遠近感を失くした心に
圧し掛かるコンクリート色の空
それは浮力を相殺し
ひと気のない公園の片隅に
鳩のよう
視線は堕ちて行く
否定も肯定もしない
午後の息苦しさは
酸欠した金魚のよ ....
もしその道を歩んだらと
目を瞑り、{ルビ想像=イメージ}してみる
そこに光が射すなら――
すでに・今
道は始まっている
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
....
生まれ年のワインが不味い
リモコン持たず布団に入ってしまった
生活の棘を確かめながらも飛行経路を探る 君の声も聴こえなくなったんだ
風は凪いでいるがこころはアゲインスト 僕の翼はどれだろう
フラッグが高々と上がり アーユーレディ?
準備不足だらけの間の ....
何時から皆泳げるようになったのか
すいすいすいすい
人間が横切る
何の不安もなく足が地球から離れる
風はないがもっと重苦しい流れがある
音は聞こえるのだが
ゴボゴボ空気の泡立つ音が ....
田んぼ
乾いた田んぼに水が入って
追いつけないままに去っていった
春の詩をようやく諦める
花菖蒲は元気に咲いている
紫陽花もゆっくり色づいてゆく
発芽した朝顔は満員電車みたい ....
違う私になりたいなんて
思ったことは一度もない
違う私になってしまえば
たとえば
眼もくらむほどの美貌とか
今より
たぶん7センチ
すらりとのびた背筋とか
だけど
あなたに出 ....
林檎や梨が
その位置を偶然から必然へと動かすとき
その表面へ差す光は
外部に言葉を与え 内部を言葉から離した
再び
林檎や梨が
その位置を必然から偶然へと移すとき
昼の底にある闇が
....
気難しい顔をした男が独り
横顔に夕陽を浴びて
刻まれ顔の皺の陰影
海面から反射した悪意を身に纏う
人生の黄昏時
手ぶらのまま男が独り
視線の先には水平線
海鳥の獲物を掠め取ろうと
....
憧れを抱く弱さを隠し通す 隙は見せずにともに働く
隠すもの 言葉の裏には何もない 暴くつもりが暴かれている
幾つかの Sour Grape 勝ち負けは一度忘れて ....
アカシアの雨がやむときをききながら
雨がふっているんじゃないかと、窓をあけてみる
月夜なのに、こんなに明るい月夜なのに、
*YouTube アカシアの雨がやむとき (西 ....
世界にたったひとり
取り残された気分で
自転車を走らせる
コンビニを通り過ぎ
高架下をくぐり
収穫を終えた田んぼの
あぜ道をカタカタ走る
目の前の景色は
時と同じスピードで
....
星は一生を終えると
ブラックホールとなるらしい
自身の重さに耐えきれず
あるとき自然に崩壊する
質量だけが生き残り
ただひたすらに落ちている
周囲のものを巻き添えに
人も一生を終 ....
昆虫が窓を開ける
五月と
そうでないものとが
出て
入って
混ざり
離れる
言葉の中で
空はまだ
青く
美しいのだ
日用品と
出来立ての虹を買って
君が帰ってくる ....
小暗い森の小径には菌類や地衣類が生息している
その息づかいを君は感得できるだろうか
存在の密やかさをそれは秘めてあるのだがときにそれを
踏みつけてしまう僕たちは傲慢な生き物なのかもしれない
....
ひとり さまよう おひとりさま 酔う
大海を さまよう いっぴきのいか
あたりのいろに 自身を染めながら
いかがなものか 敵があらわれた
いかのからだは またたまくに変 ....
夕焼けが後押しをするプロポーズ
身体中にお経書いてやろうか
父の母が亡くなり
その後しばらくして
父の兄が亡くなった時
父がぽつりと言った
「今度は俺の番だな」
その順番の通り
父は亡くなった
四十九日が過ぎた時
母がぽつりと言った
....
今日
薬缶のたまごで目玉焼きを作りました
蒸気を吹くので食べるのに一苦労でした
ソーセージのたまごを割ったら
中から生肉が出てきたので
塩を振りかけて焼きました
いつの間にか皮に包まれてい ....
修復と言う名の慰謝があるんだきっとどこかにね
今ここになくてもきっと何処かで待っているんだそう信じてる
それは魔法じゃなくてごくごく普通の平凡な光なんだ
手を伸ばせば届きそうなそれは柔らかく ....
瘤だらけの罪悪感を、家に置いてけぼりに
まひるの電車にゆられ
晴れた空が眉間に滴り落ちるばしょにいく
宇宙の滴がX線になってぼくを透過して
きっとどっかたいないの、奥の方に引っかかった ....
石が 微笑った
意志は 笑わない
財布の中身が 合わないんです、
と 同程度の笑顔で
呟く
カラン、 と コインでも落ちれば
意味が有るのですけれども
どうやら そうでも ....
ひがないちにち丘の上で雲をみていた
雲には歴史がないんだただ瞬間だけがあるんだ
アンタレスは赤色巨星で太陽は金の林檎なんだな
僕はちょっぴり白色矮性みたいな気分だ
120億光年の彼方の銀河 ....
庭にでて現代詩を忘れた。
草が揺れている理由がわから、ない。
夕方の事件に対しての答えは、ない。
世界地図は地面に落ち
そのままとけてなくなった。
遠くに見える
三角の山は現代、詩が生 ....
秘密にしておいたほうが 良い
だれにも明らかな回答は 無い
アーガイルチェックに 奇跡の鍵があるのだ
世界の全てが斜めになる角度に 虹が現れるように
千羽鶴を折るなら
菱 ....
順調に河をくだっていたはずだが
気がつけばこの船は
豪華絢爛な泥船で
狸顔したチワワ数匹
キャンキャン喚きながら
不安定な船の中で走り回り
客の老若男女たち
口々 ....
{引用=
御控えなすって
御控えなすって くださいませ
さっそく御控えくださり ありがとさんで ございます
軒下三寸 液晶一面 借り受けまして
失礼さんに ございます ....
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