僕達は容易に 
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら

時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて

無くなってしまったものを ....
たんぽぽの
綿毛の浮力で生まれた
子供たち

あたらしい夏を追いかける
その先の
風に乗って

走っても
走っても追いつかなかった
今は春の終わり

見たこともない土地の空
 ....
下を向いて歩いていたら
五月がおちていた

かたちというほどのかたちもなく
いろというほどのいろもない
けれどなんとなくそれが
五月だということは感じられた

そのままにしておくのもあ ....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた


たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
 
夏至、直射する日光の中
未熟な暴力によって踏み潰された草花と
心音だけのその小さな弔い
駐屯していた一個連隊は
原種農場を右に見て南へ進み始める
わたしは網膜に委任状を殴り書きする
 ....
?値の概念
きっちり敷きつめた箱
早回しの時計
生まれたばかりのドットに侵略
引き裂かれた白地の残骸

曖昧なグレイの幸福
水色の融合
ユデタマゴを食べる風景

ピンクの破壊
極 ....
きみに
あげるものは、
ない

どうやって、わたしたちは
他人同士なのか、
きみも
わたしも、
何も
分からなくなったとき、はじめて
何かを
送る機会がおとずれる


 ....
これまで幾度も、きみの
ものである
それは失われた、
すべてのもの

その時刻は
涙するために残されている、きみにか
わたしにか、分からないままに
引き換えにしている、
彼に
 ....
二番地の内田さん    前田ふむふむ

白いあごひげをはやして、美味しそうに、キリマンジェロを飲む、二番地の内田さんと呼ばれている、この老人は、若い人と話をすることが、何よりも好きだ。よく、真面目 ....
森の夢―古いボート          前田ふむふむ

     1

青い幻視の揺らめきが、森を覆い、
緩んだ熱を、舐めるように歩み、きつい冷気を増してゆく。
うすく流れるみずをわたる動物 ....
梁にしがみつく蝶を引き剥がすたび
親指と人を指す指が情けなく震える
コロシヤシナイカと懼れながら
ただ善意を偽って助けようとして
羽を掴む、その度に
燐粉が指先に着いてしまい
その後でゴシ ....
街なかで白い小鳥を配っていた
籠に入ったたくさんの小鳥を
小鳥配りの人が要領良く配っていく
受け取らないつもりでいたのに
いざ目の前に出されると受け取ってしまう
わたしが手に取ると
それは ....
親指にのせたコインを
天井にむかってはじく

くるくるとまわるコイン
僕は一緒になって見上げていた生徒に

「これが放物線になるんだよ」と

たとえ真っすぐに上昇しても
その速さはだ ....
漫画の登場人物のようには成れないよ彼らにはみんな全員全員全員夢があるから



何かを極めること何かに責任を持つこと僕らには分からない言語を使うこと



どの能力も平均程度にあること ....
見えないものが
ほんのわずかなそれが
あなたを侵している

それはきまって
夜に
ひどく湿度の高い
月がかすむような薄明かりの中で
増殖する

「眠れない」と
呟く

そう
 ....
なにものにも覆い隠されること
なく、きみは
ある

そのようにあるはずの
夜に、ほんとうの
ことが分からない
まま、損なわれて、分からない
まま、傷つけている、
そのように、きみ ....
独り暮らしの古家から 
週に一度 
玄関から門前に出て 
杖を手にワゴン車を待つ 

「おはようございます」 

ドアが開いて下りてくる 
孫のような青年の
腕につかまりながら
車 ....
目を覚ますと
ベッドの上にいた

白いシーツがどこまでも広がり
睡眠中
あつくてはいだのか
山のように連なる毛布から
上昇する太陽が
まっすぐわたしを照らしてる

もう三日歩い ....
ぼくが
わるかった
あやまっても

なおらない
きずもある
せめて

うらんでは
くれないか
そのかちすら

ないらしい
ばっしてさえ
くれなかった

ろうをつくって
 ....
葉っぱたちのとがったきっさきをさっきから風がはげしくゆらして
じべたに並べられた各種弾頭のことを考える
雨上がりのひんやりとしたゼリーのような中を
ゆっくりと自由に空気を押しながら
あたしは記 ....
空の
高架下のピアノの下

