季節の針は梅雨ど真ん中をさし
天気も梅雨らしい重たい空を示す

しとしとと溜め込んでいた湿気を
吐き出す雨は降り止む事を知らず

と言う風に全てが予定通りに進めば
なんとなく安心できるの ....
キリンは新婚カップルの取材を担当した
ツルとカメは生き証人として
動物園の歴史を書いた
シロクマは環境問題に
ゾウは動物虐待の実態に
鋭い論調でメスを入れた
羊たちは眠れない子供のために
 ....
いもうとを  見つけた
薄紅色のあじさいに架かる蜘蛛の巣に
囚われて 泣いて

いもうとを  見つけた
砂まじりの南風に吹き舞わされて
囚われて 叫んで

やあ ....
グスターフは 静かに 時を 待って いた

湾口の 砂州は 彼の ふるさと で

きょうは どうしてか

鼓笛隊が 空を 横断 して ゆくよう だった





お ....
古い家の
納戸の隅とか仏壇とかに
小さな暗やみがいっぱいあったけれど
おばあさんがいつも座っていた
土間につづく台所にも
深い暗やみがあった

その暗がりに何があったのか
覗いたことも ....
ときどき妻が
キッチンの引き出しの中をのぞいて
笑っているのはなぜだろう
中をのぞこうとして近づくと
あわてて閉めて私を追い払う
みんな眠ってから
トイレに行くふりして
開けようとした瞬 ....
わたしたちのうえに空がある、その水に浮かぶバラのように、
ほたるがやわらぐと、韻律のように風がすぎていった

伝書鳩がもどらないガラスの夕刻、
そよぐ花びらのまえで、つばさをかすかにふるわすこ ....
きみの肌は何度たべても不味い
そのことを告げたらきみはさみしそうに
笑った
汗をかいた君のよるが
わたしだけのものになるから
それはそれで幸せなんだよと
いいたかったけどい ....
こんな拙い言葉では 届かないかもしれない

だけど だからこそ 

あなたが視線で追った わたしの一つ一つの言葉が 一行一行が

そのまま浮き上がって 瞳を通して 身体のどこかに 直接流れ ....
あなたの言うつまらないことで
空のブルーがわらいます
色えんぴつをかじったら、
少しだけストロベリーの味がしました

あなたの笑顔で
お菓子の家のチョコレートが溶けて
それは大きな海にな ....
いっそ
この身も
空に焼かれてしまえば善いのに



『夜光雲の{ルビ翅=はね}』


こう毎日毎日暑いと
夜明けの空には
夜光雲が
欠かすこと無く空を彩るのです

 ....
暗闇にはだぁくんがいる
たぶん夜行性で
明かりのない部屋とか
夜中の長い廊下とかに
体育座りをして
誰かが来るのを
待っている

照明をつけないで
廊下を歩くと
だぁくんは近づいて ....
 
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた

いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた

河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった

知っていたとしても
 ....
兩頰に赫き渦卷書き入れつ街を往けども誰も嗤はず

不快指數高き闇夜に獨りゐて柳の枝の猫をこそ思へ

四拾弐の夏は来にけり莫迦坊の父より年嵩なりしや吾は

川&#322 ....
雨脚や出水の亀の見ゆる窓 ◆詩集は目につかない?
 あたしなんざこの年になるまでほとんど詩なんぞ読んだことはなかったわけですが、その理由の最たるものは、「詩集は簡単には手に入らない」これにつきたように思います。
まず書 ....
■内閣総理大臣緊急演説

年間3万人以上の自殺者がでるようになって、もうひさしい。 この10年けの累計で25万人を超える自殺による死者がでているということになる。我々は、自殺という犠牲を伴う戦争を ....
一年ぶりにルゾンに行った
エリーはまだいた
胸元の開いた黒いドレス
すっきりと鎖骨があった
その間からはるか遠く
エッフェル塔が見えた
エリーは携帯で撮った
子供の写真を見せてくれた
 ....
ジャックは豆の木に登らない
代わりに木の台に座る
そうすると
(地面にいる虫たちに邪魔されない)
らしい


犬らしくないジャックは
だけど、海賊でもない
ただのジャックだった
犬 ....
若草色のかざぐるまに
しがみついていた、あの人が
夕風にさらわれて
私の中を流れてゆきます

水たまりの映す青さの
ほんとうを
確かめるまえに
軽々と飛び越えて
もう
行ってしまっ ....
"母の日"に 母に贈った『四つ葉のクローバー栽培キット』

クローバーの葉には それぞれ意味があって
たしか『希望』、『信仰』、『愛情』
そして、四つめが『幸福』とか

 ....
?.


眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな







?.


 ....
遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
その人はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた

空 ....
直角先生の背中を覚えてる
今にも椅子に座りそうな歩き方をしてた

私が勝手に背伸びしたのだよ
行動の意味もわからず
その後を追った
つもりだった

カクカク キカキカ

物静かな先 ....
                    チューシャは少女のようにはしゃいでいた。午後の陽射しが強いスジャータ村の大きな木の陰で、普段はサドゥなんかがルンギーとして愛用するオレンヂの布を大地に広 .... よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ

よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
何も悪いことしていない


「死刑じゃないだけマシだろ」
 殺してくれたほうがマシだ
 けれど 罪を認めるわけにはいかない


何も悪いことしていない


「吐いたら楽になるぞ」 ....
誰だ?
地球儀を思いきりぶん回したのは
俺たちの心の中で地球儀を思いきりぶん回したのは誰だ?
おかげで俺たちは目も頭もなるとだ あっちもこっちもなるとだらけだ
なるとばっかりのラーメンなんて食 ....
ごめんね
としか言えないよ

おとというさぎ

あたたかい
あなたの腕は
やさしい

私は
幸せなんだと思う
だけど

噛み切るような凶暴さが
この恋にはないことを

 ....
夏の氷は透き通っていた
四角いその宝石を
水の中へと入れると
しゅわぁという音が聞こえた
それをじっと見つめる
自分の中に固まっていた何かと
同じようだった

さようなら
この氷の最 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
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夜と白昼夢- アオゾラ ...自由詩8*07-7-5
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夏の氷- ぽえむ君自由詩12*07-7-2

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