{ルビ蛍石=フローライト}の屈折系でねじ曲げる
透明ゆえの分光
赤道儀のその先で
一つとしてそろわない秒針を
幻想のように共有して
誰かの未来で僕たちはまばたきをします

季節から時計が ....
ねえ にゃんこ

私が仕事に行っているあいだ

君はなにをして帰りを待っているにゃ?

お腹がすいたらカリカリを食べ

眠たくなったらお気に入りの場所にゴロンってなって

本当にに ....
緑あふれた
かの沼地には
蓮の花が咲き誇り
緑あふれた
かの沼地には
ホテイアオイの紫色の花々が
咲き誇りすぎ
黄金色の魚体が
ぐらり揺らげば
緑あふれる隙間で
透き通っていたはず ....
 
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう

そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ ....
今年は逆チョコが流行るというので
私も早速チョコを買いに出掛けたが
行きの電車賃を払ってしまったら
財布に全然お金がなくなって
チョコを買うことが出来なかった
こうして流行に乗り遅れた私は
 ....
 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らな ....
男はおおかみくん
ちゃいろいおおかみくん
にじんだおおかみくん
夏のおわりみたいにきらきらしてる

最後のおおかみくん
ともだちのふとんの他人のにおいなつかしい
くるまりたい
ここでと ....
はたらきたくねえなあ と そんなにおもっていないのですが
はたらいていないです
ニュースで言うよりは
東京だし
しごとはあります
バイトルドットコムのデータ入力のしごとが
渋谷駅についたら ....
逆チョコは
製菓企業の
陰謀です

ああどうか
あのひと
騙されて!
梢にお月さまがとまってる

お月さまだって
たまには
休みたいのよ
波打ち際の流木に
白いワンピースの後姿

沖に向かって風が吹いたとき
彼女の瞳は
黒曜石のように輝き始める

白のスカートを翻して海を渡り
愛した故郷の港や島影が遠くなると
こ ....
霜が降りた
歩道の黒い縁石に
雲まで忍び寄る電柱の背中に
今朝のしるしが重なる

雲ひとつない冬空の下を
花嫁が歩いていく
黒地に赤い花を揺らして
うなじに笑顔の雫を落として
半月前 ....
この狭い都営住宅の部屋の中にも
20×30の空間は無数にある

その空間をキミたちは
自由自在に遊びまわる

カーテンのかげ
天井までとどくタンスの上
押入れのすき間
整理ダンスに囲 ....
ありのままに
よごれていけたら、いいね

きっと、
すべてを
にくめぬように
そまればいい、
ただ

たとえ
だれかが
よごれ、とよんでも
それはかならず
うつくしい ....
すかすかで
ふっとんだ、ヨタ
しょっぱい木霊がかえる空気より
真空の宇宙のほうがいい
なにもかにもが
ちりぢりと
ぶちまけられて
なんにもどれも
だれもかれも
ひとつたりとも帰ってこ ....
堅い梢から
白い気泡がぷつぷつと生まれて
二月の空に立ちのぼる

それは
君の唇からもれる
小さな温度に似ていて
僕の尾ひれを
とくん、と春へかたむける

ふらりと現れて
はな先 ....
十時半に出社をしたら
牛乳売場はガタガタで
パートさん達は僕がいなかった穴を埋めようと
忙しなく作業を続けていた

慌てて手直しにかかったけれど
焦って商品の場所が思い出せない
まるごと ....
広場ではカーニバルの真っ最中。
となりのマンションの窓からは
ヨカナーンの首の実証見聞がオコナワレテイルノガミエル。
そう、カーニバルの最中ほど淫猥な儀式が似合うときなんてありはしないのだ。
 ....
洗えるお母さん
あたためますかお母さん
出会い頭にお母さん
やわらかめお母さん
おふざけが過ぎますなお母さん
スナイパーお母さん
ちょい悪お母さん
改革お母さん
ねっとりもっちりお母さ ....
 コーヒーのおかわりをきっかけに、小休止することにした。私達が始めたのは、とりとめのない世間話であったり、身の上話であった。蝋燭は、相変わらず影を持たずして揺れていたが、それは極めて自然なことに思えた .... 今も録音してくれているのかい?
洗脳都市はサイバー・ショットのシャッター音で再生して形成してゆく。 ....
やさしく泣ける理由を
さがしている
冬は、つめたく
懐かしむものなどないけれど
遠く、とおくを見る
いつまでもみていられない
ゆめを見ている

眠れない夜はつきが恋しい
溶けるお ....
夜になるとどんな人でも少しはセンチメンタルになるらしい

それは昼間の自分に比べたら、ということらしい

だから深夜2時の私が考えていたことが

12時間後の今の私に通用するはずがないの
 ....
「風の歌を聴け」
だとか
「花の囁きに耳を傾けて」
だとか
あなたは言う

私はいつも

へぇ キレイね すごいね、感動するね、

と言ってはみるけれど

本当は少しも聞こえて ....
電車が
夜になると光るのは
恋をしているからよ

夜の街を
急ぐように駆け抜ける列車の
まっすぐな光の筋

あのカタブツが
淡く夜光するさまは
なんともいじらしい

だから ....
携帯が久しぶりになったと思ったら
ママからだった。
女子大生のひとり暮らし なんて
本当はすごく地味で
例えばツタヤのイケメン店員に
なんとなく惚れてみたりして
そうやって  ごまかしてる ....
手のひらで乾きつつある血の色や
頬についた砂つぶ
それを指で払い落とす

あの
ざらざらとした手触りに
あの
深さをまして沈む色に
瑞々しさはあって
血の色が
紫がかっていた
だ ....
世界中にあふれている
たくさんの言葉たち

きれいな言葉
やさしい言葉
愛にあふれた言葉

どれもみんな素敵だけれど
でもちがうのよ

私が探しているのは
胸にかちりとはまる
 ....
1という字のように立ち 一という字のように眠れ 孤独な無限



0なんて発見するからいつまでも君の不在が消えないままだ



ON/OFFのあいだに広がる宇宙にて親指は祈る メール、 ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする


母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて


机に張り付いて私は耳を澄ま ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
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