雲の隙間 渡り鳥の影
兄弟は膝で立って見つめる
煤けた駅に着く度
ひとつひとつ歳をとっていく
遠く青空を
帆船が抜けるような春
冬のような春


ガラス窓が区切り
今もう車内では何 ....
縫うように眺めるなんてよくいったもの
瞳をふちどるまつ毛は―針みたいに―貧弱そのもの
けれど私はそれをうまく縫えるのだろうか。
あの魔法の絨毯を。誰を最初に乗せる?どこまで行くの?
<Blanc pur>

窓から光が射し込む
新品のランドセルが掛けてある
白いカベの部屋
音はない
ベッドの上で雄太は
ぼんやりとしていた

  
   ※


<C'es ....
( あさ )

おきてかおをあらってかがみをみて

「きょうも1にちがんばろう
 できのいいにんげんにならねば」

てにしたドライバーで
からだじゅうのねじをしめた 

こわばった ....
「ショクヨウガエル」という物悲しい名前の蛙がいる
まるで人間に食べられるためだけに生まれてきたかのような名前の
体長十五〜二十cmにもなる巨大な蛙

正式な和名は「ウシガエル」
食用とし ....
世の中には必ず上と下がある
上を見上げれば限りなく
下を見下ろせば意外に底が近い

空を見上げてみる
やっぱり無限だ
ならばと
下を見てみる
見えるのは足の下にある地面  ....
氷の張った 湖を
先割れスプーンで
つつき続ける。

スプーンは 次第に
こぼれてくるが

氷も 次第に
諦めて、水を晒しはじめる

ポットパイのような
そのやり取りに

ミ ....
やさしいあなたはわたしの何倍もやさしい
わたしはすぐになにもかもあきてしまってやさしくなんかないのに
あなたはわたしを許すとか許さないとかじゃなくただ
いろいろなことをやさしくこなし続けている
 ....
サメのひれを持った人が
ゾウの鼻を踏んづけたまま
時計の歌を歌った

それで終わる物語に
読み仮名だけが振られている

今日は春も近いのに
誰も二階から降りてこない
 日曜日にわたしは、レジャーランドで、クリスタルのユニコーンを買い求め、夜のバスで家に帰る。窓の外は、暗がりの裂け目。
 窓には夜の空。自宅の浴室でうっすらとしたヒゲをそり、黒いセーターに着替えた。 ....
     ふと思いついて、昔書いた詩を投稿してみま
     す。一九九〇年から一九九四年ぐらいまでに
     書いたものを、自分の中では「初期詩篇」と
     呼んでいます(それ以前に書い ....
まるで葉っぱの落ちた木のようだ

風が吹くたびに
小さな声をあげている

ゆっくりと息を吐きながら
それでも溜め込んだ本音を飲み込んで

掲げた両手の先
どこまでも遠い空を眺めれば
 ....
隣の部屋で音がする
古い団地ではよくあること
玄関のチャイムが鳴って
顔を出すと泥棒が逃げていく
強盗じゃなくて
良かった
近所のよろず屋がある日突然コンビニに
これもよくある話
角の ....
 わたしは失業し、夏を迎えた。記録的な真夏日が続いている。ここしばらく風邪をひいていた。咳が出る。寒気がす .... なにもせずに なにもかんがえずに すこしずつ ほころびてゆくよ
おさけと せっくすと たばこと ぱちんこと ぱちすろと
ばいとのぐちと くるまに ばいく おんなじはなし おんなじはなし
くりかえ ....
“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました


前前から
死神の電波加減や頑固さには目を瞑って来ました
でも今回ばかりは限界です
私 ....
朝 窓
陰の光
風で息づく静物たち


個の
亜の
景色の粒
戯れたあとの汗


雲がたちこめた空
ほんの一瞬 かがやく庭
焦げた葉ずれ音

 ....
あぁ、なんて小さいのか

拳一つ分の命は
ワンポンドにも満たないと

その儚さに反する温もりと
ズシンとくる重さにおののきながら

まばゆいばかりに輝く微笑みに癒され
見守る ....
彫りの深い司会者が
深い彫りの中で溺れて
ウェディングケーキはもう
瞼の中でしかカットされない

花束を越えて
何度も生まれてかわろうとする
たくさんの父と母は
まだ静かなまま ....
ある友は移動中のバスで吊り革に今朝もぶら下がり
車窓が雨に濡れるのを見つめながら
渋滞で出勤時間の近づく腕時計を見て{ルビ苛=いら}ついていた

