視線の爪を切りながら
空を横切るむらさきの溝
曇にも屋根にも放たれる
音より遅い花火たちの粉


うつろな器の重さに驚き
なかのものをこぼしてしまう
姿の無い痺れを ....
「あ」と
「い」の間に
それが存在すると仮定して
そこにきみの姿を描いてみる

知らないから知りたくなる
知ってしまうと見たくなる
見てしまうと触れたくなる
触れてしまうと手に入れた ....
見えない電話に 
がなり立てていた誰かが
電話を失くして泣き叫んでいた


見えない犬を蹴りつけ
引きずりまわしていた誰かが
犬に逃げられ 泣き叫んでいた

 ....
いついつまでに、なになにを

どこどこいって、だれだれと

なぜなぜときき、どうしても

 いつもこうやって生まれる
  いつもこうやって生まれてくる

いついつまでに、なになに ....
日常のこと、妻の思考

僕がPCの前に座ってこうして何かを書いている時、
大体妻は横のソファで読書をしている。妻とは本の
趣味が壊滅的に合わないので互いの趣向を批判する
ことはないけれど、読 ....
木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

 ....
投票が終わって家に帰った
家に帰って
冷めた朝の味噌汁に火をつけた
火のついたように連呼される
統一地方選挙の候補者の名がもう聞こえなくなったので
冷たくなった朝の味噌汁に火をつけた

 ....
時が経っても たぶんきみはきみのままで
あたしは ラッシュの人波に流されて溺れて
年老いた患者の愚痴を聞きながら
磨り減って 川下の石みたいに 丸くなる


そうして彩色されていく
 ....
こわい話を聞く
お姉ちゃんの手を握る
水浸しの夜のような話に
手のなかのお姉ちゃんが
喉を鳴らす。

姉がいなくなった日
そんな話があった
僕は何事かを書きたくなる
良い物語は一 ....
朝靄の中
白い影が一歩また一歩
呟く声の方向は
白い視界の中の山脈
吹雪いている心の中の
一線の黒い帯赤い線

ほんの三ヶ月前には
仄かな暖かさのため
身を寄せ合って生きてきた
そ ....
草原にはいつも雨が溢れている。草原は強く風を受けるから魚のようにビッチビッチと手招きをする。傘なんかさすと一斉に喜んでビッチビッチとお腹まで吹かれ耳障りなほど銀色に光る。男の人が入り込んでしま .... 聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
今日は
風がお休みだから
空気がのんびりしている

日向ぼっこをしている庭を
転げまわる
子どもたちが
僕の人生の
すべてになる

老いるのも
成長するのも
同じ時の流れ
【 流石の沢蟹】


沢蟹は、歩く
沢を 歩く
さわさわとした沢を歩く

沢蟹も 花見をする
タンポポの花が 咲いている
その花弁を
器用に 切り取り
 ....
およそ文芸である以上読者がいて、個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。

詩として

C42 サンフランシスコブ ....
にれは祠に奉られていた
遠い昔の話だけれど
少なくとも言い伝えられるだけの
価値があったのだとはるは言った

ことばの少ない子どもだった
幼い頃から空を見上げてばかりで
地上 ....
            |           
            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     ....
てのひらからこぼれるままに
ことばを拾う
忘れていた物の色やかたち
あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く
なつかしい風景に返すためにあたためる

星々をめぐる
それは散在する島々のよう ....
そろそろ
おいとまをしようか
たくさんご馳走になったし
ずいぶんと愉快に笑った
これ以上長居をすると
ますます帰りづらくなる
それに遠慮がなくなって
無礼なこともしてしまいそう
今なら ....
しんをちょうせつして
つつをもちあげて
すこしだけすきまをあけて
まっちでひをつけて
しめるとどうじに
まっちをふってひをけす
ごっごっ と
おとをたてて
かなあみまでひがのびて
あ ....
横浜・野毛の老舗「村田屋」の座敷にて
鰯丼の傍らに、置いた
味噌汁の真ん中に
豆腐がひとつ、浮いている

