夢を見て泣いていた
スリッパが重たくて
空を飛べない夢だった
食後、健康に良いからと
母親がみかんを一つ勧めてくれた
外に出ると
街にサーカスが来る日だったので
誰も淋しくなどなかった
 ....
通過電車が
高音の向こうに消え去り
どこまでも
正しいラインを描く傷跡のような
線路上の余韻を見やる


風と白線の内側に
残されたわたしは、ひとつの
丸められた ....
青い冬空透き通る
沢の{ルビ辺=べ}歩くその音は
見渡す空の声となり
孤独を忘れる時となる

白い{ルビ川水=かわみず}清らなる
峠を越えるその風は
鳥を寄せ呼ぶ歌となり
勇気を与える ....
白鳥の声で
目覚めたような気がした 

明け方の空は蒼の階層を成して 
東の彼方の地平線のすぐそこまで 
太陽が迫ることを告げる

昨夜のうちに雪はうっすらと降り敷かれ 
まだ誰に ....
【K】キスで道連れだった
初めてのキスは初恋の君
風味はアーモンドで
香ばしく甘酸っぱく
それでいて涙がでるほど切なかった
あの香りはムースポッキーのせいだと記憶してるけど
本当はどうだっ ....
旅の終わりに訪れた 
夕暮れの善光寺 
{ルビ巨=おお}きい本堂脇の砂利道に音をたて 
紫のマフラーを垂らした 
小さい背中の君が歩いてた 

「 あの・・・○○さん・・・? 」 

 ....
 薄闇のなかで煙っているのは
 発光するわたしの、産毛にかかる氷雨
 ヒールを脱ぎ捨て、アスファルトに踏み出す素足は
 ぴしゃり、ぴしゃり
 水溜りに滲んだネオンを攪拌する
 ぐっしょりと水 ....
目の中に星屑がはいりました
ゴロゴロしてとても痛いのですが
暗闇の中でも
世界は輝いて見える様になりました


口の中に空が落ちてきました
舌の上で確かめた其の味覚が
あまりにも蒼いも ....
ショッピングセンターの、ひとけの無い屋上駐車場に、子どものすすり泣く声が響いてゐる。
・・・と言ふと何やら怪談めいて聞こえるが、そんなロマンチックな話しではない。
誰が泣いてゐるのかと思へば、可愛 ....
銀を光らせて
少年は輪をなげいれた
輪は的中した
{ルビ傍=かたわ}らに立つ年上の少年は
おだやかな黒い{ルビ眸=め}は
輪をとびこえて
はるかな向こうをみていた
そして
今初めて遇っ ....
初めてこの道を通ったとき
小さな花が咲いていることに
気がつかなかった

初めてこの道を通ったとき
向こうから歩いてくる人が
君だったことに
気がつかなかった

初めてこの道を通った ....
遠い遠い視線の先に
キラキラと煌いている
風の瞬きが視界を掠める

正体を掴み取ろうと
近づいて行くたびに
彼方へ彼方へ遠ざかっていく
形而上の産物を目にして
それをアルシュレッタと名 ....
 ハルマゲドンこねーかなー。
 37歳の先輩はそういう。
 こないでしょうねえー。
 僕は答える。

 俺を殺してくれよ。
 37歳の先輩はそういう。
 僕は捕まりたくないから嫌ですよ。 ....
  同じ一つのものを                   
  別々の名前で呼んだ咎によって           
  罪なき多くの血が贖罪の地に流され        
  同じ一つの光によって ....
きっと、知らない町なんだと思う
不器用に建ち並ぶ、高層マンションに隠れている
ありふれた日常だとか、錆付いたマンホールの下から
伝わってくる、救いようのない虚しさだとか
見慣れた信号の色と形で ....
きれいごとを
洗いおとして ものすごく
過剰な 現実を
お見せすることが
できるかも です
ビジネスホテルの一階の
回転寿司屋で黒人さんの握った
トロのしゃりがあまりにも真っ白くて
私は奥歯で笑いながら
虎を溶かして作ったバターを思い出す
たしか、色素の抜けた太めのコックが
伝統 ....
夜は価値のはずがない
価値は頼むこともある
頼むもの
それは恋愛だ
恋愛というもの
では昇天の話をしよう
昇天にも矛盾がある
矛盾が大きいはずがない
大きい
まるで錯覚のように
錯 ....
ドロシー、カサブランカ、
喪中の君が
家の塀で遊んでいる
数台の引越しの車が側を通り
今日もどこかで引越しがあるのだ
と何となく感じる

