すべてのおすすめ
だいたい、そういうものは
ティッシュボックスの中に隠しておけば
見つけられないはずだった。
でも、部屋の真ん中に放置してしまった。
慣れってやつはまじで怖い。
それに気づいたならば、どんな格 ....
柔らかい声、ユニットバスの中で
名前を呼び合う時間は感涙モノ。
ただ、君が昨日の夜に打ち明けた
昔の男との胸糞悪い過去の話は、
棺桶まで
持って行くべきだった。
流れ出したものは戻って来る ....
 きみは夏の間、シルバーワークの老人にまぎれて土手の
草刈りをしている。日当七千円なら妥当かもしれない。
こんな夏でなかったら。
もしくは、橋の上を走るトラックから投げ捨てられた
小便入りのペ ....
鉄条網の針を越え、
肉体の中へ世界が群がりやってくる
便所の鏡に向かって
拳銃を向けるポーズをとった老人にひっかかり
おれは両手を上げ、
挨拶する。
違う衣装を纏っていても白い花がよく似合う。
場所がどこであれ、香りが君の輪郭を形作る。
その傍、墓標のようにボトルが並び―
行き来するヒールの群れに
何万回も踏んづけられた吸殻を敷きつめること ....
声帯とは何だったか、ドリス。
それは最初、産声のように
孤独を置き去りにして、
ひび割れた食器に投げ入れられた
硬貨のように
丸くはなく、
無数に穴があいている。

「見ろよ、血しぶき ....
この前の台風で吹き飛ばされた
標識とバス停。それと
信号機を見失うと最後。
立ち尽くすだけの我々
十万人の願いが
流れ星の残したその穴に
新たな光を生み出すまで
闇がつきまとう。
それ ....
歩道橋から
ひとりでに降りてきた
自転車の荷台には
期限切れの缶詰の山。

パイプ老人は痰を吐き出し
話題に上がるのは
幾ら値切ったとか、
踏み倒した事故処理と

レジの前で立ち往 ....
プロペラは淡くめぐり
煙を追い出す、雑木林に目をやると
(野良犬にこじ開けられた)
トタン塀の隙間から人影のような雑草が
生えていて
風が吹くと意味もなく揺れる。くすんだ
ビニールのコルセ ....
空港で飛ぶコウモリ、
背中にはりつく電波は一級品で
然るべきナビを覆う

真っ白な暗号
際限のない街の灯り
日本だとはいえ、
どこだか分らない。

HUKUOKA
HUKUOKA
 ....
白けきった月にベッドが一つ、
そんな腕で枕になりきるのは
楽じゃない。
わたしたちが会っていた時間は短かった。
日焼けした太腿をさすりながら眠る彼を見ながら
わたしはビールを飲んでいた。
夢の中で私の頭を撫でているかどうか
確かめられたらいいのに
一人きりで ....
地球儀の上からテントウ虫が飛び立つ。 唇は共有できるといっても、
硝子越しじゃ なんともいえないな。
収監された僕に会いに来るなんて馬鹿げている。
別れたというのに、君は激しく口を動かす。
お守りの警官が表情を窺う。そいつを罵倒し ....
バスが停車するたびに
バスガイドが代わる代わる乗り込んでくる。
口元に引き寄せたマイクから
日本から海外まで。観光地から
狭い路地から、台所から、寝室から
行くこともない土地の話を
そこに ....
友人に家まで送り届けてもらった。車から降りると、
ヘッドライトが照らしていたのは
大きな一匹のカニで(近くに水場もないのに)
口から泡を吹いていた。ちょうど二時間前には
男も口から泡を吹くくら ....
積もり積もって壁に
わだちが残されている。
破裂したタイヤは
ツナギを着た若い作業員が運んで行った。
躊躇いがちに灰が落とされる。
それと一緒に砂埃を含んだ風が
ショウウィンドウについた手 ....
一年前、ロシアでは火力発電所の煙から
金を採取する技術開発に成功した。
―その量、石炭一トンから12グラム。