(天井のらんぷを、小さく映し)

澱んだ味噌汁の、只中に
くっきりと、立体的に ....
俺は、風を探している。
退屈極まり無い日々を
ぶおおおうっと一掃する、一陣の風を。

――それは、生きてる本を
  開いた頁のすき間から、吹き
――それは、熱いライブを
  終えた無人の ....
平行線がモニターに表れて

力の抜けた父の身体は

関節を失った人形のように

母の腕の中で横たわる。

(星がいつもより余計に輝いて、ファミリーワゴンの屋根が強く反射していた。)
 ....
客席の端に座り

マイクの前に立つ声を聞きながら

抱きしめられない寂しさでうつむいている。

「去年の今頃は、あなたのことを知らなかった・・・・。」

聞き馴れた音楽が流れ

そ ....
とうめい が
好きですよ

漆黒も
好きですよ

漆黒が とうめいな日が 好きなのです

玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて

その輝きは あまりに ちいさいので ....
「父が居なくなって、自由になった。」と言われたので

(縛るものが欲しい。)と

戒律を作った。

心に硬く
心に巻きつけて。

私は目隠しをしてから
自らの全身を巻きつけた。
 ....
影送りが

色濃く映る空の下

火葬場の入り口では

これから家を見る妹が

父の遺骨を抱えている。

後から来る私は

父の遺影を掲げ

笑った顔に笑い返し

すっぽ ....
六本木の美術館に、足を運び
蕪村の水墨画の風景で
「東屋に坐るひと」が聴く
滝の音に――耳を澄ます頃

ポケットに入れた携帯電話がぶるっ…と震え
展示スペースの外に出て
「もしもし」と、 ....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ

羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
返事の無い玄関先。

「ただいま。」と言って

父の姿を待つ。

去年の今頃は/一ヶ月前までは

奥のリビングから父の歩く気配がした。

今は私から靴を脱ぎ

畳部屋の父の祭壇 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜と重なり- 木立 悟自由詩315-5-7
あ_い- 大覚アキ ...自由詩3*15-5-7
ノート(見えない)- 木立 悟自由詩315-5-7
いついつまでに、なになにを- クローバ ...自由詩4*15-5-6
雑記(メリーゴーランドの二人)- またたび ...散文(批評 ...215-5-1
君に触れるということ- かんな自由詩24*15-4-30
投票が終わって- オイタル自由詩2*15-4-28
卒業写真- 藤原絵理 ...自由詩9+15-4-26
_- ズー自由詩5*15-4-25
狐夫婦- ……とあ ...自由詩11*15-4-21
習_銀色の草原- ズー自由詩2*15-4-21
海をわたる「残光2015」- アラガイ ...自由詩18*15-4-20
風が休みの日- 金子茶琳自由詩2115-4-18
流石の沢蟹- るるりら携帯写真+ ...21*15-4-13
自称詩人- ……とあ ...自由詩9*15-4-13
なびく丘で- かんな自由詩8*15-4-13
ビバ、老眼!- 夏美かを ...自由詩37*15-4-13
花を敷く- 梅昆布茶自由詩2015-4-9
おいとま- やまうち ...自由詩5*15-4-7
すとーぶ- アンテ自由詩615-4-6
夕餉の匂い- 服部 剛自由詩515-4-5
風の童子- 服部 剛自由詩415-4-5
夜の吐息。- 梓ゆい自由詩315-4-2
ポエトリー・リーディング。- 梓ゆい自由詩315-4-2
とうめい- るるりら自由詩25*15-4-1
縛るもの。- 梓ゆい自由詩315-4-1
煙。- 梓ゆい自由詩315-4-1
日々の味わい- 服部 剛自由詩415-3-31
消波堤- 梅昆布茶自由詩1615-3-31
花吹雪。- 梓ゆい自由詩415-3-31

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