竹の生い茂る中を歩く
辺りは暗い
竹の脇に燈籠がともる
燈籠の火が揺れる
火の玉のように泳ぐ
竹の葉が騒ぐ
そういえばここは海の底

麦畑に迷い込む
誰も捕まえに来ない
立ち止まっ ....
月のひかりは
黄金めいて降りそそぐ

それは
太陽なくして
成り立たないことだけれど
うそぶき加減が身に優しくて
わたしはつかのま
あしたの重みを
脱ぎ捨てる


思え ....
首のつけね
吸い込んだ
くうきに
想像する
わたしは
かすみのかかった記憶に
繋げたがってる
かみさま
、あなたの
なまえをくちに含むのは
あんがいにも
たやすいこと
なの、か ....
静かの海に来る前に、晴れの海に寄ったんだ
月の海、そうこの大きな穴ぼこ、クレーターは月の内部から湧き出してきた溶岩で覆われている
僕の銀色の船についている小さな窓からのぞいていると
ちょうど灰色 ....
でもそれは、
あ、という言葉ともつぶやきとも知れない
といきするしろいすいじょうきの
連結に
わたしは路上をしゅぽしゅぽと
滑走する

屋根つもる
雪たちに挨拶する
敬礼をびしっとか ....
私は東京の人になった
東京の人は傘をさす

おちてくるものから身をかくし
熱の拡散を厭うている



私は東京の人になった
どこへ行ってもだいたい
東京の人だと思っていたが
ここ ....
鼻の曲がった顔や 
頭から花の咲いた顔や 
横並びに展示された様々な顔達は 
新時代のモヤイ像

小さいギャラリーにふらりと 
立ち寄った僕を、和ませる 

{ルビ硝子=ガラス}の石の ....
ニコライ堂の鐘楼に
大きな黒い月が重なって見える夜
空気は鋭角の厳しさをもって
僕を立ち位置から取り除こうと
鈍くて黒い月光りが刺す。

ニコライ堂の裏を降りて行く坂の途中で
首の長 ....
 
 
モナリザは
あらゆる角度から
私たちを見ていた

美術の時間
絵の上手下手に関わらず
私たちが絵を書いてるその時も
わけへだてなく
等しい目で

廃校になった校舎の
 ....
佐鳴湖公園を散歩する
背の高い街路樹がカーブを描く
一点透視で並んでいく

それは、メタセコイヤ
杉科の樹で化石にもなるほど昔から、
変わらぬ形をしているのだという
背は、20mほどになろう
何十本 ....
きみのひらがなにぼくの声を重ねて
地層みたいなしま模様になって
それはありふれたメロディーで
すき間にもぐりこむ小さな虫ですら
小気味良いアクセントにしかならなくて


さっき港を出発し ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している

私たちは
あなたと同じ
かなしみがわかるのだと
言葉にして語っている
ほんとうは
正反対の姿で ....
小さな毛糸の手袋が片一方、
橋の袂に落ちていた

どんな子が落としていったのか

いやそれとも

こんなに小さな手を守ろうと
優しさが形を成して包み込んだのは

私の手ではなかった ....
             君に会わせたい奴がいる

             泣いていたんだ
             ぼろぼろ泣いていたんだ
             涙がぽろりとこぼれたわ ....
君に、言えずにいる言葉がある
と、僕は思っている思っているけれど、
言えずにいる言葉が何かを忘れている

ホチキスは、どこにあるのだろう
動物の名前だったような気がする

君が留めようとしている紙束 ....
ゆうえんちと呼ばれる公園で
片足だけ長靴でいるような、心細ささ
少年、と、声をかければ
それが、少年だったのかも曖昧になる

雨の夜、街灯の下、秒針のない時計
錆びついたトタン、くすぐりのような失敗 ....
夜を走る電車
十五両編成の最後尾
ゆっくり居眠りしようと
乗り込んで席を確保した
はずだったのに
次の駅から
スノーボードと思しき
荷物を抱えて乗り込んできた
二十代前半の女性が
暫 ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって

地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって

てっぺんは尖がってて
おっと ....
親指の付け根で床を知り、ゆっくりと、土踏まずから踵へと移動しながら床に触れてゆく
一足、一足。
その間隔は短い
少しずつ、床を確かめる
一瞬、床に顔が映った気がした

中空に手を突き刺すが ....
*化石

ならない電話をのみこんで
渦まくコードの
耳から漏れる
おとのかたまりを見つめてた。


*氷菓

たて波の断面のように
歯こぼれしていた、
底冷えのあさ
薄切りの ....
もし(ほんとうの時空間)を 
生きるという選択をするなら 

手にした木刀で 
目の前の暗闇を、斬る 
盲目の侍と、ならねばなるまい。    
新たな自己を、生み出すことは 
卵を産む、自らの母になる事。 

今こそ、明日へと 
踏み出すべき足元を、視る。 

何者かが引いていった 
一本の線の、その先へ。 
雪や氷柱(つらら)や霜柱
たくさん積んだ荷馬車を曳いて
二月の親父がやってくる。

その音聞こえぬ ふりをして
年が変わったと大騒ぎ
嫌なこと できれば忘れよう
初めの一〇日は騒いでいる ....
冷たいゆびで
摘まんだ雪は
わずかにかなしい方へと傾斜し
山裾の町は
湖の名前で呼ぶと
青い空の下で黙って
わたしの声を聞いている


凍った坂の途中から
見渡すと
連なる峰の稜 ....
 
 
上り列車の中を
下り列車が通過していく
線路脇の草むらでは
無縁仏となった墓石が
角を丸くし
魂と呼ばれるものの多くは
眠たい真昼の
些細な手違い
ひと夏を
鳴くことで生 ....
 ―離して

耳のツンと立った黒い子犬は
首に腕が回されるたび吠えた

 ―僕がいると
  余計に泣かしてしまうから

犬小屋が空っぽになるのを恐れ
子犬の声まで鎖をかけられていた
 ....
 その日は午後一時三十分に出頭しなさいというファクシミリが届いていたので、僕は飼猫の黒猫の代わりに裁判所に出頭することになっていました。僕は電車を五回も乗り継いで裁判所のある駅に到着しました。そして、 .... (どうして目を伏せるの
 私のリリィ
 どうして泣いていたの
 私のリリィ
 ガラスが曇ってキラキラ綺麗だよ)

(どうして立ち止まるの
 私のリリィ
 なぜ描かないの
 可愛いリリ ....
あきれるくらいに騒がしい日々

今日もだるい体を無理矢理起こした

歴史の教科書は重くて

過去の寸劇をかきしるしていた

落とし穴を掘っては自分がはまるのを繰り返していた

更新 ....
              他の誰かが言ったなら
              あまりのクサさに
              気絶してしまうことや
         
              ....
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