もうずいぶんとむかし

あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた

きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
夏の日が薄紫色に
透けて近いので
君になにかを書きます

花が開いては
落ち
黒い道路を汚しては
それをふまないよう
ふまないよう
すこし飛ぶように
歩き

振り向いたなら
 ....
走り出して一年弱
開通フィーバーも
忘れたかのような
副都心線の渋谷駅

ホームの真ん中に
露出している線路
オブジェのように
まだ無意味に佇む


急行があることを
失念して ....
いま、にも、
花弁の粒が零れ落ちそう、です。

この花の名前は何なのですか?
知りません。

いつもこの時期に咲くのですか?
わかりません、
が、
一つだけ言える事があるならば、この花は涙の粒で出来て ....
わかちあう わたしは
みんな わたしたち

花をわかち
春をわかつ

街をわかち
ふるさとをわかつ

笑い声をわかち
淋しさをわかつ

本をわかち
音楽をわかつ ....
生彩を欠いた蝶の羽
五月を前にはらりはらり降り下り
僕は教壇の上から
少女達が浪費するかけがえのない時間を見ていた

どんなに愛を求めても
それは手に入らない

母を喪った友人が
人 ....
角砂糖をひとつ
昨日の夕焼けに落とした
レモンだけじゃ
辛すぎるかもしれないし
ただなんとなく

作り笑いをひとつ
一昨日の捨て台詞に添えた
当って砕けただけじゃ
苦すぎるかもし ....
青空から真っ白い
雪が落ちてくる
所在なきものたちが
幸福を連れて
地上にやってきた

見えないところで定着
成長する細胞のはじまり
子宮でお遊戯会が催される
喘ぎ声 ....
庭に日の差す縁側で
かげろうにゆらりと手をかざす
つかめないな
銀のコップが透き通って
細く光る指先の丸み

着られなかった
紺の制服をまとって
うっすらとたなびくおまえ

好きだ ....
あの頃
私は叙情の生き物で
君の全てが詩歌であった


差し出された手の平に
丁度良く収まる
この手を乗せると
合わさった部分は
いつもほの暖かく
淡い色合いの空気が
ぐるり ....
真昼に背伸びする
僕達の忘れ物が
緑のてのひらを
ひらひらと泳がせて

人の歩く畦の
少しぬかるんだ日陰で
ころりころりと耳そばだてて
笑っているよ 楽しそうに

もうすぐ旅立つ時 ....
暑いでもなく 寒いでもなく 
気温という言葉の存在すら忘れ 柔らかな光につつまれる春心地

昨日まで鈴なりに咲いていた桜花は 「全ては夢だ」といわんばかりに姿を消し
雀を思わせる褐色の枝々の ....
シャツはばっちりと糊のかかったものしか着ない
髪を梳かしかかったりもしない
そんな行為自体がない
なんて、
ファンタジーの行き止まり
青あか黄みどり紫いろのころも
散ばった
のだ、
夏 ....
背中を伸ばして
きちんと行儀よく
すっ、と並びます

風と季節の間に
小首をちょっとかしげながら
すっ、と顔を覗かせます

たくさんのしあわせを
全身で吸い込んで
すっ、と頬を染めます

すっ、と邪魔 ....
夜が明ける。見渡された地上には煌々と赤い光が射し込んでいる。もう四時だ。傾斜した山肌を仰ぐようにして羽を休めようと舞い降りた地上で何かに躓いた。カリ、という石にしては有機的な音だった。足元に転がってい .... {引用=

ガラスの目玉はなお黒々と
烏鳴かずに むくろをつばむ
ささくれた嘴 朱に染めて
過ぎし唄声 かすかにきこゆ
朧な月よ 頬染めよ
柿の若葉の柔らかな
木の香まといて いずこに ....
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山

行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
 
 
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく

月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
桜の花は 落ちた姿が美しい

少し笑って 君が言う

桜の花を 近くで見るのは 恥ずかしい

少し笑って 僕が言う

ただそれだけの 二人の間に 華の川

ああ どうか あの春告鳥 ....
毎日 ベタベタするのはニガテ

ランチ食べるのも 映画見るのも
買い物行くのも 小旅行だって
ひとりの方が気が楽だったりする

メールの返信だって 律儀な方じゃなくて
よく心配か ....
?.何故散文が苦手なのか?

オブラートに包んでない感じ、つまり、他人様の考えがそのまま見えてしまうのが苦手であるから。その他に苦手だと感じる理由を挙げるとするならば、読んだ際に物凄く「押し付 ....
 

純然たる君の回り続けるスカートに
くるまって君にしかわからない合図を送るから
光のつぶてで冠を編んで
この世界が、目まぐるしいこの世界が
つくづく目まぐるしいので振り返れば泥土でしか ....
 
 
街がある
人が歩いている
速度と距離がある
自動販売機に虫がとまっている
市営プールのペンキがはがれている
バス停に男男女男女
窓がある
死体がある
死体の側で泣いている人 ....
この絵に
足りないものがあるとしたら

瞳の奥に色を使うのを忘れ
きっとぼくは
二次元のような顔をしていたと思う

もしもこの中から
たったひとつ選べるのなら
今のぼくならきっと迷わ ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る

裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている

じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
授業中は豚小屋みたいに騒がしいが、放課後は静かだった。
皆がみな、もて余すことなく遊び呆けていて
部活をするような生徒は一人も!いなかった。
そして、数年間にわたりグランドを占拠し続ける雑草は昼 ....
{引用=※}
いままで
だれもみたことがない
世界地図をえがきながら
いつまでも未着の手紙
のことをかんがえる
そして
伝送されつづけるテレパシーのことをかんがえる
どちらも
回帰線 ....
湖の中を泳ぐ
水面から顔を出す
岸に腕をのばし
力を強く込め

二本の腕の力だけで
ずるりと這い出す
うろこで覆われた
下半身を引っ張って

ここから
もっと
這っていったら
 ....
ダム
ダムダム
ダムの底

いろんなものが
死んでいました

ダム
ダムダム
ダムの底

おうちや
車や
おじいさん

ダムの底は
いつも真っ暗
何も見えない
聞こ ....
 
 
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ




触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
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