大きく重くやわらかい
三角形のパンの塔を
月あかりの径に倒してゆく
眠りに至らぬ眠り気を
眠りはひとつ抱き寄せる



(ひとつ 嘘をついていますね)
はい パンの塔 ....
天国が火事
放火魔は長い足で
山脈を跨ぎ逃走した
雲の上が赤々と燃えて
天使らはなすすべもなく
もだえている
白い裸体から
滴り落ちる汗、汗
まるでとろける
蝋のように
地上から空 ....
あの日、体のどこかで真夏が沸騰し、けたたましく蝉の声が狂っていたのだろう。
大きくせり出した緑の中で、無心に巣作りをする脳のない虫どもの動きが、この俺をその世界から削除しようと仕掛け ....
食品サンプルを見ながら白米かきこんでいる 生後四ヶ月の娘を朝の5時からあずけれるような
保育所をさんざん探してさんざん電話をかけたあと
少し詩を読んだ

被爆者のケロイドを体に負うことが
物事を理解することではない
とりだ ....
ジョニーは知的障害者
ジョニーに務まる仕事なんて何もない
福祉で食ってるジョニーは大食い
ジョニーは家族の鼻つまみもの
ジョニーには友達なんかいない
そもそも会話が通じないから
だけれどジ ....
昼前に起きた
妻はiphoneをポチポチ
子供は3DSを見つめている
多分朝からこうなのだろう

子供がまだ自転車に乗れないので無理やり外へ連れて行く
大切なDSの時間を奪われ悲しそうな顔 ....
忘れられないのです
満月の夜に
海面が砂金のようでした
星々は だまって それを見守ってました

海蛍です

しずかに群れはじめ
そっと
この足首を
群れの真ん中に沈め
かるく  ....
幅わずか20cm足らずの白線に仕切られた世界は真逆の世界
私のわずか右の世界では皆
私がいた過去に向かって進んでいく
私の世界は誰もいない
皆私の右側の世界を進んでいく
まるで私の未来から皆 ....
空港からへ
豪勢なバスに疎らな人々

錦江湾に屹立する桜島が背後から覆い被さる道
雄大な景色が灰色に押し潰される。
逃げるように疾走するバスは異様に速い
闇夜がとんでもないスピードで飛び去 ....
六道の辻を行き交う蛍かな しをかんがえる。
詩をかんがえる。
死をかんがえる。

詩は、
死の鏡
人は死ぬ瞬間に
必ずひとつの詩を残す



ぽとん、
グラスのなかの
水に赤い汁 ....
今のところ、
雨漏りバケツ半。

溢れることはない。
自信がある。

長雨は、
天井裏に住んでる奴らの糞塊を
丹念にドリップしてくれる。

「凛子、コーヒー的のが、入ったよ。」
 ....
大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから

落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ

落石注意
気がついた ....
四日後
銀の風船を
腰に繋ぎ止め
兵隊はやってくる
ずっと街で
警報器が鳴って
現場の一角で
野次馬が騒ぐも
いそいそと
消防隊は
ホースを巻き上げ
ぼやだったと
笑いあう
 ....
五メートル×五メートル、市民農園の区画ふたつが
わたしの詩の研究室

今、研究室では白いつるバラ「新雪」が咲き乱れ
萩「あすかの」がこんもりと枝を伸ばしている
土に金属の支柱を五十センチほど埋め込み
 ....
ケイコさんは
帰る家を探している

いつか住んだことのある
川の傍の古い洋館
蔦が壁一面を覆った
赤いトタン屋根に
所々塗りの剥げた
白いバルコニー

夜になると屋根裏を鼠がはしり ....
祭りの翌朝
小雨降る広場で
ゴミと小銭を拾うお年寄りを蔑む中年夫婦が
小さな野花を踏んだ

こんなに綺麗な花なのに
本物の生きている花なのに
偽物だらけのこの世の中に
確かに信じられる ....
異物混入の原因になるから
何も持ち込めない
でも
結婚指輪はオッケー

