赤いランプの吊り下がる
あらゆる街の角に這いつくばり
わたしたちは歌を待つ

それは煉瓦の隙間から流れくるものであり
それは男の外套から聞こえるものであり

わたしたちは何も知らない
 ....
雲を割り
突き破り
雨上がりが
きらきら、うまれてゆく


まばゆく
光となって流れ落ちて来る空に
雨上がりの輪郭が
きらきら、応えてゆく



雨 ....
石段と
石段と
腰掛けた石段と、石段の
夥しい無骨な角から
無言で下垂する影を利用し
日没が冷たく
成立してゆく


「もしも
 ここだろう、と探り当て
 わたし ....
時計の秒針を追いかけて跳躍する
目の中で止まる動き
さらには滑り落ちて
  沈み
耳の中で方向を見失う
犬のようにではなく
あくまでも人の成れの果てとして
この(檻)の中で暖まる
外は ....
木立の中から、

油蝉が飛んでくると、

あなたは器用に体をかわした。

首筋を流れる汗が、

夏の太陽に輝く。

あなたの影が強さをまし、

僕の心を惹きつける。
 ....
しらじらと明るい午後二時の浜辺
空はうんざりするほど晴れ渡り
こんちくしょー嘘だろと思うくらい雲ひとつなく
砂は一粒一粒がそれ自身の光を放ち
そのくせどれもが真っ白で
海の彼方ににじむのは伊 ....
暗い部屋で、でなければ暗い森で
そうでないなら
夜七時過ぎの町工場の隅の暗がりで
(何がなんでも、あくまでも、暗くなくてはならない)
かさり、と微かな音たてて動く物影は
ホモ・サピエンスかも ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前

母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります

雨もりがあふれる床
 ....
やり残したことはありませんか と
問われたらなんて答えよう
みんな
どこに帰るのだろう

ふるさとはもう
名前も奪われて
体育館ばかりがきれいになる

過去は
ただのおとぎ話で
 ....
怒声から僕の名前が出てきたら親が来るより、
早く逃げるの
魅惑的な迷路。誰が立てたのか、
→看板は上を向いている。
見上げると、雨粒が落ちてくる。
→看板は下を向いている。
傘があるかもしれない、と私は思う。
「もったいぶった言い回し!」で
学者達は、実に様々な靴を用意する。
お前に合う靴はないか、と―
結局、手に入れたのは片方の靴だけ。
もう片方は路地にぶん投げられている。
探しに行かなくちゃな ....
雨戸を開けたら
夜の一過性の麻酔が
今は静かに窓に張り付き
単なる水気となっていた
その硝子面を、つつ、と指で擦り取り
そこを覗けば、山茶花の
一塊の色彩の首だ

 ....
きぼうをすてたら
おわりがこない
かなしみもこない
いきだけのこるから
いきをする
だいちにくちづける
でんぱのてがみをまつ
まちつづける
こない

きぼうをすてたらいけない
せ ....
 
{引用=冬}

一月
夢から覚めた
中世の僧たちが
山の僧院から
列をなして
出てくるところだった
杖を突きながら
歩いていた
暗く



葬列
そのもの ....
■うしなわれたきよらかなものたち

{引用=
君の土地。

その本はこの短い言葉で始まる。
「山の絵本」、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/A ....
たぶんノルウェーあたりに
巨大な送風機があって
そこから送りこまれた冷たい風が
君の頬を桃色に染める

わかさぎのエスカベッシュ
南瓜のキッシュ
ハッシュドビーフ
そして食後には
ア ....
五歩にも満たない足跡だけで
彼女はここから
私から失せた

あらゆるところに私はいて
靴無しでも
遠くへいける
近くへいける

心臓の側に泉が湧き出て
今からそこへ

わたしは ....
小春日の
短い夕まずめの頃
風を追いかけて橋を渡っていくと
軒下に
うり小僧
てへっ と笑ってはにかむあいつ
ずんぐりでっかい目玉を
ぎょろぎょろさせて
うりのような顔つき

月が ....
なんという事もない 日曜の昼下がり

公園の野原の片隅

ポコーン ポコーンとボールを追う

カシャクシャと落ち葉と戯れる犬

こどもらの華やいだ声

透き通った青海原に
 ....
諦めることを諦めてしまえば
誰でも抜け殻になれる


枝をはなれた枯葉が
落ちる途中で宙返りをする


もしも諦めることを忘れることができたなら
何度でもその身をひるがえしてみせよう ....
 
