きっとめをつむっているうちに
文字はしずかに
みみのよこを抜けて
みずうみのように
空の低い
やさしい墓地のように
まっさらにひろがってゆく だろう



とうめいなかいだんが ....
私が時に冷たくなるのは
今が永遠であると
錯覚しているからだと思う

病室の父は
1月は忙しいのだ寄り合いも
たくさんあるのだといって駄々をこねる

ただのねんざが長引き
故郷が豪雪 ....
空と空をつなぎながら
連なる交差に溶け残り
雪は火傷を伝えてゆく
遊びを終えた子らの声
原をわたる風のひと粒
熱と痛みが照らす脇道


埋もれかけた細い木のそば
真新しい ....
重さ、とは
預かること
預かる、とは
許すこと
許されること

必然的に張り巡らされた
偶然によって
僕の細胞は君の細胞と出会い
やがてまたひとつの
重さとなった

雨が降って ....
人の一生は
うたかたの夢のように
何が起きてるのかも
わからないうちに
過ぎ去ってしまう

朝 眠い目をこすり
仕事へ出かけ
精根疲れ果てて
家路につき
自分が本当は何がしたいかな ....
・「空」という言葉で想像した空の高さまで上昇して地上を眺めてみる。

・左回りの時計を持ち歩き、時間を知るための鏡を常に携行する。

・「孤独」という言葉で想像したものに体温計を差し込んでみる ....
・煙草に「肺」と書いて、吸ってもらう。または自分で吸う。

・「人間」と名付けたバッタを飼ってみる。

・友人にある言葉を紙に書いてもらい、封筒に入れる。自分には決して中がわからないようにした ....
友人のバイクの
後部座席
奥多摩へのツーリングの途中
立ち寄った駄菓子屋
なつかしの
銀玉ピストルを見つけた

彼は おもしろそうに
ピストルを手にして
銃口をぼくにむけた

ぼ ....
魔法瓶に夜空をみたし
ほの明りの朝、遠足に出かけた

あいさつをしたら
光の丘で
化石だった風が
重く熟して
翼となった
種子
小さく{ルビ瞬=まばた}きをすれば
霧散している光へ ....
すこし開いた雨戸の隙間
赤い閃光
もうこんな時間だった
のか

布団の上を横切る
夕陽の直線
狭い 
うす暗い部屋だから
よけいさみしく

赤 にじんで
世界とのつながりは
 ....
窮鼠猫を噛み私たちは溜飲を下げる が
私たちはいったいいつまで
窮鼠のふりを続けるのか

新聞の読者投稿欄というものがある
世界には人の数ほど意見があるのだということを
思い知らされるのに ....
夜が好き

塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き

冬が好き

穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
真夜中の浜辺に独り立つ
君の{ルビ傍=かたわ}らに透明な姿で{ルビ佇=たたず}む 詩 は
耳を澄ましている

繰り返される波の上から歩いて来る
夜明けの足音

君の胸から{ルビ拭=ぬぐ} ....
意味がない、甘いコーヒー

意味がない、君の入れる紅茶


無駄のない、動作で茶を入れ

無駄のない、動作で僕に渡す


無駄の多い、僕がそれを飲み干せば

無駄の多い、プログ ....
あなたの胸に
魚群探知機
押しあてて
耳を澄ませて

あと
どれくらいありますか
時間という
さかなたち


あなたの胸に
泳いでいるのは誰ですか

それは
夕焼け雲で ....
ある日、大学の売店で飲みものを買いました。
三十九ルーブルだったので、十ルーブル札を四枚だしました。
売店のおねえさんはお釣りの一ルーブル硬貨(日本円で四円くらいでしょうか)を探しましたが、ありま ....
あ、あ、あ、これは
そうだ初雪の味
田舎の山奥
少女
噛んだ初雪を
その味

今宵ほほを撫でる風
冷たい空気
それらは、それらは、
初雪の味

走るはしるはしる
笑う
雪の ....
白い空を数年振りに見た
忘れ去っていた朝の風景
身体の中の狂った時計のネジを巻く
鏡の中の自分の顔に化粧する
少しずつ笑うことと泣くことが同化してゆく
欠けたものは戻らない
せめて偽ること ....
母さんは夜なべをしていたけれど
手袋の類は編んでくれなかった
やがていつものようにフジヤマがやって来ると
腕相撲やカードの相手をし
それでも決してゲイシャ・ガールみたいに
振舞うこと ....
ぼくが包茎だったころ
アフリカはとおく
象の足は八本あった