そんなバカな
と思いながら
エアシャワーを浴びるのに
朝の工場には
かいくぐってきたものが
たくさんある
 ....
蛍の夜無人駅から一時間  私は庶民である。ごく普通のサラリーマンであり、その他大勢のサラリーマンと似たような暮らしを送っている。世の中の大多数の人間と同質な生活をしているということ。私はそこに平凡でありながら限りなく豊か .... 弾倉に 真実を こめて
虚偽に 狙いを さだめて
撃ち抜いたが 最後
自分の背 なんて ジョン

商品広告のキャッチコピー
からきみが作り上げた
幸福は あたたかな銃
冷酷な それは暗 ....
ふくらんだ水を光の茎が
幾つも幾つもすぎてゆく
未明を見る弧
水を穿つ小さな火


誰かが径に刻んだものを
何かが触れてはすぎてゆく
粗れた光が歩みやがて馳せ
立ちど ....
歩みのたびに舌を鳴らし
空ろなけものを撃ち落す
工作物を
組み立てては埋める



虹の円の周辺の
終わりの無い見本市
エスカレーター エレベーター
ただ此処だけを ....
わたしたち皆雨の中子供だった
帰りを待つ子供達の群だった

誰が帰ってくるの? しらない

わたしはしってたから叫んだのに
雨の中誰もわたしの話をきかない


雨がやんだら大人になっ ....
宿題のなき休日や植田澄む 真夏のまんなか
乾いた道のさきに
誰かが描いた蜃気楼

午後9時の
Summer in the city
大気圏の対流に耳を澄ます

アウトをとれない甲子園
酸素が足りない金魚鉢
 ....
草の間を
誰かの幸せを約束した風が
走っていく

固く閉じた地面から
這い出た夏の蔦が
頭を伸ばしていく

夜になれば
プールを洗浄する
機械音

落ちてきた十八等星を拾う
 ....
その後、図書館に向かった
ぬるい風が両脇をさあっと通り抜けて
額に浮いた汗を玉のまま流した
水位の低くなった川は太陽を存分に吸い込み
とても正直に光を跳ね返している

とん、と
鎖骨の下 ....
福島のお祭りへのライブ参加を終え
皆東京に帰っていったが
俺とKはN子にタカりながら北を目指した
Kの友達が青森にいるという
各駅を乗り継いで下北半島へ
皆東京では無職の歌唄いだった

 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(嘘と絵本)- 木立 悟自由詩614-8-13
天国が火事- やまうち ...自由詩414-8-13
発芽- 山人自由詩6*14-8-13
食品サンプルを見ながら白米かきこんでいる- 北大路京 ...自由詩414-8-12
保育所をさがして/古泉さんバージョン- モリマサ ...自由詩614-8-12
Johnny_B._Goode- 馬野ミキ自由詩614-8-12
特に何もない日- 馬野ミキ自由詩414-8-12
透明な月がのぼる場所- るるりら自由詩2314-8-12
センターラインの右側の世界- ichirou自由詩17*14-8-11
闇夜のバス- ……とあ ...自由詩8*14-8-11
六道の辻を行き交う蛍かな- 北大路京 ...俳句314-8-10
『鏡』- あおい満 ...自由詩514-8-10
雨漏りバケツ半- nemaru自由詩2*14-8-10
CAUTION_!- 梅昆布茶自由詩25*14-8-10
- 天地無用自由詩214-8-10
土に暮らす- 鵜飼千代 ...携帯写真+ ...9*14-8-9
特急電車は警笛を鳴らし- Lucy自由詩12*14-8-9
きっと- ichirou自由詩17*14-8-9
かいくぐって- nemaru自由詩5*14-8-8
蛍の夜無人駅から一時間- 北大路京 ...俳句414-8-8
庶民として詩を書くこと- 葉leaf散文(批評 ...414-8-8
ジョン- 天地無用自由詩2+*14-8-8
ひとつ_奏夜- 木立 悟自由詩4+14-8-8
ノート(電迷)- 木立 悟自由詩314-8-8
雨の中子供- 因子自由詩114-8-7
宿題のなき休日や植田澄む- 北大路京 ...俳句114-8-7
アウトをとれない夏- 梅昆布茶自由詩2114-8-7
おかえりなさい- mizunomadoka自由詩614-8-7
うまれたてのぬけがら- あ。自由詩7*14-8-7
下北半島のみどり- 馬野ミキ自由詩814-8-7

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