ストレートの風が駆け上がる
シャツの中を駆け上がる

緑の思い葉が揺れながら海
夢見てる海

ピアノは相変わらず同じ曲しか



トラトトトン タ ....
君の右眼は
スピードメーターになっていて
時速はいまや
300キロを超えようとしている

そんな夢を見て目覚める
とりわけ悲しい夢でもないが
涙を流す理由は充分に内包していると思う

 ....
時間という単位も
人間が考えたものだから
流れてるような気がしてるだけで
それはお金のようなものではないのか

お金を借りたら少しだけ
時間ができたような気がして
貸してくれたその人と ....
彼方にいる、きみは
夜、
あらゆる
ことが
あるうちに、目は見ることを
やめて、

いま
きみがいるここで、失われたひとつの
もの、それを失ったのはふたり
だった、もういっぽう ....
投げつけていけ、きみの
死を、
まだとじている傷に、
きみが
われに返っていることを
憎むために、

しっかりと、どれだけ
殺しあっていた
か、
分からないまま、頬ずりする ....
もう会うこともない 
君がくれたボールペンだけが 
この手元にある 

君は自らが去る前に 
どんな思いを顔に浮かべ 
商品棚から 
このペンを手にしたのだろう 

これからの日々を ....
もしかしたら 
病気で半年前に退社した
若奥さんのUさんは 
日々ずっこけるこの僕を 
きらいじゃなかったかも?と 
今さら思う 

僕は特別Uさんに 
ホの字だったわけでもないが 
 ....
あなたはわるくない
そう、悪くない
突然の告白も
そう悪くない
私はは言わない
何にも言わない
愉しんじゃわない?
ここで善いんではない?
誰も見てない
判官びいきの都合で
方眼い ....
 カメラに向かい
 天気図を背にして
「午後から雨になります」
 と伝え
 小さく頭を下げ
 辞表を提出し
 その日の午後
 先生は雨になった
 
 それは小さな雨だったが
 傘を ....
やわらかな
やさしさを
つめこんで

ぬいぐるみが
やっと
かんせいした

つきひはながれ
ぬいぐるみは
しぼんできて

わたを
たしてみようと
いとをほどくと

のう ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- rabbitfighte ...自由詩20*08-5-20
たんぽぽの行方- 小川 葉自由詩308-5-20
「ひろった五月」- ベンジャ ...自由詩11*08-5-20
音の回廊- 渡 ひろ ...自由詩22+*08-5-19
鼓動する信号- たもつ自由詩6*08-5-19
テーブルクロスの上で- 西日 茜自由詩8*08-5-18
_- こもん自由詩908-5-18
_- こもん自由詩208-5-18
二番地の内田さん—デッサン- 前田ふむ ...自由詩21*08-5-18
森の夢ー古いボート___- 前田ふむ ...自由詩24*08-5-18
埋める火の熾き- pur/cran自由詩508-5-17
できごと- 小原あき自由詩34*08-5-17
「放物線」- ベンジャ ...自由詩4*08-5-17
死因は五月病- ピッピ短歌608-5-17
「ウィルス」- ベンジャ ...自由詩4*08-5-17
_- こもん自由詩508-5-16
踏み台_- 服部 剛自由詩508-5-16
長い朝- 小川 葉自由詩408-5-16
【ろ】_ろう- RT自由詩108-5-16
夏至- モリマサ ...自由詩28*08-5-16
高架下のピアノの下- ふく自由詩208-5-16
速度- Tsu-Yo自由詩208-5-16
人間の単位- 小川 葉自由詩108-5-15
_- こもん自由詩408-5-15
scar- こもん自由詩708-5-15
道_- 服部 剛自由詩208-5-15
机上の地図_- 服部 剛自由詩308-5-15
ヨルダンの秘密- aidanico自由詩108-5-15
水の空席- 若原光彦自由詩12*08-5-15
【わ】_わた- RT自由詩308-5-15

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