もう一人の友は勤務先の病院で
昨日の眠れな ....
消しゴムだけで人物画を描く画家は
私に「見ろ」と言った。
私は鏡よりもそっくりだと思った
キャンバスは鏡だった。
こんがらがった平和の
リングを ひとつはずして
のぞきこむと 青空のした 
コロシアムで こどもたちが
ペットを たたかわせていた
平服でおいでください
そんな文字を見つめながら
思い出すあなたのこと
もう忘れたかなあ
あの日の夜のこと
特別だったのはあの日だけ
でも
たぶんあなたも覚えてるから
呼んでくれたんだね ....
“朝は優しく起こしてください”
というのは
寝汚い死神のきまり文句です



名付け親の死神は寝起きが最悪です
五個の目覚ましなど死神の眠りの前では無力なので
死神を全力で蹴り起こすこ ....
ぼく、
で始まる作文は良くありません
と先生が言ったものだから

ぼく、は
とりあえず僕の事はおいといて
まるで明後日の方から見た事を
喋り出す

ぼく、は
ほんとの僕が見えな ....
なつかしい歌を
久しぶりに聴いたから

あの頃読んだ詩の一節を
ふっと思い出したから

永遠だと信じてた時間が
いつの間にか
過ぎ去ったことに気付いたから

絶え間なく変わり続ける ....
何処へ行こうか
何処へでも
何処までも

ひらかれた未来は
少し顔を上げて ほほえむ人の
涙も隠さずに生ききろうと する人の
幸せを 高くかかげて
見守っている

夢見る自由は
 ....
おかえりなさい と
響いていた
泣きながら 来た時も
微笑んで 来た時も
胸にしまった たくさんの色も もう
知っているよ と
さあ おいで と
両手を広げて
命を 抱きしめる
寛容 ....
髪を切ろうと決めたのは
特に心境の変化があったからではないけれど


肩までのびた髪を両手でまとめながら
記憶をほどいてみればさかのぼるほど
やけにたくさんの思い出が
ちらついてしまいま ....
世界中のあらゆる拷問の道具が
天井からぶら下がっている
静かで清潔な部屋で
一人の野蛮人が
膝の上に乗せた子犬を
優しく撫でている

子犬は
野蛮人の膝の上で
まどろみながら
人間 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
レール- 便乗鴎自由詩3*06-2-14
絨毯- プテラノ ...自由詩1*06-2-14
Lumiere_〜光〜- セキラボ ...未詩・独白106-2-14
「しゅうりずみ」- 服部 剛自由詩6*06-2-13
ショクヨウガエル- たもつ自由詩906-2-13
どん底に生きる人々- エンジニ ...自由詩206-2-13
アイスパイ- 仲本いす ...未詩・独白206-2-12
やさしいあなた- チアーヌ自由詩706-2-12
読み仮名- たもつ自由詩406-2-12
ユニコーン- 光冨郁也自由詩606-2-12
初期詩篇選集「尾行者の音楽」- 岡部淳太 ...自由詩7*06-2-12
背伸びする- ベンジャ ...自由詩7*06-2-11
隣から- チアーヌ自由詩206-2-11
夏風邪- 光冨郁也自由詩6*06-2-11
きろ、つきはなし- 自由詩306-2-11
死神と私_−夜霧よ今夜も−- 蒸発王自由詩8*06-2-11
不在者- 木立 悟自由詩206-2-10
*きろ、つきはなし*- かおる自由詩6*06-2-10
じみこん- たもつ自由詩506-2-10
明日の朝も僕等は- 服部 剛自由詩7*06-2-10
二月の肖像画- プテラノ ...自由詩1*06-2-9
そろもん(知恵の輪の話)- みつべえ自由詩306-2-9
平服でおいでください- チアーヌ自由詩506-2-9
死神と私_−朝の卵−- 蒸発王自由詩10*06-2-9
きろ、つきはなし- AB(な ...自由詩506-2-9
心の色- さち自由詩16*06-2-9
空の色- さち自由詩9*06-2-9
海の色- さち自由詩9*06-2-9
髪を切る日- ベンジャ ...自由詩5*06-2-9
アイスクリーム- 大覚アキ ...自由詩506-2-8

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