チミ!
今度の研究のテーマは
「道に迷った認知症の方が家に帰れる方法」にしよう

え〜 社長
それって うちの商品に関係ありますか?
そんなことをしたら
お金をドブに捨てるようなもの ....
猫のヒゲふるわせてとおるやんちゃな風の春

春の音木の芽の薫り日向に干したせんべい蒲団

いいことがあったのよと三度目の電話僕にはないけど

分解された春をまた組み上げるそんな季節のちから ....
生と死、幸と不幸を分ける境界線の
なんと曖昧なことか
一体彼らが何をしたというのだ?
彼らと私の違いなど何もないではないか

奪われた二万千五百十名もの尊い命
決して癒えきれぬ悲しみを不意 ....
拳は白く
階段をのぼる
風が風を
金と緑に分けてゆく


夜の起動音
ふるえ にじみ
したたりを覆い
したたるもの


曇に沈む指に沿い
音はかがやきを増して ....
おめでたい 性格は
得を するのだろうか

徳が 有るのならば 
最高ですけれど

特に 問題ないよ、と
言われるダケでも
別に 構わないんです

何故って 
「アイツ、おめでた ....
拭っても拭っても血が止まらない。ただティッシュを赤黒く染めていくだけで、何かほかにやりようがないかと思い、その血で化粧することを思いつくが、部屋には鏡がなく、窓ガラスに映して見ようかと振り向くと窓 .... テディベア抱いて奈落の底 ふたりの名を入れたジョッキに生ぬるいビール注がれている 君の言葉が泳ぐのは
淀みのない海流

北上しながら溺れるのは
空と
水平線とのあり得ない接点

君が脱ぎ捨てたいのは
どこまでも纏いつく
垢じみた毛皮
切り捨てたいのは
画布に滲 ....
缶を一つ 割りました
あなたが うふふと 笑いました

笑顔の空気が 広がったので
缶は パンパンに 膨れました

もっと増えて 欲しいので
踏み潰して 切り離して バラバラ ....
工場のことを 正しくは季節のない畑と言います 社会のことを 正しくは愛のない家族と言います 法律のことを 正しくは形のない縄と言います 経済のことを 正しくは摂理のない海流と言います 詩のことを 正し .... 代表戦となればそれがワールドカップだろうが親善試合だろうが街は青いユニホームを着た日本人で溢れかえる。サムライブルー。ジャパニーズオンリー。胸には八咫烏。我等をヤマトへと導きたまえ。

居酒屋もパ ....
大人は判ってくれない
どうでもいいような深刻な悩みと
爆走するハートを抱えたまま俺たちは
夜の待つ街へといつもいつも
それには理由がある
夏の朝まだ明ける前に飛び出していくフルーツたちを
 ....
再利用できない屑になる 三月の外気は
まだまだ零下だから
白くけむるよ
吐息はみんな白くけむるよ
こちら北海道の三月は
まだまだ桜と無縁だからね
凍えるよ
着のみ着のまま出てきたのでは
凍えるよ
ひ ....
半旗を翻す火曜日の午後
誠意を見せたいのではなく
誠意を隠したい

高層ビルの切り立った角に視線を走らせると
やがて雲ひとつ無い青空に至る
一般的には青として知られるその色を
疑うことに ....
ハヤブサのような男が
上空から舞い降りた
「ここは千歳海岸か?」
「いえ、水谷団地ですけど」
「フン、ずいぶん目測がずれてしまったな」
「転移ゲートならあっちですけど」
「それには及 ....
夜中
叫ぶ蝉
かなしい程
我を嘆かない
例えばサイレン
そうして来る災禍
気付いていないのか
誰に聞かせたい?
誰を救いたい?
七年の歳月に
何を知った
痛むのは
何処だ
 ....
根分けして婚姻届出しにけり わたしの辿った
春を数えていただけの、
それだけで、よかったはずの
とおい春


わたしには
あとどれくらいの春がめぐるのだろう、と
なにげなく指を折り、数え始めた
そう ....
遠い昔の冬景色
吹雪いた白い彼方から
蒸気機関の汽笛音
ポッポーと遠く聞こます。
白い息を吐きながら
走行する機関車の車輪の音(ね)

今、眼の前の雪景色
儚く消え去る場違いな
音無 ....
冬の間はずっと裸なので誰の目にも留まらない

俺が覚えているのは今日よりも明日のことだ

可能性が萌え
可能性が生い茂る
明日のことだ

今は裸でいる
冬だから
はだか

冬は ....
◇御用学者

原子力発電所は火
原子力発電所は火暴
原子力発電所は爆発
原子力発電所は爆発し
原子力発電所は爆発しま
タダチニ影響はありません
タダチニ原子力発電所は火
タダチニ原子 ....
防波堤に待雪草が咲いていた
みぞれまじりの波風の下
錆びた自転車をとめて
老人が釣り糸を垂れている

釣れなければいい
そんな素振りでリールを巻き
また投げる

そして海に沈んで ....
ジャングルジムのてっぺんに俺の子どもがいる
4月から小学生になる
逆光で子供の顔が消える
太陽の向こうにママとは別の女性を俺は想っている
子どもがジャンプして俺の胸に飛び込んでくる
なんて無 ....
初めて現代詩を読んだのは、柏駅のビルにある書店で現代詩手帖を立ち読みしたときだった。当時私は19歳で、漠然と沢山の出会いを受け身で待っている孤独な少年だった。だが現代詩は私のそのような欠落を埋 .... 碧い鉱石を
もう、ずっとながいこと
求めつづけて
彼は

自分が
空に渡っていった
海であることを
憶えていない







夕日の熱は
裏切りという罪を ....
【修羅】

へいわ とか
あい とかが
こわれることは
いとも かんたん だ

 三年前の みぞうが
 かんたんだ わすれるな と きいてくる 
 あんなに頻繁に目にした ゛みぞう゛ ....
かつてハムレットは答えた
「元気だ、元気だ、元気だ」
オフィーリアに加減を問われたときに
このときのハムレットが病気であるにせよ、ないにせよ
オフィーリアがどうであるか
オフィーリア ....
 
今朝もお寒いですね

いつものあいさつに笑みが見えかくれ

春に、また一歩



 
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