波打ち際
雪に縁取られ
{ルビ烽火=のろし}をあげる夜

  松がいい、そうだ黒松だ

沖の漁船
送り雛のように
漁火を灯いて連なる夜

  星が海に突き刺ささってやがる

雲 ....
流されていく言葉の端にも
空の順列が
少しずつ結び付き始めている
この街にも人は零れていて
青でいっぱいになって、いつか身動きがとれなくなる

沈んでいけるのなら
そこに沈み込みたい
 ....
生まれたときから
親指が無かったのだと

その子はいつも
両手をポケットに入れて
両手を使わなければならないから
雨が降る日は嫌いだと

右利きなのに
五本そろった左手で書く文字 ....
架空の都に憧れるのです。
そこでわたしはうたうたいになったり、
絵描きになったりして、
またそらごとの物語を紡いでいるのです。

物語は美しくて、うっとりします。
どこにもない都で、どこに ....
蜂が蜜を集めている
花に頭をつっこんで
こんなちいさな生き物でも
死ぬことがあるなんて

レモンの香りが漂っている
あれを持っていたのはだいぶ前なのに
刺すように つんざくように
顔の ....
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”



口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました


名付け親の死神は時々どうし ....
彼は鼠を飼っていました。名前をデルと言いました。
昼間はポケットに、寝るときはベッドのわきに、いつでもデルを傍らに置きました。
デルは何度も危機を察知して彼を救ってくれたからです。
動物には、迫 ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
陽の当たる坂の上の
団地育ち
歩いて小学校に通い
バスで中学校に通い
自転車で高校に通う

川べりの大きな家の
女の子に恋をして
書いた手紙は
クラスで回し読み
団地の上の
貯水 ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある

前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした

「死んでやるー!」と何度 ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
春に
桜花ほころぶように
夏に
青葉の目映いように

 聞こえる

声なき声に
心はおどる

 あなたにそっと
 触れたくて



秋の
時雨に濡れるように
冬に
 ....
ある日神様が降りてきて
すべての半分を君に与えた
しかし残りの半分は
自分で何とかしなさいと言われた

数日は、いや一年くらいは
与えられた半分のもので
飽きずにすんだ
けれどもまだ半 ....
叶いっこないと言いきかされて育った期待が破れんばかりの心臓をおさえつけ
明滅する。おまえなんかいないほうがいいのだと言い聞かせて育てた期待が、
かじりつこうとしている一〇〇〇円ばかりの分け ....
夏の空気、風が過ぎる
爽快感

空と海が地平線で溶け合って、一人
浮遊感


夏の空に沈む、忘却

素肌に触れる抵抗、
不自由な呼吸、
優越感、

全てが心地よい、幻想

 ....
(削除) 警官をしている先輩が言う。
沖縄サミットは ほんとにヒドい目にあった って。
わたしの好きな先輩。

今朝も早くから暑いのに 泥だらけの軽自動車で
沖縄のオジイとオバアが野良仕事に出かけ ....
王冠で すくおうとして
おびただしく こぼれる
純血のひとの うしろのほう
丘のうえに 月が
座礁している
今日も京都でしゃかりきコリキ
わっと叫んで場外乱闘
露悪的惑乱状態
テケテケテケテケ、take it、take it!

今日もトーキョで一心不乱の一輪車
ワッと喚いて乱痴気騒ぎ
 ....
左手で捕え右手で 半分の{ルビ翅=はね}を{ルビ毟=むし}る
風に棄てる
尾に紐をくくる
これでもうきみは 速く飛ぶことなんかできない
これでもう 高く飛べないよ
 いつもそうだ ....
一家全員がそろったのは
昨年の正月以来だろうか
兄嫁が妊娠したという話を聞くと
父はたいそう喜び
押入れからアルバムを取りだし
いつもの昔話をする

それは色あせた一枚の集合 ....
アイスバーンの道を

一人むなしく歩いていた

いつもの風景いつもの時間

いつもの場所なのに何故か

ちがう世界に見えた

ガラスの瓶を拾って

思いっきり地面にたたきつけた ....
 なにもかも狂ってしまった

 まず 
 僕の頭が狂ってしまった

 そして
 犬が政治家になり
 たぬきうどんが跳ね回り
 タンスはものまねをはじめ
 財布の中にあったコンドームが ....
真夜中に目が覚めて
水道の蛇口をそっとひねると
そこから
海の匂いがする
喉が、渇いていたので
それでも飲み干すと
いろんないちにちが
搾り取られるように抜け落ちていく

冬の海はな ....
凍える桜の枝を煮る
花の色に染まる
記憶のひとひら

なくしそうな
砂のらくがき
ため息で
消して

あなたの指した
電柱の奏でる擦弦楽の季節
手をさしのべても
触れるもの何も ....
 女の声が頭の中に響く。澄んだ高い声。日に日に声は大きくなるような気がする。声を聞く以外、わたしには何もできない。偏頭痛がしそうで頭を振る。空き地に捨てられた車がある。栞を座席の上で見つけ、車の中に入 ....  
はじめにあるのはくらやみだった
すべてうしなったきみのなみだが
こおってゆきになりくらやみに
ふりつもっていきもじができた

わたしはきみのそのしをみていた
しのよはくにうまるきみの ....
たくあんで涙を食べた
ひいじいさんは欠かさず買い物についてくる
子供の裾を握りながら
足がないから、疲れないよと
祖母に笑って冗談を話す


デパートは同級生で一杯
ハバナで戦死した敏 ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
生きて 

素晴らしいことは何もない
ただ
愛のみ
意味のない卵色の日に
ただ足を前に出して

昼は明るいことを知っていて
夜は電灯を調節する

いつも目の前の手すりを触って
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おくり- たりぽん ...自由詩9*06-2-8
空葬- 霜天自由詩1106-2-8
手のひらの大きさ- ベンジャ ...自由詩6*06-2-8
わたしの棲みか- つくよみ自由詩106-2-8
暖春- 若原光彦自由詩406-2-8
死神と私_−蒼い電車−- 蒸発王自由詩11*06-2-7
寓話_不可解な死_43- クリ未詩・独白4*06-2-7
Blue_is_the_Colour- 岡部淳太 ...自由詩7*06-2-6
団地育ち- ZUZU自由詩906-2-6
知らないことを知っている- ベンジャ ...自由詩42*06-2-6
不透明な_ものたち- 落合朱美自由詩2106-2-5
生きてる言葉- LEO自由詩11*06-2-5
□■ひかり■□- よだかい ...自由詩606-2-5
おけら街道- 田代深子自由詩6*06-2-5
Refrain_Blue_Summer- 完食自由詩106-2-5
無題- 前田ふむ ...自由詩5*06-2-5
免許不携帯につき- 角田寿星自由詩6*06-2-4
そろもん(正統の話)- みつべえ自由詩506-2-4
*わわく、ろらん*- かおる自由詩3*06-2-4
所有- 便乗鴎自由詩1*06-2-4
一族- たもつ自由詩806-2-4
一人遊び- こめ自由詩406-2-4
なにもかも狂ってしまった- 炭本 樹 ...自由詩406-2-4
いちにち- 霜天自由詩906-2-4
それが喩え、だとしても- たりぽん ...自由詩16*06-2-3
ミニ扇風機- 光冨郁也自由詩4*06-2-3
白紙- 渡邉建志未詩・独白5*06-2-3
同窓会- 便乗鴎自由詩3*06-2-3
無数の。- なを自由詩1506-2-3
短期間ベイベー- 山内緋呂 ...未詩・独白506-2-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512