駄菓子屋の側に置かれた自動販売機は
存在を知ったときからもうおんぼろで
お金を入れてボタンを押しても
蹴っても叩いても何も出てこなかった


お店を切り盛りしていた女主人は
存在を知った ....
{引用=

赤錆びた鉄くずに
音ばかりがしてきそうで、
枝の間にのぞく空の端に
来るはずもない
飛行機をみていた
確かにここでは、ディーゼルの音が
あんなにも していたのに
St.C ....
あの子が描いたはじまりの色は
指で押さえたキャンバスの少しずれたところにぽつんとあって
じいっとそれを見つめていた

描き出された自画像の背景に色をたしてゆく
淡いブルー、またはグリ ....
その昔、無数の電車が地面の下に潜る前・・・ 
東京都内の全域に、のろりと 
路面電車が走っていたそうな 

  かんか〜ん 

発車ベルの音がして 
気づけば目の前に立っていた 
小ち ....
うすももいろの{ルビ襦袢=じゅばん}の
冬に{ルビ纏=まと}えば
きぬの{ルビ温=ぬく}さ

衿をくいと抜き
腰ひもをきゅうと締める
そのうえに伊達〆をきゅうと締める

足元に着やすく ....
家から外に出ていったときに、UFOが
いかにもブリキで作ったような感じでとびだした。
だからそれをみて僕は小説をかこうとしたんだ。
題名は浮かばなかったけど、「スイスイととびだした。僕のこころは ....
平坦な道をとぼとぼ歩いていくことが
いつしか当たり前になっていて
地図にない道を通ろうとすることを
鼻で笑うことが多くなった

冗談を言うつもりはさらさらない
仮にそうであったとしても
 ....
わたしの
これからはじまる
修羅場へようこそ
たくさんの首と
臓物が浮かんでる
沈んでる
今はまだ体内に
そんな修羅場へようこそ
何も欲しくない
だから奪わないで
すべて閉じている ....
線路の上の林檎のような
男と女の営み

線路の上の林檎のような
私の心臓

絶頂はそろそろかたかたと
思わせぶりにやってくる

線路が震えるだろう
それは林檎に向けて必ずやってくる ....
書いている
生きている
死んでいる
機械が、わたしと同じように、きみ

かたわらで、きみと
同じように、わたしの
かたわらで、鸚鵡返しする
彼方の、
きみの、彼方の、きみ
の ....
寄せては返し
また来たカモメ
潮風が弾く小春日の{ルビ音符=ノート}

寄せては返し
裸足と駆け引き
影踏むステップ進行形

砂に謎掛け
空に法螺吹き
ほら、左腕
 ―お気の済 ....
 淡く褪せた
  印画紙
 残る影を
  指でなぞる
手紙を出しました
開くと記憶をなくすという

日々の行いをこなしてると
白くなる
ああ、今よんでるんだな

洗濯物をたたみ終えたとき
私が誰かわからなくなった
静かに笑って横になる
一人でゲームセンターに行った帰り
コンビニの前で黄髪のお兄さんの鋭い一瞥と目が合った
単に喧嘩を安売りしているだけなのか
それともただ単に
一つの穴を巡る目眩く争奪戦の一つの
火蓋が切って落 ....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で

ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く

貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
 
いつか聞いた
オルゴールの音が
こんなにも懐かしく
わたしの島にもとどく

音階は等しく
何度でも
誰もいない浜辺に辿り着き
朝には朝の
昼には昼の
夕暮れには夕暮れに
染 ....
飛騨高山へと走る 
ローカル列車には 
マレーシアの5人家族が 
横一列に、座っていた。 

カメラを首にかけた夫が 
向かいの席にいた僕に 
英語で話しかけてきて 
僕はカタコトの単 ....
すべてに嘘をついていると 
思ってしまうような 
意気地なしの日がある 

