きはひとりでは
きになれないことを
しっている

だから
もりになった

さみしいなんて
ことばもしらずに
黒塗りの車を目にすると
自然と 厳かな気持ちに成る

心が きゅっ と 引き締まるような
一瞬 苦しくなるような 感情

磨き上げられたボディー
運転手は 白い手袋

長いリムジンか ....
星明かりの駅が
ひとつずつ滲んでゆく

瞳は
乾いてなどいない
まったく逆だ

夜から
いちばん遠いところが
すべてを飲み込み
夜を生むための
夜になる

そこに
ある ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
腰から
あなたの右足が
つきだしているから
歩くときには
きまってふらふらとする
電車では
みなが嫌な顔をする
あなたの右足以外の部分は
どこにいってしまったか
知らない
キスをす ....
 
 
窓ふきをしていたはずなのに 
気がつくと父の背中を流している 
こうしてもらうなんて何年ぶりだろう 
父が嬉しそうに言う 
十五年ぶりくらいじゃないかな
僕が答える
父の狭い背 ....
 
  
遊園地に「回転しない木馬」があった
妻と娘が乗り
僕が写真を撮ることになった
バーにおつかまりください
というアナウンスの後にブザーが鳴り
回転しない木馬が
回転し始めなかっ ....
やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと ....
てのひらに
乗らずじまいの鳥でした

だから
わたしを探すなら
むこうの風の
枝あたり

落ちるともなく
揺られ続ける
木の葉の
ような

ささやかに
確信めいた一枚の ....
表と裏から
挟み込んで サンドイッチ
そんなゲームが 有ったような

手つなぎ鬼は
一人じゃあ 出来ないの

缶蹴りの 準備くらいなら
あの 自動販売機の前で

カランと音させてか ....
いま、立方体の中で手足を折り曲げている
きっちり蓋を閉めて 一分の隙もないように
それでもはみ出しまう「私」が漏れ出て
側面を綴りながら、ゆっくり滴っていく


シジン、と名乗っているうち ....
午後の大きな顔が公道の真ん中を通ってずんずんこちらに迫ってくる。何の躊躇も無いその目の色は鳶色だ。逃げ出すことも無く同じ方向に歩きだす。その顔は側面から夕日を受け端正な顔が陰を作って歪み出した。夕日は .... この地球を彫り上げる彫刻家と
話をする機会があった

「初めまして。僕は日の光のように形を持たないのですが、日の光のように、物の形を影として作り上げます。ですが僕が作り上げるのは影です。影は光を ....
彼女は困ったように笑う
道化の僕は困ってしまう
声をたてて笑えばいいのに
必ず彼女は眉尻を下げて
困ったように笑う

どうしてそんなに
困った顔で笑うのかと問えば
人の心を傷つけるから ....
つき立てたスプーンは
さながら銀嶺

氷寒は、あまい
あまくて
ぬくい


だれかの失くした王冠と
つとめてしずかな
舌鼓


ありふれた脱ぎ捨て方で
癒しのすべが
 ....
バス停に佇むやじろべえがいます

いくらバスがやってきても乗ろうとせず

バス運転手たちの間では有名な話です

水族館にマンタばかりを眺めているやじろべえがいます

あまり手を大きく広 ....
 
 
紙を飛行機にして
窓から飛ばす
しばらくして
砂漠に不時着する
近くでは
砂場と間違えて迷い込んだ男の子が
砂遊びをしている
こんなに集めたよ
振り返って
砂でいっぱいに ....
セルロイドの花が咲いている
背景のない淡い闇のなか

赤い花も緑の茎も葉も
ツルンとしていて

それなのに/だからこそ
異様な存在感を放っている

それを見ている僕にも
背景のない ....
 