あのひとのほほは白く
うつむくまつげは長かった
どんな人にも天使のように微笑むので
誰もが自分はあのひとに愛されていると勘違 ....
夢に
おばあちゃんが出てきた
おばあちゃんは
わたしに
お餅をたべさせてくれた
おばあちゃんの家の匂いがして
座布団と
掘り炬燵が
暖かかった
背中から風邪を引くからと
手作りの襦 ....
お正月はさっぱりテレビも見なかったけど、これだけ。里見八犬伝。ひさびさに新春ドラマっつーのをみましたね。

八犬伝といえば、どーしても坂本九さんかなあ。まあ世代がアレですが。NHKで昔、そういう連 ....
三日月を笑う
瞳の奥には
最果ての傷がひそむ

傷つくことをおそれて
前へ進めるのか
団地の裏の
十字路を
青やかな銀河の右旋系
空き地の{ルビ草原=くさはら}に影が伸びる夕景

 ....
背中あわせに
座った僕たち

手を伸ばして
あなたの手を探る
 髪の匂ひ
 白く柔らかな手
 顔を見たことがない

顔さえ見たことがない あなたの
背の ぬくもり
 夢では ....
眠っている、舟の
漕ぎだすその先の朝が、
眠っている


イメージが形になっていく、その
次の瞬間に
雲は切れ、空の裏側にはおそらく
比類なき明日が
ただ 立っている
としても、底 ....
朝早く
{ルビ風呂場=ふろば}にしゃがみ頭を洗っていると
電気に照らされたタイルに小さい光の{ルビ人形=ひとがた}が現れ
こちらへ手を差し出した

思わず光の手を握ると
タイルの裏側へする ....
こんにちは 人でなしです 元気です


月曜日 朝から僕は精神科


朝ごはん食べ終わったら午後七時


返さねばならぬ本から消えていく


ゆらゆらとアスファルトから蜃気楼
 ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....


珈琲の苦さも世界のおしまいも飲み干せばやわく浸透してく


* *


爪を噛み 吐き出してみた そのかたち すべてこの世のひらがなみたい


鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い ....
最高地点からの長い直線を下り
左にカーブを揺らすと
そこに短いプラットホームがある

僕らは降り立ったんだ
星の遠めがねと使い古した星座盤
重たくでっかいカメラと赤道儀
遠くばかり見るた ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空を見る- はな 未詩・独白22*06-1-10
永遠- umineko自由詩8*06-1-9
冬とてのひら- 木立 悟自由詩8*06-1-9
誕生- たもつ自由詩1806-1-9
はじまりの詩- 七尾きよ ...自由詩5*06-1-9
賢クナラナイ頭ノ使ヒ方(其ノ二)- ななひと自由詩306-1-9
賢クナラナイ頭ノ使ヒ方(其ノ一)- ななひと自由詩306-1-9
BANG!- The Boys On ...自由詩5*06-1-8
遺跡へ- こしごえ自由詩14*06-1-8
夕方のチャイム- 馬場 こ ...未詩・独白606-1-7
窮鼠猫を噛むとき私たちは窮鼠であったか- umineko自由詩5+*06-1-7
雪夜- 落合朱美自由詩20*06-1-7
明け方の碧- 服部 剛自由詩13*06-1-7
メイドロボ- 完食自由詩1*06-1-6
魚群探知機- umineko自由詩9*06-1-6
キャラメルと価値と詩について- 馬場 こ ...散文(批評 ...1306-1-6
初雪の味- イオ未詩・独白5*06-1-5
ライフ・レッスン- スイレン ...自由詩9*06-1-5
ジパング- たもつ自由詩606-1-5
ぼくが包茎だったころ- ZUZU自由詩22+06-1-5
夢で見た- チアーヌ自由詩1206-1-5
橋の向こう- umineko散文(批評 ...3*06-1-5
一九一七番地- こしごえ自由詩10*06-1-4
背中あわせに- まどろむ ...自由詩506-1-4
漕ぎだす波の、浅い- 望月 ゆ ...自由詩24*06-1-4
門出- 服部 剛自由詩8*06-1-3
ラブホテルで葬式- 渡邉建志川柳28*06-1-3
私はとても小さいので- 松本 涼自由詩114+*06-1-2
『MIX&REMIX』浸透率- 汐見ハル短歌8*06-1-2
駅・野辺山- たりぽん ...自由詩8*06-1-2

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