雷鳴が遠のき、
昼になると雨が上がった。
来館者の多くは街へ出ていった。
 ....
三年ぶりに異動が決まって
どんな気分かだなんて
芸術家には分かるまい。
土手から西日がもれて
絵画のような光景が広がる。
でもそこに立ちはしない
車を走らせるだけ。
整備工の友人は
仕 ....
アルファベットをすらすら繋いで
バリケードを作るつもりか
それともまっさらな裸にエプロンとして下げるか
石板に刻みつけるような筆跡じゃ、筆記体と呼べないな。
そもそも筆記体を知らないけれど。
 ....
 億ヘクタールの 芳醇なる農地と引き換えに 
案山子はカラスたちの力を借りて、革命を成功させた。
おかげでメリーゴーランドの木馬は次々に死んだ。
生き残りもいたが、
そいつらはクビになった。あ ....
 補修工事のライトにかき消され
お役御免となった橋の上の街灯。
真っ赤なタクトを持った指揮者によって
流れるばかりの車―ナンバーから始まり
彼らの相方に至るまで―あることないこと
吐いては飲 ....
遺影の視線は遠い
叔母は この荒れた庭の様相を
予想していただろうか。

二十年近く、庭の入口に置かれたままの
雨曝しの軽トラックの窓から
自生した花が突き出ていた。

自宅菜園の畑は ....
物語とゴミ箱は切り離せない―

その夜、籠から逃げだしたハムスターが家から逃げだした。
飼い主の女の子が軒先で名前を呼んだのを私は聞いた。
しかし、公園のベンチから立ち上がる気が起きなかった。 ....
 朝、目覚めると家中クモの巣だらけ、湯気が立っているものもあれば
冷気を発しているものもある。つまり、部屋の中は煙が立ち込めていて、
まともに息も吸えやしない。気が狂いそうだ。おまけに、クモの巣の ....
 コインパーキングから出ようと精算したら、隣に止めていた車の
料金を払ってしまった。めげずに、もう一度コインを投入すると今度は
そのまた隣の―といった具合で、運転手たちはさまざまな母国語で、
あ ....
彼にその一件を報告すると、驚いて携帯をベッドの隙間に落としてしまった。
「どうしたの?」と隣で裸で寝そべる女は言った。
「女の娘?」と嘯く彼女を彼は無視しして、さっさと服を着ろといい、
これから ....
タクシー運転手の吉川さんが、こちらに向かって歩きながら
「昨日の夜、見たこともない美人を乗せたんだぜ!」と大声で話しかけて
きたものだから、窓を開けていた他のタクシーの運転手連中が
どこで乗せた ....
ドラム缶の中で羽化した
ボウフラたちが
シーツほどの大きさに広がって
街灯におおいかぶさる。五時三十七分
長距離トラックのヘッドライトに
体当たりすることで
火花を飛び散らせた。

男 ....
話を聞かずに、
女は紙飛行機を折っている。
無垢な翼だと今は思う

針路はどこへ向かっているのか知らない。
風はその都度
手のひらをかえすもの

冬の空は形容詞を求めない。なのに、
 ....
あおばさんのプテラノドンさんおすすめリスト(141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
[:From- プテラノ ...自由詩316-12-8
[:_house- プテラノ ...自由詩113-11-10
[:probability- プテラノ ...自由詩113-8-27
[:object- プテラノ ...自由詩213-5-28
[:chain- プテラノ ...自由詩213-4-22
誰か窓を開けろ- プテラノ ...自由詩113-3-6
車が来ないのを見計らって- プテラノ ...自由詩213-1-21
[:other- プテラノ ...自由詩112-11-24
:detour- プテラノ ...自由詩712-11-18
:earphone- プテラノ ...自由詩412-11-15
[:business- プテラノ ...自由詩312-9-19
:level- プテラノ ...自由詩312-8-25
夜明け- プテラノ ...自由詩312-1-9
[:rip- プテラノ ...自由詩111-12-29
[:trip- プテラノ ...自由詩311-7-26
[:bubble- プテラノ ...自由詩311-6-6
[:weight]- プテラノ ...自由詩411-4-27
19g、21g- プテラノ ...自由詩211-4-2
愚痴- プテラノ ...自由詩411-3-6
[:ink]- プテラノ ...自由詩211-2-27
案山子革命- プテラノ ...自由詩210-9-19
朗読(1)- プテラノ ...自由詩110-9-13
手形- プテラノ ...自由詩410-8-20
[:shoot]- プテラノ ...自由詩2+10-8-15
辻褄- プテラノ ...自由詩310-7-30
精算- プテラノ ...自由詩310-7-22
会話で起きたこと- プテラノ ...自由詩210-7-8
駅で分別されずに捨てられたゴミのエピソード- プテラノ ...自由詩510-7-2
ドラム缶の、ゆれ- プテラノ ...自由詩210-6-10
歩道にたまった枯葉が風に飛ばされていく- プテラノ ...自由詩410-1-30

Home 次へ
1 2 3 4 5 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する