ふるふるあめふる火花ふる

鉄の炉端の熔接の

ばちばち火花のあめふるを

がらすの傘さし散歩する


ねこはあめふりいやがって

わたしの肩からはなれない


 ....
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり 
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし

B 
独りきりの夜 ちいさく もりの ....
かきのきをみて
かきのきだとおもってる

ひとをみて
ひとだとおもってる

かきのきからみたら
ひとはひと

ひとからみたら
かきのきはかきのき

なまえもなく
 ....
草原をバトルフィールドに見立て
匍匐前進が一時間以上続いている
周囲から仲間たちの気配も薄まり
冷たい月と数えきれない星々の下

体重の半分近い装備を背負い
身長ほどの銃身を両腕で抱え
 ....
むらさき色に
宇宙がのびていくのを
見た

小さな
わたしの夕暮れ


家々の窓には
サーモンピンクが
反射して

遡上の川を
わたしは想う


街灯がともるには
 ....
 
 
歩いていた犬が棒に当たったころ
風が吹いて桶屋は儲かっていた 
僕は爪に火をともしながら 
石の上で三年間 
糠に釘を打ち続けたのだった 

壁には耳があった 
障子には目が ....
今夜も、仕事から帰った家で 
待っていてくれた嫁さんの 
台所で、とんとん
野菜を刻む音がする  

僕の安月給でやりくりする 
我家の食卓 
  
昨日炒めた野菜の残りでつくった
 ....
 

私は一匹の蜂

細長い巣穴で目を覚まし

風吹く際(きわ)へ這い出して


私は一匹の蜂

見上げる空は泥塗り付けたように

青く清げ(きよげ)に澄んでいる


 ....
 
 
朝の涼しい職員室で
担任の先生が亡くなっていた
若い女の先生だった
青白い横顔が見えた
海のように
とてもきれいだった
話は変わって
雲には感情がないと思う
感情があったら ....
両親の法事にも出ず/確定申告
何ができる/何もできない
電車は相変わらず/余震の陰に沈んでいる。
空は青空/心は鈍色
地震は嫌いだ/自信家はもっと嫌いだ
安全が第1/完全が第1
落ち着かな ....
今何歳だっけ。
今は平成何年だっけ。
今日は何月だっけ。
約束は何日だったっけ。

何でもいいか。もういいか。

家族って最後の砦だと思います。
そこに帰れない私は崖っぷちですね。
 ....
静けさから始まる
一つの音、二つ目の音、三つ目の音、
旅、重なる、わをんの音、重なる、
黒い穴から吸い、引き上げられるように
そして男の声、ロボのような人の
そして女の声、それもまたロボのよ ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 小川 葉自由詩811-10-21
黒い車- 藤鈴呼自由詩3*11-10-20
水底- 千波 一 ...自由詩6*11-10-20
鉄棒- ……とあ ...自由詩1211-10-20
斜陽- イシダユ ...自由詩1011-10-19
窓ふき- たもつ自由詩10*11-10-19
回転しない木馬- たもつ自由詩1711-10-18
きみの名は- 橘あまね自由詩2111-10-18
枯葉- 千波 一 ...自由詩3*11-10-17
孤独なサンドイッチ- 藤鈴呼自由詩7+*11-10-17
立方体- 渡 ひろ ...自由詩29+*11-10-17
顔_初級編- ……とあ ...自由詩6*11-10-17
彫刻家- 葉leaf自由詩4*11-10-17
道化の盗んだ物- 相差 遠 ...自由詩6*11-10-17
モンブラン- 千波 一 ...自由詩7*11-10-16
やじろべえ- 灰泥軽茶自由詩5*11-10-16
不時着- たもつ自由詩811-10-16
セルロイド- kauz ...自由詩4*11-10-15
あめふり火ふり- mortalis自由詩511-10-15
エコーズ- るるりら自由詩20*11-10-15
柿の木- 小川 葉自由詩311-10-14
星月夜- カワグチ ...自由詩411-10-14
わたしの夕暮れ- 千波 一 ...自由詩8*11-10-14
オリ非ナル- たもつ自由詩711-10-14
残りもの家族_- 服部 剛自由詩1211-10-13
- mortalis自由詩211-10-13
雲の話- たもつ自由詩811-10-13
苦境- ……とあ ...自由詩6*11-10-13
[22歳]- 東雲 李 ...自由詩3*11-10-13
テキストガイドライン_『_変形_』- 狩心自由詩3*11-10-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512