カーテンの向こうの 
ついぞ見えたことのない 
とおくを見るまなざしの
(がたーん)
ひとりの
(がたーん) 
月影 
この、流れていくみどりのうえの 
ぶれていく指の 
疾走 ....
江ノ島の砂浜で、
少年だったわたしは、
父とカイトを、飛ばした。
父の、大きな背の、
後ろで空を見上げる。
埋まる足元と、手につく砂。
潮風に乗って、
黒い三角形のカイトは、
糸をはり ....
  仔犬のトイ・ヌードル
  ももちゃんは
  六ヶ月になった
  体重も2.7キロに
  いまはとっくんちゅうである
  お手 
  お座り
  ふせ
  ハウス ....
  
  AM4時になった
  烏もなかない
  あんなにゆきとあめをふらせたのだから
  きょうは晴れだろう
  まだカーテンは開けていない
  眠剤が効かないので
  朝早く起きてし ....
朝 起きてくると
窓越しに
遅く咲いた百合の花があって、
君はガラス越しにそれを見ていた
こちらを振り向くこともなく

 台所では
 しじみが口をあけてことりと音をたてる

僕は煙草 ....
風に吹かれ
アルミニューム
薄い地面の中に
突き刺さってみた
ボクいつも
抵抗ははかない

だので無抵抗主義で
砂埃に身体を浮かせ
ボクには光はまぶしく
いつのまにか
四角い部屋 ....
あなたを見つめる私を見つめる街角の眼を見つめるあなた   ノックを受けた
  10本 50本 100本
  陸上競技場でだ
  打っているのは父だ
  容赦なく短いボールや
  横へのボール
  前と後ろのフライ
  ショートバウン ....
掌に乗る
生命の記憶の
なんと軽いこと
幼い頃に言葉を喰らいすぎたのだろう
ジャンキーであると気づいた時には遅かった
わたしのなかには茱萸の実に似たかたちのものが棲みついており
それが私を満たしがんじがらめにする
 
わたしは哀し ....
今朝テレビで観たけど
そっちはすごく寒いみたいだね
戦後最大級の寒波ですって
アナウンサーが興奮気味に喋ってたよ
いま戦争の真っ最中なのに
戦後だなんてなんだかおかしいな
ちょっと遅くなっ ....
川原を歩く
黒くてつややかな石を探す
びんぼうぐさ片手に、これは黒曜石だと騒ぎながら。
そんなはずはないのに
そんなはずはない、と
一番わかっている連中が、騒ぐ
これは黒曜石だと。
つや ....
 

  父は帰ってこなかった
  後で知ることになるが
  街の花柳界で板前として働いていたようだ
  華やかなところだから飲む賭つ買う
  生活を送っていたらしい
  ぼくた ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
白の終わり

マラソンコースが変わった後も毎朝堤防まで走る
その道程の 掻き曇るどころじゃない
レモン臭い息たち

ゆずの終わり

できたばかりの新しい大きな橋が
デートスポット扱い ....
一年に一度だけ、
わたしと母は、海草をとりに、
江ノ島に向かう、
その途中に、枯れ木の門がある。
昔、「厚生病院」と呼ばれた場所の前を、
母の運転する車で通る。
信号待ちで、助手席から、
 ....
  母はぼくを背負って
  毎日踏み切りを渡った
  栄耀失調だったぼくは
  医者に通っていたのだ
  記憶は曖昧だが
  ぼくたち母子は貧しかった
  ある医者は
  『下痢をするの ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
しゃぼんだまふくおだやかな日
ベランダへと長い優しい風
息を 吹きこむ私、から私 を

駐車場一つ向こうの昼寝してるおじいさんにも
広場で太極拳してる団地のおばさんにも
公園で笑う子達にも ....
笹公人さんの歌集『念力家族』http://po-m.com/forum/bookad.php?did=29415から32のお題を拝借してつくったものです。