言葉はまだ書けないから
でも言葉はもう口に出来 ....
  突如、ファンファーレが鳴り響き、
歳月という歳月が、打ちひしがれた記憶が
―それは最後の葉を落とした冬の木々のように
私を丸裸にした。とはいえ、船長に任命された私は
真っ黒なボロノジャケッ ....
長い夜の
ゆめとうつつの狭間で
わたしたちは
何度もたしかめあって
疲れはてて
耳元で
あなたの鼓動を聴いて
おなじ速さで脈打つ

長い夜だから
そんな時間がふえて
すこし持 ....
秋の胡蝶の薄い羽は 
微かな風にうち震え 
先細る命に慄く 

あえかな花の行く末は 
胸騒ぎがするから 
花占いの刑に処す

 命あるものの極みは地に堕ちて 
  蠢くものの餌食と ....
いのちを
てのひらのように合わせる
欠けたまま
あることの
ひとつの償いであるかのように
頭上の硬い岩は
いつでも欠けたままで
(満ちることなど
たまにしかない)
私たちの不安定な歩 ....
12時

「もうなにもかもやめる」といいながら
見た事の無い男がキッチンに立っていて
重力の関係かすこしだけ勃起していた
わたしはリビングでまるくなって泣きながら
声でいろいろな嘘 ....
     1

漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....
俺は自分の世界すら
滅亡させることができない
大火を愉楽することもない
消防署も火消しもあり
ポンプ車があり
どこで火事が起きているか
俺は解っているのだから
三秒で駆けつけて消し去る
 ....
「そらは晴れて」

議事堂は広い
アルプス並みに広い
両手を口に添え
皆が
いっせいに叫ぶ

やっほー
ヤッホー
聞こえませ−ん
ひっこめー

やっほー
ヤッホー
アルプ ....
白鳥のくび憂鬱な長さなり





          一九九五年一二月二六日
〜であるから、一番悪い一行を推敲したくないのです
脱字でも誤字でもいいから生かしておきたい
なぜなら完璧なものを書いたら
誰かを宇宙でたった一人ぼっちにしてしまう気がする〜
天井をなめるおばけちゃん
昼間は天井をなめている
四角い天井をまるくなめて
部屋の中のできごとなんてなんにも見ちゃいない
おばけちゃんの舌は腫れあがって
口のなかにはおさまらないから
いつ ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
みかん- たもつ自由詩1506-12-14
ラブレター- A道化自由詩1406-12-14
冬の山道- ぽえむ君自由詩15*06-12-13
白影- 落合朱美自由詩21*06-12-13
青酸カリ- 蒸発王自由詩6*06-12-12
旅の終わりに〜善光寺にて〜(仮)- 服部 剛未詩・独白9*06-12-12
水没都市- 月夜野自由詩14*06-12-12
隙間の中に- 蒸発王自由詩9*06-12-12
私の手- 三州生桑未詩・独白506-12-12
銀の輪- 石瀬琳々自由詩16*06-12-12
初めてこの道を通ったとき- ぽえむ君自由詩16*06-12-11
アルシュレッタ- 松本 卓 ...自由詩506-12-11
一問一答。- もののあ ...散文(批評 ...21*06-12-11
残毀_- 月夜野自由詩14*06-12-11
君に会いに行く- 青山スイ自由詩4906-12-11
そろもん(耳打ちの話)- みつべえ自由詩506-12-10
駅・五反田- たりぽん ...未詩・独白13*06-12-10
- 紀ノ川つ ...未詩・独白2*06-12-10
ドロシー、カサブランカ、喪中の君が- たもつ自由詩1806-12-10
ボ・ディ- プテラノ ...自由詩3*06-12-10
可惜夜- 落合朱美自由詩28*06-12-10
墓標- 落合朱美自由詩21*06-12-10
eclipse_**- 岡部淳太 ...自由詩14*06-12-10
トレンディドラマ- モリマサ ...自由詩1306-12-10
蒼茫のとき—死の風景- 前田ふむ ...自由詩32*06-12-9
烈士国賊の首- 構造自由詩206-12-9
国会せれなーで’06- umineko未詩・独白6*06-12-9
白鳥- 渦巻二三 ...俳句606-12-8
詩論Ⅰ- 馬野ミキ散文(批評 ...506-12-8
天井のおばけちゃん- 渦巻二三 ...自由詩606-12-8

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