扉を開けると
土砂降りの雨の中に
あの頃が立っていた

あの頃とは違って見えたが
私には直感ですぐに解ったのだった

成熟した女性の姿のあの頃は
招き入れると ずぶ濡れのまま ....
しんしん
冷たい 蛍光灯
冷たい 磨り硝子
朝の それらの冷たさの
白い薄荷を
しんしん



ああ 恥ずかしい
氷の前触れの指先はなんだって
まだこんなにも赤い?

 ....
その時に何を考えてるかなんて
そんな野暮なこと聞かないでよ

あたしはただ数を数えているだけ
何も考えないし
あたしは眠らない

どんな男でも
眠っている顔だけは
妙に愛らしいこ ....
このパンフルートの音色で
君の過去を知る事が出来るとしても
僕は知りたくないし

このパンフルートの音色で
ふたりの未来を覗く事が出来るとしても
僕は覗きたくないよ

昨夜からの冷たい ....
白鳥が飛来していた

初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた

渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
 ....
螺旋階段の天辺で
摘んだ小石を力無く
放り投げてみたのです

放物線もそこそこに
乾いた音を立てながら
コロコロコロリと転がります

地上などとうに見えぬのです
勢い増した小石はやが ....
                      あ  あ
   あ    あ
あ         あ
     あ              あ       あ
                  ....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた

木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた

教室も ....
 「とにかく朗読でも音楽でも大事なのはリズム。リズミカルに響いてない言葉は聞き苦しい。」


 2002年6月15日、東京某所で行われた「いんこ虎の穴」というイベント。
 これに私は観客として ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黄金虫- ミゼット自由詩4*05-11-7
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仕組みを、知ってゆく- A道化自由詩805-11-7
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油蝉の亡骸- 手嶋純自由詩305-11-6
願望充足2- 佐々宝砂自由詩7*05-11-6
願望充足1- 佐々宝砂自由詩405-11-6
さといも家族- 服部 剛自由詩22*05-11-5
海鳴り- umineko自由詩12*05-11-5
円滑な親子関係- 完食短歌4*05-11-5
迷路の看板- プテラノ ...自由詩1*05-11-5
- プテラノ ...自由詩3*05-11-5
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まえをむく- 石川和広自由詩6*05-11-3
四季- 渡邉建志未詩・独白9*05-11-3
尾崎喜八「山の絵本」を読む- 渡邉建志散文(批評 ...3*05-11-3
ノヴェンバー・ステップス- 大覚アキ ...自由詩1005-11-2
鳥を放つ- ミゼット自由詩2*05-11-2
うり小僧_笑う- けんご自由詩505-11-2
*雁渡り*- かおる自由詩5*05-11-2
枝をはなれた枯葉は宙返りをする- ベンジャ ...自由詩6*05-11-2
あの頃が来た- まどろむ ...自由詩5*05-11-2
正しい色素- A道化自由詩805-11-2
a_Prostitute- 落合朱美自由詩11*05-11-2
パンフルートと秋鮭- 恋月 ぴ ...自由詩12*05-11-2
白鳥の湖- 千波 一 ...自由詩16*05-11-2
螺旋階段の天辺で- 松本 卓 ...自由詩4*05-11-2
囚われる- ミゼット自由詩4*05-11-1
夢の続き- 落合朱美自由詩17*05-11-1
4)詩の朗読・初心者の覚え書きメモ/その4・・・さいとういん ...- 宮前のん散文(批評 ...505-10-31

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