1.念力
念力の半端にかかり雪解かな ....
地へ
冷たい雨として
雪終えた空が
地へ
雪終えた空が
冷たい雨として



黄色く丸く
眺める
ショーウィンドウの
ウールの子供服の



の方角、の ....
なんだか重いな寝苦しいなと思うと
大きなわけのわからない生き物が
胸にのっているんです
そんなことが毎日です。

ふうっと煙草の煙を吐いて
彼女はティーカップにくちびるを寄せ
とつぜん苦 ....
 真昼の冬空 
風は片っ端から雲に形を与えていたが
僕は言葉に出来ず 見つめる視線は気絶した
灰色が潰れた雲の上でジェット機が飛ぶ
ぼろぼろとなった空の鼓膜は 僕の声はおろか 
トラクターの ....
花がさいたよ

どこか 風の中で
そんな声を聞いた
五月

娘はぼくの手を引いて
お歌をうたう

元気よく帰ろうね
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人

遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤

水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい

丸ボタンひきちぎっても ....
黒頭巾ちゃんは、おおかみにばりばりと食べられた後、おおかみの内側からはらわたを噛み千切り、ぬめぬめとした何枚もの膜をカッターナイフで切り分け、血まみれになりながら脱出しました。
そして何事もなかった ....
  灰色の山に日が沈む
  昔純情だったぼくも
  椿ではなく壊れた機械だ
  モダン・タイムス
  笑う気持ちがよく分かる
  チャールス・チャプリン
  喜劇は悲劇だ
  幾重にも金 ....
  柳と風
  プラドー美術館
  黒いマントの少年がよぎる
  鳥ではない
  黒いマントの少年だ
  マドリッド
  ボスとブリューゲルを見に
  はるばる来たのだ
  信号待ちに ....
屋根裏部屋には
消しゴムの標本があるって
かりふぉるにあおじさんが
声高々に自慢してた
その中に
砂消しもあるんやろかと
梯子に右手をかけると
親指がちょとだけ(約1cm)
 ....
   エトピリカを待つ
   絶滅寸前の
   マボロシの鳥
   600mmレンズを据えて
   何時間でも
   ポイントを決めて
   弟とぼくと
   二人のカメラマンが
   ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遺された春- 渡邉建志未詩・独白2*05-2-20
点のカイト- 光冨郁也自由詩905-2-20
ももちゃんとお食事- 天野茂典未詩・独白505-2-20
あんなにゆきとあめをふらせたのだから- 天野茂典未詩・独白305-2-20
蛍光灯がきれて買いに行く日- 浅見 豊自由詩9*05-2-19
一円玉のささやき- Six自由詩205-2-18
循環- 佐々宝砂携帯写真+ ...105-2-18
飛びつきながらボールをさばくぼくらの姿は- 天野茂典未詩・独白305-2-18
崖の下で- 佐々宝砂携帯写真+ ...11*05-2-18
爛熟- 白糸雅樹自由詩305-2-18
終わらない冬に- 大覚アキ ...自由詩205-2-17
黒曜石だと騒ぎながら- かなりや自由詩2*05-2-17
その血もまもなく滅びようとしている- 天野茂典未詩・独白2005-2-16
サイレン- たもつ自由詩3605-2-16
白の終わり- 合耕自由詩2*05-2-15
ペンギン- 光冨郁也自由詩6+05-2-14
子供たちに母の背中を- 天野茂典未詩・独白1005-2-13
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
しゃぼんだまわたし- びわ自由詩205-2-13
念力俳句- 佐々宝砂俳句805-2-13
黄、丸、釦、春- A道化自由詩7*05-2-12
ガーネット- 佐々宝砂自由詩405-2-11
こみあげる景色- プテラノ ...自由詩6*05-2-11
かえりみち- 浅見 豊自由詩3*05-2-9
貝殻骨- 佐々宝砂短歌905-2-9
黒頭巾ちゃん- チアーヌ散文(批評 ...1005-2-7
金閣寺の夕映えは美しい- 天野茂典未詩・独白105-2-7
ボスとブリューゲルはいっぱい赤い種をまいていた- 天野茂典未詩・独白205-2-6
梯子- AB(な ...自由詩605-2-5
エトピリカは歌に歌われていた- 天野茂典未詩・独白405-2-5

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