦めたような人の眼は暗い

そんな視線が複雑に交差しているのを
私の視線は知らずに追い ....
武蔵野を行く快速電車
僕の正面のシートに
座る柔らかな君
君が頬ばる、クリームパンの
甘い香りに誘われて
僕の視線は君の口元に
紅をひいた唇に囲まれ
齧られ押し出され
唇の横にへばり付 ....
アイスバーンの空の上
地球では 氷河期の 真っ最中

僕たちは 体が大きいだけで
神経は 細かく出来上がっているんだ

だから そんなに いじめないで下さい神様

僕たちだって 絶滅す ....
キメラのようなポインセチア
街が赤と緑に埋めつくされる
寒さにも打ち勝ってしまうような
人々の嬉々とした振る舞い

流れている音楽
この季節になると
ヘビーローテーション
年々感動は薄 ....
 
 
ふっとみえたのは
あしでした

あしいがいになにもない
わたしでした

うさぎにうまれ
うさぎとしていきていた
わたしでした

たしかなことはしりません
ことばより
 ....
ひとはみな
死を まとって 生きている

生まれ 出でた
その日から

生を 全うした もののみが
宇宙へと 溶けこみ
次の生へと 流れていく

死をまとい 迷い まとい
今日も ....
日のひかりをそそがれて 
開いた花を摘み 
掌にのせたら 
私の顔も、咲いてきた。 
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