そんな日はいっそのこと 
大事な人にも
くるりと背を向けて 

誰にも見つかることのない 
秘密の場所のド ....
わたしがうさぎだった頃
この世は赤いもやがかかっていた
花びら一枚にも手が届かないので
うつむいてありの行列を眺めるしかなかった


わたしがひなどりだった頃
飛び立ちたくて仕方がなかっ ....
虹の行方を尋ねましたね
庭に駆け出す小さな足で

あれは、たしか夏の終わり

まだ見ぬ向こうに触れたくて
尻尾はそのたび凛と鳴り

その頃わたしはまだ
羽ばたき空飛ぶネコでした

 ....
宵闇に包まれた路地に建つ
戸建住宅の玄関前に
一匹
猫が座っている
しゃんと背筋を伸ばして
正面を見据えて
その確固たる存在感を
僕は
しげしげ見ながら
通り過ぎる
どこ吹く風とい ....
厳かなガラス窓は空気を揺さぶり
ついで昼間の光が皮肉まじりに照らしたので
塵と埃の谷間 誰も知らない村から
ささやき交わしたり毛を伸ばしたり
微生物の営みが浮かび上がった
まだかすかに漂うス ....
地平線がかぎざぎに囲われた東京を
中央線のガラス窓からのぞいて
ビルたちの壁面は薄黄緑に光る
水の色をしたいろんな影が長くのびて
フラットな装置のように空が広がる
鳥の群れがばらまかれ
ペ ....
{引用=
{ルビ錘=おもり}によって、わたしの外側の水位は上昇し、その先のどこにもふちはなく、溢れることができないままの記憶を、てのひらですくっては、こぼして、すくっては、こぼす、そうやって衰 ....
 
 
父が釣りに連れてってくれた
それから数日後か
数ヵ月後か
数年後なのか
忘れてしまったけれど
近所のおじさんか
同級生か
はたまたいもしない
兄なのか
とんびなのか
カ ....
 
昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る

途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
 ....
誰もいない、誰ひとりとしてすらもいない風が吹いている。僕は衝動を抑えながら、そんなふうにただ、流れていくことを続けた。指にあるのはただ一本のマッチ、すべての踏みだそうとする方向もないままに、立ち止 .... 大腸と小腸の図を見ると
蛙の卵を思い出す
むにゅむにゅむにゅりと蠢くような
細くて長い透明うんこの中に
いくつものタピオカ
多分ねじればソーセージ
ゆでればカリッと言うのかね
蛙は何歳 ....
地平線の彼方に大きな夕日が沈む
地平線の見える大地など、僕の住んでいる街には無いのに。

無いのだが、地平線を僕達は確かに感じとることができる
感じ取ることができるので
僕は地平線に向かって ....
あおばさんのおすすめリスト(15330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
駄菓子屋のソネット- あ。自由詩14*09-12-8
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小説をかいていると、原子力発電所がうらやましい- パラソル自由詩109-12-3
あまのじゃく- 中原 那 ...自由詩17+*09-12-3
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線路の上の林檎のような- 瑠王自由詩5*09-12-2
_- こもん自由詩409-11-29
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- 長谷川智 ...自由詩4*09-11-28
きおく- 木葉 揺自由詩209-11-28
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ほんとうの声- 服部 剛自由詩209-11-25
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その頃わたしはまだ- 都志雄自由詩409-11-24
路地裏の野生- kauz ...自由詩10*09-11-21
皿の上を留守にしている- ゼロスケ自由詩209-11-19
東京- モリマサ ...自由詩14*09-11-18
楽園- 望月 ゆ ...自由詩8*09-11-18
蝌蚪- 小川 葉自由詩609-11-18
接続詞- たもつ自由詩1109-11-17
二人の戦おうとする闇- 番田 散文(批評 ...209-11-17
蝌蚪- 木屋 亞 ...自由詩2*09-11-17
ち_へ_い_へ- ……とあ ...自由詩14*09-11-16

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